[初心者向け] Dockerで簡単なWebコンテナとDBコンテナを作ってみよう
前置き
最近Dockerに触れる機会があったので、復習がてら簡単なWebコンテナとDBコンテナを作成して
コンテナ間で通信するまでの手順をまとめたいと思います。初心者向けの内容となっています。
Dockerは知っている前提です。
環境
- Windows10 Home
- Docker Desktop
- インストールはこちらから
構成
- docker-compose利用
- DBコンテナ
- OS:alpine
- postgresql11
- Webコンテナ
- OS:centos7
- apache2.4
- php7.4
DBコンテナはDocker-hubに公開されているpostgres公式のイメージを使ってサクッと作ります。
一方Webコンテナは必要なパッケージを選んで作る形でやってみます。
docker-composeとは
docker-composeは、複数のDockerコンテナを操作するためのツール(コマンド)です。
docker-composeはDocker Desktopに含まれているため、別途インストールする必要はありません。
docker-composeはdocker-compose.ymlというファイルに複数のDockerコンテナの定義を記述しておき、
docker-compose build(Dockerイメージの作成)やdocker-compose up -d(Dockerコンテナの起動)
といったコマンドで複数のDockerイメージ・コンテナを操作することができます。
早速必要なファイルを作成していきます。
作業ディレクトリ
|docker-compose.yml
|-db
| Dockerfile
|-web
Dockerfile
DBコンテナ
Dockerfile作成
FROM postgres:11-alpine
ENV LANG ja_JP.utf8
DBコンテナ用のDockerfileはこれだけです。
Dockerfile内容
- FROM: ベースとなるイメージを指定します。
- ここでは、公開されているpostgres公式のイメージを取得して使用することを示します。
Webコンテナ
Dockerfile作成
FROM centos:7
RUN yum update -y
RUN yum install -y httpd
RUN yum install -y vim
RUN yum install -y epel-release && \
yum install -y http://rpms.remirepo.net/enterprise/remi-release-7.rpm && \
yum install -y --enablerepo=remi,remi-php74 php php-pdo php-pgsql
RUN systemctl enable httpd
Dockerfile内容
- RUN: ビルド時に実行したいコマンドを記載します。
- ここでは、主に必要なapache httpdとphp7をインストールしています。(おまけでvim)
- RUN以降の書き方について
- 上記ではRUNのあとにyumコマンド1つだけのものと、&&で複数つなげているものがあります。
&&でつなげることでイメージのレイヤ数を抑えることができ、こちらが推奨されているようです。
このあたりの話は下記が参考になります。
- 上記ではRUNのあとにyumコマンド1つだけのものと、&&で複数つなげているものがあります。
docker-composeファイル作成
docker-compose.yml
version: "3"
services:
web:
build:
context: ./web
dockerfile: Dockerfile
container_name: web
volumes:
- ./html:/var/www/html
ports:
- "80:80"
privileged: true
command: /sbin/init
networks:
app_net:
ipv4_address: 172.30.0.2
db:
build:
context: ./db
dockerfile: Dockerfile
container_name: db
ports:
- "5432:5432"
environment:
POSTGRES_USER: postgres
POSTGRES_PASSWORD: postgres
networks:
app_net:
ipv4_address: 172.30.0.3
networks:
app_net:
name: app_net
driver: bridge
ipam:
driver: default
config:
- subnet: 172.30.0.0/24
docker-composeファイル内容
主なものを記載します。
- services
- 起動するコンテナ群の定義。上記の例だと、webとdbという2つを定義していることになります。
- build
- そのコンテナを構築する際のオプション定義。
- context
- Dockerファイルのあるディレクトリパスを指定。
- volumes
- dockerを実行しているホストとコンテナをつなぐ設定。
ここでは、ホスト上のhtmlディレクトリとコンテナ上の/var/www/htmlがリンクするイメージです。
ちなみにディレクトリではなく、ファイルを指定することも可能。
- dockerを実行しているホストとコンテナをつなぐ設定。
- ports
- 公開するポートを指定。":"の左側がホスト上のポート、右側がコンテナ上のポートです。
ここでは同じポート番号にしています。ホスト上からlocalhost:80でコンテナ上の80に接続できます。
- 公開するポートを指定。":"の左側がホスト上のポート、右側がコンテナ上のポートです。
- privileged
- これはdocker run時に指定するprivilegedオプションにあたります。privilegedオプションについては
systemctlコマンドでFailed to get D-Bus connection: Operation not permittedが出てサービスを
起動できないことへの対処で設定しており、説明は割愛します。
- これはdocker run時に指定するprivilegedオプションにあたります。privilegedオプションについては
- command
- docker-compose upした時に実行したいコマンド
docker-composeコマンドでbuild～コンテナ起動
build
# build
$ docker-compose build
# コンテナ起動
$ docker-compose up -d
dbコンテナでテスト用テーブル作成
# dbコンテナに入る
$ docker-compose exec db /bin/bash
以下コンテナ内で作業
# テストテーブル作成
$ psql -U postgres -c 'create table test (name text)'
# テストデータ作成
$ psql -U postgres -c "insert into test (name) values ('hello'),('world')"
# 一旦コンテナから抜ける
$ exit
webコンテナでテスト用スクリプト作成
# webコンテナに入る
$ docker-compose exec web /bin/bash
以下コンテナ内で作業
$ cd /var/www/html
$ vi test.php
test.php
<?php
$dsn = 'pgsql:dbname=postgres host=172.30.0.3 port=5432';
$user = 'postgres';
$password = 'postgres';
try{
$dbh = new PDO($dsn, $user, $password);
$sql = 'select * from test';
foreach ($dbh->query($sql) as $row) {
echo $row['name'] . ' ';
}
}catch (PDOException $e){
echo $e->getMessage() . PHP_EOL;
die();
}
動作確認
http://localhost/test.php へアクセスしてhello worldと表示されれば成功です。
dockerファイル共有
上記の環境を整え済みのdockerファイルを共有しておきますので、お試し下さい。
※dbコンテナのテストデータは入っていないため、上記参考にデータ作成して下さい。
$ git clone https://github.com/jcong7495/docker_simple_web_db.git