プログラム名、サービス名、法人名などIT業界では横文字や略語のオンパレードです。中何と読めばよいかわからない単語も多いと多いと思います。読み方のわからない単語を人前で読み上げないといけなくなり少し困った人もいるかもしれません。あるいはミーティング等で、他の人が個性的な読み方をしているときに、自分としては違和感を感じながらも自信が持てないので、他の人の読み方に合わせたことがある人もいるかもしれません。1
一例として IANA は、【アイエーエヌエー】と各アルファベットを一つずつ読み上げるべきでしょうか、それとも【アイアナ】と一単語のように発音するのが自然でしょうか。相手に通じれば何でも良いと言えばその通りですが、一般的にどう発音されているのか知りたいと感じたことは無いでしょうか?
そんなときに使えるサービス YouGlish を紹介します。
※本記事では、単語の読み方を示すために、日本語のカタカナを墨括弧の中に表記する形式を採用します (例えば IPv6【アイピーブイロク】)。これはかなり日本語に寄せた記法であり、発音の正確性が犠牲になりますが、便宜性、理解しやすさを重視したためです。
※本記事では、何が「正しい」発音であるかは扱いません。特定の用語がどう発音されているか、あるいはどういう発音が通じやすいかを考える参考になればと思います。
YouGlish
YouGlishは、YouTube動画の一部をサンプルとして、単語やフレーズをキーワード検索すると、動画の中でそのキーワードが発音されている場面を視聴できるサービスです。サービス名に表れている通り、英語のリスニング/スピーキング学習者向けサービスです。現在は他言語の動画も検索できます。
特長として以下が挙げられます:
- 検索した単語がまさに発音される位置から再生できるので動画の中を探し回らなくてよい
- 生身の人間が実際に発音した言葉を聞ける
- 複数のサンプルが得られるので、人や文脈による発音の違いや、どの読み方が多数派なのか分かる
- アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語でフィルタリングできる
runc の読み方を知りたくて検索してみました。全てのサンプルで【ランシー】のように発音されており、【ランク】のような読みはYouGlish上では見つからないことがわかりました。スキップボタン (濃い青のボタン) で次の動画に遷移できるので、複数のサンプルを次々に効率的に聴くことができます。ぜひ皆さんも、読み方の気になっている単語を調べてみてください。
注意点として、サンプル動画に偏りがあります。例えばGoogle系の動画はたくさんあるがAWS系の動画がほとんどないので、AWSの人によるAWS用語の発音サンプルはなかなか見つかりません。
普段あたりまえに使っている単語こそ調べてみる
海外の人たちと英語で話をする機会がある方や、英語学習者の方は、日本で普及している読みが英語では違う形で発音される場面を聞いたことがあると思います。意識せずに使っている単語こそ、一度調べてみると意外な発見や学びが見つかって楽しめると思います。個人的には、ルータ (router) を調べてみたところは、アメリカ英語では【ラウター】、イギリス英語では【ルーター】が主流であることが、ささやかながら面白い発見としてありました。
ぜひ活用してみください。
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GNU や cURL (curl) のようにプロジェクトが公式に発音を示す場合もあります。ちなみにcurlが【シーユーアールエル】と発音されるのを耳にしたことがありますが、左にリンクしたプロジェクト公式のFAQではcurl開発者たちは【カール】のように発音していると説明されています。 ↩