デスクトップパソコンの場合、プログラムにしても文章にしても、入力するにはキーボードが必要となります。「とりあえず付いているものを使う」ということもできなくはないですが、こだわって選んでみると世界が変わるかもしれません。
自分の事情
自分の場合、子供の頃から筆圧が強く、鉛筆やシャーペンの芯は、使った量より折った量のほうが確実に多い、そんな状態でした。パソコンを使い出してもキーボード圧が強いのは相変わらずで、以下のような数々の武勇伝を生み出していました。
- 強く使いすぎた結果、エンターキーが半分に割れてしまう
- 大学時代、研究室に配属になった時に、標準的なキーボードの打鍵音がうるさく、パンタグラフのものに入れ替えられてしまう
- 会社では同様の理由でゴムシートのキーボードが割り当てられる
- でも、1年するかしないかのうちにまともに入力できなくなってしまう
ということで、会社で使うマシンの場合は「静音第一」で選ばざるを得ませんでした。
ふつうのキーボードと、高価なキーボードの違い
ただ使いたいだけなら、1000円も出せばキーボードは手に入ります。それでは、値段が1桁違うようなキーボードは、何が違ってくるのでしょうか。
安価なキーボードでは、スイッチ部分がゴムシートでまとめて整形してあります(「メンブレンスイッチ」と呼ばれます)。これに対し、高級なキーボードの多くでは、キースイッチにもっと複雑(で高価)な仕組みを使っています。
- 静電容量方式…キーの検知を物理的な接触で行うのではなく、非接触で行う方式。スイッチ機構とまったく無関係にキー荷重を設計できる。
- メカニカルスイッチ…キー1つ1つにスイッチを取り付けた方式。スイッチの種類によってキータッチが大きく違ってくる。
あと、構造が複雑になることや、内部を補強してあることもあって、これらのキーボードはふつうのより(キーボード自体の)重さがあります。ノートパソコンでもない限りキーボードはあまり持ち歩くものではないので1、重いことによるデメリットはあまりありません。逆に、重さがあるので安定する、キーの音がキーボードで反響することが少ないなど、むしろメリットになります。
試し打ちしてみて
ちょうど出かけた機会に、いろいろなキーボードを試し打ちしてみました。
静電容量方式
これは東プレのRealForceと、それのOEMになるHHKB Proというように採用メーカーが限られています。東プレは業務用キーボードも作っていて、誰でも触れるような所ではセブン銀行ATMのテンキーにも採用されています。
業務用がメインということもあって信頼性は高く、また機械的に触れる部分がないので打鍵音も静かです。打った感触としては、「すっと吸い込まれるような」感じでした。
これも悪くはないのですが、機構の複雑さか、はたまた競合がないからか、メカニカルよりさらにひとまわり高価なキーボードとなっています。
メカニカルスイッチ
スイッチにも何種類かあって、Cherry MXという種類のスイッチがよく使われています。そして、このスイッチの中でも押し心地が違うものが何種類かあって、色の違いで「茶軸」・「青軸」・「赤軸」・「黒軸」というように呼び分けられています。それぞれのスイッチはこのあたりに違いが書かれていますが、自分が打ってみたところ、茶軸・赤軸では軽すぎて下まで当たってしまうような感じでした。青軸と黒軸はそこそこ打ちやすかったのですが、会社で静音を求められたことへの反動もあって、クリック音がする青軸キーボードを選んでみました。
最後に
PC関連の機器は、「高いもののほうが性能がいい」ですが、ことキーボードについてはそれ自体の性能2というより、「自分との相性」のほうが重要となってきます。打ちやすいキーボードで、快適なプログラミングライフを送って行ってください。