HTML 4.01が出る前には、HTMLには独自要素が満ち満ちている状態でした。今回はその1つである、<blink>
要素について取り上げてみます。
まずは紹介から
知らない人もいるかと思いますので一応紹介しておきますと、<blink>
は中身のテキストを点滅させるための要素です。
成立の経緯
関係者が書いたものが転がっていたのですが、発祥としては「Lynx(テキストブラウザ)でも使えるような装飾として、点滅はどうだろう」と言い出した飲みの席での会話で、それを聞いた誰かが一晩でやってしまった、とのことです。当の本人曰く、<blink>
が溢れまわるのは全く想定外だった、とのことです。
廃止の経緯
ポケモンショックを例に引くまでもありませんが、点滅したものは目に付きすぎるなどUX的にもうれしいものではなく、FirefoxとOperaだけに実装されていました。
そして時は2013年、GoogleとAppleが呉越同舟で開発していたWebKitから、Googleがフォークすることを宣言したのですが、その背後でOperaも独自エンジンを放棄してWebKit系への合流を行うこととなりました。
結果、<blink>
をサポートしているブラウザがFirefoxだけになってしまうこと、さらにCSS3のAnimationを使えば再現できることもあって、<blink>
はFirefoxでも廃止されました。
事態が落ち着いてみれば、ChromeとOperaが使うエンジンがBlinkという名前となっていたのも、運命の皮肉かもしれません。