Uipath StudioXのレコーダーを使ってIBM Notesの自動化が簡単に出来たので紹介する。
<経緯>
これまで会社で使っているいろいろな基幹アプリケーションをRPA(BizRobo、UiPathStudio、WinActor、AutomationAnywhereA360)で自動化する試みをしてきたが、IBM Notesだけはどのツールでもかなり特別な作り方をするいわゆる職人技になっていた。
この事は、RPAの定義でもある「誰もが簡単に自分の与えられた単純作業を自動化する」という肝心な部分が実現されていない事になる。
2021年2月にふとしたきっかけで、StudioXと言う新しいシチズンデベロッパーツールを導入するきっかけがあり、ダメ元でレコーダー機能を使ったところ、恐ろしく簡単に自動化ができてしまい、ツールの仕組みも私が期待した通りになっていた。
<レコーディングのポイント>
1、これから自動化したいアプリケーションをログイン画面の前まで開いた状態で、レコーディングを開始する。
※「URLまたはアプリケーションを開く」アクティビティを手動で入れる必要はない。
2、レコーディングで判別される起動プログラムがnlnotes.exeになるので、これをnotes.exeに修正する。
3、Notesは画面表示までに時間が掛かるので、5秒~30秒程度の「待機」アクティビティを入れる必要がある。
【シナリオ】
Notesを開いて、Excelのマニュアルが置いてあるページに移動し、ファイルをダウンロードする。
【利用アプリ】
UipathStudioXのレコーダー機能
【手順】
①事前にNotesを起動し、ログイン画面で停止します。
②UiPathStudioXを起動し、レコーダーを起動します。
③レコーディングを開始したら、Notesのログイン画面を選択してパスワードをレコーダーの目のマークをクリックした後で入力します。※目のアイコンをクリックしないとパスワードが丸見えになってしまいます。
④ログインボタンをクリックします。
⑤ここでレコーダーの一次停止ボタンを押し、保存すると、StudioX画面に戻りフローが記録されます。
⑥ログインのアクティビティがあるので、この中のnlnotes.exeとなっているところをnotes.exeへ修正する。
→コレ大事。
⑦続けてレコーダーをクリックすると続きのレコーディングがはじめられる。
⑧2021.10のレコーダーからは、アンカーを手動で設定する必要があるので、多重表示されないアンカー(ユニーク)を指定しながら、小さなチェックボタンで確実に手動でNotesを操作したのと同じように操作をレコーディングする。間違えて撮ってしまったレコーディングは、レコーダー画面内でゴミ箱ボタンを押すことで、部分消去出来る。※ビデオ操作のようにレコーディングできる。
⑨一連の操作を終える際にNotesを終了させる×ボタンを押すまでを記録するようにする。
⑩これでレコーダーを終了する。
⑪StudioX編集画面へ戻るとまずは実行してみる。
⑫動作させるPCのメモリが16GBあるならPiP動作も可能。
⑬たまにタグが見つからないなどのエラーが出るのでその場合は画面表示するまで5秒~30秒の範囲で「待機」アクティビティを入れるようにする。
これで作って成功する事が確認出来たプロセスは、何回やっても同じように動作する。
当たり前のようだがそういうRPAは現在はStudioXだけと思われる。
PiPの注意事項:
PiPは初期動作がRDPにログインするような動きをするので「実行」はうまくいくが「PiPで実行」はタイムアウトでPiP画面が消えてしまい何度やってもPiPがうまくいかないことがある。そういう場合は、あらかじめNotes以外のブラウザで簡単に表示するようなプロセスをPiP動作させる。タイムアウト以外ならPiPウインドウは閉じないので、開きっぱなしで、「PiPで実行」をやればうまく動作する。