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AIを使いこなす第一歩は「テスト」から

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ハイテク業界の営業・マーケティング担当者はAIを使うべきだと、毎日のようにあらゆる場所から言われています。確かに、AIには生産性を高め、新たな洞察を得る可能性があります。しかし、その前に必ず踏むべき重要なステップがあります。それが「テスト」です。

この記事は、登録ユーザー2,800人以上、約800の組織、41か国、9年間の累積データを持つ大規模開発者コミュニティの情報を使い、AIをテストした結果に基づいています。この規模になると、マーケティングチームが人力やスプレッドシートで分析するのは現実的ではありません。

AIをテストするとは、ツールの特性を理解し、出力を評価し、使うべき場面とそうでない場面を見極めることです。これを省略すると、時間を浪費したり、誤った結論を導いたり、自信満々だが間違った回答に惑わされる危険があります。

ここでは、ChatGPTのようなツールを評価する際の視点と、AIが役立つ場面・役立たない場面の見極め方を整理します。

  1. 自然言語インターフェースとLLMは別物

あなたが入力しているチャット画面(自然言語インターフェース)と、その背後で動く大規模言語モデル(LLM)は別の存在です。インターフェースは会話的で滑らか、直感的、そして少し魔法のように感じられるように設計されています。しかし、その心地よさが批判的な評価を難しくします。

読みやすい文章=正しい情報、ではありません。例えば「企業向けの製品ポジショニング方法は?」と聞くと、流暢でビジネス用語も交えた回答が返ってきますが、それがあなたの市場や競合状況に基づいているとは限りません。

広すぎる質問は曖昧な回答を生みます。 流暢さと正確さを混同しないことが重要です。
信頼性を測るには、自分が正解を知っている質問を投げ、AIの出力を比較・検証することです。

  1. LLMの選び方(例)

営業・マーケティング分野で使われている代表的な3つのLLMは以下です。

ChatGPT(OpenAI)
用途:メール作成、コンテンツ制作、カスタマーサポート、リードスコアリング
強み:業界随一の知名度
料金:ChatGPT Pro(GPT-5)$20/月、API 約$0.01〜$0.03/1Kトークン

Claude Sonnet(Anthropic)
用途:コピーライティング、長文記事、パーソナライズメッセージ
強み:トーンやブランドボイスの制御が得意
料金:Claude Opus 4.1 入力約$17/100万トークン、出力約$75/100万トークン、無料版あり

Gemini(Google)
用途:マルチモーダルマーケティング、顧客調査、SEO最適化
強み:Google製品との深い連携
料金:Google One AI Premium $18.99/月

  1. AIとスプレッドシートはまだ相性が悪い

スプレッドシートはデータ構造をきっちり揃える必要があります。AIに直接ファイルをアップロードして要約や整理を依頼できるようになった今、これは一見便利なショートカットに見えます。

しかし現状では課題が多いです。

複数タブや特殊フォーマット(結合セル、非標準ヘッダーなど)に弱い

列順や条件付き書式などを正しく解釈できず、構造を誤認することがある

トークン消費が大きく、処理途中で制限に達する場合がある

  1. AIのデータクレンジング精度は低い

弊社のテストでは、会社名の揺れ、欠損フィールド、フォーマット不統一などのB2BデータをAIで修正させましたが、結果は芳しくありませんでした。行ごとの処理に一貫性がなく、欠損値を勝手に推測することもありました。
営業・マーケティングにおいてこれは致命的です。

改善策:

80行以下に分割して処理する

AIに渡す前に元データを整える(AIは二次チェック役と考える)

  1. まとめ — 今すぐAIを使い始め、必ずテストをする

AIに関する報道は「不正確で失敗事例が多い」という悲観論と「近いうちにあなたの仕事を奪う」という楽観論の間を行き来します。真実はその中間にあります。ニュースを読むだけではなく、自分のデータ・自分の業務でテストしてください。

AIは非常に強力ですが、魔法ではありません。新しい営業担当者を試すように、構造化された入力を与え、反復可能なタスクを依頼し、結果をチェックしましょう。これに合格しない限り、チームに加える準備はできていません。

うまく機能すれば、AIは数時間の作業を削減し、新たな発想をもたらしてくれます。しかし、その価値を引き出す第一歩は、何を、どのように評価するかを理解し、テストすることです。

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