Raspberry Pi PicoにもWi-Fi&Bluetooth機能が搭載されたRaspberry Pi Pico Wが発表されました。まだ技適を通っていないため、国内の販売店では売られていません。とはいえ、海外のサイトから購入し、実験のための特例制度を申請すれば、お試しはできるので、ちょっといじくり中です。
個人的には、Raspberry Pi Picoに搭載されているRP2040(マイコン)の特徴は低消費電力であり、採用される製品も単機能かつ電池駆動を前提だと思います。それなので、電力を使うWi-Fiでの通信は相性がイマイチとは思っています。(Bluetoothは期待)
とは言え、ホビーやプロトタイピングでの活用では、手軽にWi-Fiに繋がって、ネットと連携できるマイコンボードとしてはとても魅力的だと思います。
今回は、そんなRaspberry Pi Pico WとESP32を搭載しているM5 ATOM Liteの消費電流を比較してみました。
スペックの比較
まずは、スペックを比較してみます。
項目 | Pico W | ATOM-L |
---|---|---|
CPUクロック | 133MHz | 240MHz |
CPUコア数 | 2 | 2 |
RAM | 264KB | 520KB |
FLASH | 2MB | 4MB |
GPIO | 26 | 6+2 |
その他I/F | BOOTSELボタンx1 LEDx1 |
ボタンx1 リセットボタンx1 RGB LEDx1 赤外線LEDx1 Grove I/F |
価格 | 1,199円 | 1,408円 |
GPIO以外は、M5ATOM Liteに軍配が上がりますが、どちらもマイコンとしては十分な性能だと思います。
消費電流比較(Wi-Fiスキャン)
まずは、Wi-Fiのアクセスポイントをスキャンするスケッチで消費電流を比較してみます。
スケッチ
どちらもArduino IDEでプログラミングを行い、以下の同じスケッチを動かしました。
ちなみにRaspberry Pi Pico Wは、Arduino IDEでもすでに他のWi-Fiを搭載したボードと同じ様にスケッチを書けるようにアップデートされています。
#include "WiFi.h"
void setup()
{
Serial.begin(115200);
// Set WiFi to station mode and disconnect from an AP if it was previously connected
WiFi.mode(WIFI_STA);
WiFi.disconnect();
delay(100);
Serial.println("Setup done");
}
void loop()
{
Serial.println("scan start");
// WiFi.scanNetworks will return the number of networks found
int n = WiFi.scanNetworks();
Serial.println("scan done");
if (n == 0) {
Serial.println("no networks found");
} else {
Serial.print(n);
Serial.println(" networks found");
for (int i = 0; i < n; ++i) {
// Print SSID and RSSI for each network found
Serial.print(i + 1);
Serial.print(": ");
Serial.print(WiFi.SSID(i));
Serial.print(" (");
Serial.print(WiFi.RSSI(i));
Serial.println(")");
delay(10);
}
}
Serial.println("");
// Wait a bit before scanning again
delay(5000);
}
計測結果
CPUのクロックスピードが異なるため、Raspberry Pi Pico Wを100MHz、M5 ATOM Liteを80MHzにクロックダウンした値も計測しました。
Raspberry Pi Pico Wは、Wi-Fiを使用するときだけ、消費電流が増え、M5ATOM Liteは一定となっていました。
スケッチは同じでも裏の制御が異なるので、単純に比較はできませんが、最大の消費電流を比較すると以下のようになります。
項目 | Raspberry Pi Pico W | M5 ATOM Lite |
---|---|---|
標準クロック | 67mA(133MHz) | 115mA(240MHz) |
クロックダウン | 66mA(100MHz) | 93mA(80MHz) |
※計測が1秒間隔でしか行えなかったため、瞬間的な最大はRaspberry Pi Pico W 133MHzで80mA
近辺ぐらいあるだと思います。
消費電流比較(Http Client)
追記予定
処理速度
追記予定