はじめに
音声やビデオ関連のネットワーク設定でお馴染みの方も多いかと思いますが、QoSの設定におけるDSCPは、ネットワークのトラフィック優先順位を制御する上で重要なファクタですよね。このブログでは、ThousandEyesではこのDSCPがネットワーク上でどのように取り扱われているのかを調査する方法や利用例をご紹介します。
念の為、DSCPやThousandEyesとは?
DSCPはIPヘッダに含まれるコードで、通信データの優先順位を示します。例えば、音声やビデオ通信など、優先されるべきトラフィックにDSCPを適用することで、該当パケットがネットワーク上で優先的に処理されます。
ThousandEyes はシスコ社が提供する、ネットワークやサーバ、アプリケーションパフォーマンスをアクティブに監視するソリューションです。その特徴は、ネットワーク機器のヘルシーチェックに留まらず、エンドツーエンドでユーザー目線のインフラ監視を行う点にあります。
ThousandEyesでDSCPを追跡
ThousandEyesのテストでは、管轄外のネットワークでDSCPがどのように扱われているかを確認できます。たとえば、DSCP値が不適切に書き換えられている場合でも、それを検知して把握することが可能です。これは、特にインターネットやクラウドを活用する音声やビデオツールの運用において、重要なポイントと言えるでしょう。
調査例
ここでは、ThousandEyesを使ってDSCPを調査する方法について簡単な例をご紹介します。
ThousandEyesのテストビュー画面では、エージェントからターゲットまでのネットワークパス上でDSCP値が書き換えられた場合、その情報が「info」として表示されます。この機能はあまり目立たないかもしれませんが、特に音声系トラブルの原因特定に役立つ重要なポイントです。
さらに、マウスを該当ハイライトされたリンクに当てると、DSCP値がどのように変わったかとの情報が確認できます。
アラートも設定可能
DSCP 値を条件にアラートを設定し、問題が起きた際にいち早く問題把握しましょう。
ThousandEyesによるDSCP調査の利点
インターネットや管轄外のネットワークで、何らかの理由で本来守られるべきDSCPの値がリセットされてしまうと、いくらLAN側でQoS設定をしても意味がなくなり、ビデオや音声の品質に影響が出やすくなるのは言うまでもありません。その結果、原因が特定できないまま迷宮入りしてしまう障害ケースも多いのではないでしょうか。
ThousandEyesのアクティブ監視を使えば、End-to-Endでネットワークをチェックできて、経路の問題をすぐに見つけられます。この機能を活用して、音声系の障害が発生したときのトラブルシューティングに役立てていただけたら嬉しいです!