MbedのオフラインIDEであるMbed Studioの1.0がリリースされました。
これまでもお試し版が公開されていましたが、正式にversion 1.0が公開されました。
Mbed Studioとは
オンラインコンパイラが特徴のMbedですが、その環境がローカルPC上でも使用できる開発環境です。オンラインコンパイラと同じく無料で使用できます。マルチプラットフォームでWindows、Mac、Linuxそれぞれにインストーラが用意されています。インストーラは以下からダウンロードできます。
使用方法の説明は以下のリンクにあります。
Mbed CLIとの違い
今まではオフラインの環境としてはMbed CLIが提供されていました。Mbed CLIはCUIベースで、自動テストができることや他の統合開発環境と連結してデバッグできることがオンラインコンパイラとの違いでしたが、Mbed Studioはエディタやデバッガも統合されているので、初心者でも扱いやすい仕様となってます。
さらにMbed CLIはコンパイラとしてGCC Armが付属していましたが、Mbed Studioはオンラインコンパイラと同じArm Compilerが付属されています。GCC ArmとArm Compilerは最適化効率が異なるため、オンラインコンパイラではマイコンのFlashに収まるサイズだったもののMbed CLI上でコンパイルしたら収まらないということがありました。Mbed Studioではそのようなことはありません。
WindwosではGCC Armのコンパイルは遅いので、その点も解消されます。
Mbed Studio対応プラットフォーム
Mbed用の統合開発環境なので、Mbedプラットフォームしか対応していません。そのなかでもMbed OS 5.12以降もしくはMbed OS 6に対応しているプラットフォームとなります。詳細は以下のリンクから確認することができます。
Mbed Studioの機能
Mbed Stduioの見た目はVisual Studio Codeに似ていますが、ベースはTheia IDE(もしかしたらオンラインコンパイラもTheia IDEベースになる?)です。
オフラインのツールですが、Mbedのユーザー登録とMbed Studioからのログインは必要です。
特徴的な機能は次のようになっています。
Git連携
オンラインコンパイラのソースコード管理はMercurialでしたが、Mbed StudioではGitのソースコード管理ができます。設定がちょっと面倒ですが、Github上のリポジトリとも連携させることができます。
説明は以下のドキュメントに書いてあります。
プラットフォーム検出&ファーム書き込み
MbedプラットフォームをPCに接続すると自動的に認識するようになっています。そのまま、GUI操作でコンパイルしたバイナリを書き込むことができます。
デバッグ
ステップ実行や変数の値の確認、スタックトレースができるようになっています。
ただ現在、対応しているプラットフォームは少ないです。以下のリンクから対応プラットフォームの確認ができます。
あとがき
Mbedのハンズオンやワークショップなどを行うのにオンラインコンパイラは何もPCにインストールすることなく使用できるので、便利なのですが、オンラインコンパイラは使用できなくなることもあるので、オフラインの選択肢も用意されるようになったのは良いですね。
しかも買うと数十万以上するArm CCが無料で制限なく使用できるのは魅力的です。