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ステーブルコインってなに?

Last updated at Posted at 2019-09-04

https://inside.lcnem.com/
※この記事は上記のLCNEM Insideに私が書いた内容と同じです。

この記事とは「ステーブルコインとはなにか?」からその必要性や種類に関して言及して行きたいと思います。

ステーブルコインとはなにか?

ステーブルコインとは一般的に「ボラティリティ(価格変動)のない通貨」の事を指します。ステーブル(stable)という言葉には「安定した」、「不変の」といった意味があり、ボラティリティを利用して収益を出そうというコンセプトの通貨とは一線を画します。

ステーブルコインがなぜ必要とされているのか?

1.ボラティリティに関する課題を解決するため

暗号資産(仮想通貨)を購入する人は何故購入するのでしょうか?
海外旅行の際に手軽に送金できるから?先進的な技術に触れて興奮するから?

大半の暗号資産「ホルダー」にとって、暗号資産の主な所有目的は「ボラティリティを活かしたキャピタルゲイン(値上がり益)を得ること」ではないでしょうか。

暗号資産は通常の金融資産ではありえないほどのボラティリティを持つ代わりに、価格の安定性が著しく欠けるという特徴を有しています。このため、値上がり益が最大目的ではない暗号資産「ユーザー」にとっては、価格が安定した暗号資産が幅広く使えるというユースケースが必要なのです。

例えば、価格が安定していない暗号資産は決済に不向きです。毎日何%も価値が変動するコインを決済に使おうと思ったら、ユーザーはその変動分の損失を考慮して決済しなければなりません。それは非常に不便です。

2.資産防衛のため

皆さんはご自身がお持ちの通貨や金融資産(株、債権など)などがある日突然紙くずに変わったらどう思われますか?とても耐えられる苦痛ではないはずです。

特定のブロックチェーン内に残高を記録することで、法定通貨や金融資産が政情リスクによってインフレしたり、災害などで燃えてしまったり、既存の金融システムの脆弱性から資産がハッキングされることなどからあなたの資産を守ることが出来ます。

3.国境を超えた法定通貨として利用するため

海外に旅行などで行かれる際、現地で買い物をするために必要な手段は何でしょうか?
円を外貨に替える、クレジットカードで買い物をする、キャッシングするetc

このいずれの選択肢でも買い物は出来ますが、「手数料が高い」です。
特に通貨の両替は数%も手数料を取られてしまいます。
円建てのステーブルコインを外貨建てのステーブルコインに変え、現地で両替したりそのまま利用するほうが大きく手数料の面で大変お得なのです。

ステーブルコインの種類

法定通貨担保型


法定通貨担保型は、読んで字のごとく「必ず法定通貨とペッグ(対応)するステーブルコイン」です。担保となる法定通貨の種類としては、先進国の米ドル・日本円以外にもメキシコペソなどの新興国の通貨があります。

法定通貨担保型は下の2つとは異なり、担保となる資産価値を国家や政府、中央銀行が保証してくれます。そのため最も信頼性が高いのですが、裏を返せば価値を保証してくれる国家や政府、中央銀行の信頼性が最も重要です。

LCNEMのステーブルコインはこの法定通貨担保型です!(正確には他のステーブルコインと違って暗号資産ではなく、第三者型の支払手段。つまり電子マネー)

LCNEMは世界初の日本円を担保にした仮想通貨を発行しました。NEMのモザイクという独自トークン発行機能を使うことでコインを発行し、前払式支払手段での決済となるため、プリペイドカードなどのように法定通貨でポイントをあらかじめ購入する形で販売されます。
https://lcnem.com/

他の法定通貨担保型のステーブルコインの例を下で紹介します。

1.Tether
https://tether.to/

このステーブルコインはテザーと読みます。テザーは米ドル・日本円・英ポンドなどに100%(自称)ペッグしたトークンを発行しています。彼らは時々「この人達は本当に何千億円もの裏付け資産持ってるの?」とか「相場を操縦しているんじゃないの?」などと疑いの目を向けられます。

https://jp.cointelegraph.com/news/fractional-reserve-stablecoin-tether-only-74-backed-by-fiat-currency-say-lawyers
実際には75%しかペッグしていなかったようです。

2.GMO Japanese Yen
https://gmo.jp/news/article/6177/

1円=1GJYとして発行されるステーブルコインで、テザーと違って100%資金の裏付けがあります。
LCNEMとは異なり、海外での普及・利用拡大がメインのようです。

3.Libra(※厳密にはステーブルコインではない)
https://libra.org/en-US/white-paper/?noredirect=en-US#introduction

個人的な感覚ですが、おそらくビットコインの次くらいにメディアで取り上げられたと思うので、このブログを読まれている方なら一度は見聞きしたことがあるかもしれません。

Libraは正確には通貨バスケット制と呼ばれる形態で、米ドルや英ポンド、ユーロ、円など複数の通貨と国債にペッグしています。

他の法定通貨担保型と異なり、独自のトークンに世界経済を動かす力を備えようとしていると米司法省や世界中の金融関係者から警戒され、現在は苦境の真っ只中にいると言えます。

EU独禁当局が調査
https://japan.cnet.com/article/35141535/
支援三社が「距離を置く」意向
https://japan.cnet.com/article/35141716/

仮想通貨(暗号資産)担保型

仮想通貨担保型は、法定通貨ではなく仮想通貨を担保にしてステーブルコインの価値を保証しているものです。

このブログを読まれた方が真っ先に思い浮かべる疑問は「えっ?仮想通貨(暗号資産)ってボラティリティが高いのに、そんなものとペッグしたらステーブルじゃないじゃん」という点ではないでしょうか。

仰るとおりで、安定しているビットコインやイーサリアムとのペッグであっても、裏付け資産の値動きの激しさに大きく影響を受けます。

しかしメリットも有り、分散性を有することからリスク管理が必要な機関投資家や資産家、政府を信頼できない市民などから人気が出ると予想されています。

例としてはMakerDAOがあります。
https://en.bit-pr.com/makerdao-dai-decentralized-lending/

MakerDAOの仕組みは非常に複雑なので、詳細に説明するとブログ記事がもう一つ書けてしまいます笑
なので要点だけ説明します。

MakerDAOは、CDP (Collateralized Debt Positions = 担保付債務ポジション) と呼ばれる仕組みを採用しています。利用者はスマートコントラクトに担保資産をETHで差入れることでCDPを生成します。そのCDPを担保にローン(融資)を組成して、DAIというトークンを引出すことができます。DAIを返済し手数料を支払うことで担保にしていたETHを取り出し可能です。

DAIは分散型ステーブルコインとして、他の暗号通貨との交換や、リスクヘッジ、店舗決済や国際送金、貯蓄など幅広いユースケースが存在しています。

無担保型

最後に無担保型の説明です。
無担保型は法定通貨や暗号資産など既存の資産を担保とせず、通貨供給量を調節することで価値を担保します。

身近な例ですと、日銀や財務省が貿易動向や経済動向など、通貨の需給バランスに応じて市場に出回る通貨の供給量を調整していることをイメージしてもらえると分かりやすいかと思います。

具体的な例としてはCarbonが挙げられます。
https://www.carbon.money/

CarbonはEOS上のブロックチェーンで最初のステーブルコインで、米ドルやCPI(消費者物価指数)とも関連し、トラストレスに動く仕組みを採用するとしています。

CUSD価格を操作するために、オークションでカーボンクレジットに入札するようユーザーに奨励することで、コインの供給を増やします。その見返りに、ユーザーは値引きのオファーを受け取ります。これはステーブルコインの価格を維持するのに役立ちます。ステーブルコインの価値が変化するにつれて、Carbonはその価格に適応するようにいくつものトークンを販売することで調整を行っているのです。

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