みなさんこんにちは!
株式会社LITALICOでITxものづくり教室「LITALICOワンダー」のサービス開発(カリキュラム開発)を担当している加藤英也です。
まさかの昨日の@YudaiTsukamotoさんの記事がプログラミングの学習についてでしたが、気にせず本日も教育ネタです。
この記事は『LITALICO Advent Calendar 2016』17日目の記事です。
はじめに
みなさんは何かを学ぶとき「笑顔」で「わくわく」できてますか?
プログラミングに限らず普段仕事や趣味を続けるとき、何かを学ばなければいけない機会は多いです。そんなとき、
- なかなか続かない
- 続いても時間がかかる
- 何を学んでいいかわからない
- 自分らしい「学び」が何かわからない
- 一つやりきったら燃え尽きる
ということはないでしょうか?
普段ITxものづくり教室「LITALICOワンダー」では子どもたちにプログラミングやロボット制御、時には3Dプリンタを使った作品作りを通じてそのひとりの成長に向き合っていますが、子どもたちは本当にクリエイティブでひとりひとり違う中みんな自分のスタイルを見つけ、自分だけの創造力を発揮し、笑顔で成長しています。
今回は子どもたちが学んでいく中で大事にしていることを具体的なケースを交えながらお伝えしていきます。
子どもたちが学ぶ姿がイメージできたらみなさんの学びへのヒントがあるかもしれません。
本当に必要なのは「自分の世界を広げていく力」
教室に来ている子どもたちの未来は様々です。
- ゲームクリエイターやデザイナー、ストーリー作家になりたい
- 映画をつくりたい
- ロボットで家の中を変えたい
- 周りの人に遊んでもらえるおもちゃをデザインしたい
- アプリを世の中に出していきたい
- 友達と一緒に会社を立ち上げてお金を稼ぎたい
- ビジネスリーダーとして生きていきたい
などなど。
成長の形も様々ですが、共通して言える本当に輝いている時というのは子ども自身が
【自分の力を解放しながらその子の世界を広げていっている時】 です。
例えばプログラミングのコースでは特定の言語でコードを書く機会だけではなく、もっとストーリーにこだわりたい子は、友達と背景のデザインをしてみたり、アニメーションを作ってみたり、新しいアルゴリズムに挑戦したりしながら【プログラミングというツールを使いつつ何を経験し、表現するのか】を広げていきます。キャラクターデザインができるようになればゲームの幅も広がりますし、幅が広がれば他の子と会話が増えたりと世界が広がっていきます。
知識やスキルをつけることを目的にしすぎて世界が広がっていかないと学びは途端につまらなく、小さくなります。テクノロジーに触れるような【経験】から、まだ見ぬ【自分の世界を広げていく】ことが重要です。経験値を積んだ勇者が伝説の剣のために遠くまで冒険するようなイメージを子どもたちひとりひとりに持ってもらうことでわくわくする挑戦が続いていき、どんなことにも前向きに進めるようになるのです。
1+6つの大事なこと
以下は子どもたちの挑戦・成長から見えてくる、教室として特に大事にしているものです。
☆自分が主役であること
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1. 可能性を信じる
2. 理解する
3. 未知にわくわく
4. 挑戦のサイクル
5. 共に創る
6. みんなを巻き込む
☆自分が主役であること
教室では 「子どもが主役」 というのを常に掲げています。
教育というと「先生から生徒へ」「知識の継承」というのが一般的で、どうしても指導する側の意向や保護者の意向が入りがちです。
しかしその子の力もその子の進む道もその子自身が自由に選ぶもの。教育を提供する側の仕組みや社会の常識に押し込めるのではなく、その子それぞれを尊重し、主人公として見た時にどんな道を作っていけるかを常に考えています。子ども自身が自分でやりたいこと・やり方を決めたり、作品を共有したりすることをベースに空間を作ることを重視しています。
誰かに依頼されて学ぶケースは少ないかも知れませんが、学ぶことに対して主体性を持てる環境ややり方に自分を乗せられるかどうかは何よりも大事なポイントです。
1. 可能性を信じる
教室ではプログラミング初心者や、すでにグループで作っている子などスキル・年齢・性別などバラバラです。子どもの限界を誰かが決めてしまったり、諦めてしまうことはその子の可能性を狭める原因に。
何かにつまづいて進められない子がいても、それが中長期的にどのような成長になるかわかりません。例えば今ギヤの設計に苦戦していても、できないからと答えを教えるのではなく、その子自身でどういう風に見えているのか、どうやったら解決しそうか、他のロボットみたら参考になるかなどたくさんのアプローチがあり、それを乗り越えることが次の挑戦や自信に繋がります。
2. 理解する
ひとりひとりそれぞれ何かしらの「興味」を持っています。例えば同じ「ロボットに興味がある」でも、ギヤの動きに興味があるのか、ロボットを組み立てるのに興味があるのか、ロボットの形に興味があるのか、プログラミングで制御することに興味があるのかによってアプローチが変わってきます。
複数の視点で関わることで潜在的な部分まで理解し、その興味のエネルギーを最大限活かす環境設定を作り続けることで、学びを最大化することが重要です。
3. わくわくを仕掛ける
子どもたちに限らず好きなもの・楽しいものには夢中になれます。「好きこそ物の上手なれ」と言いますが、その子が「心地いい」だけではなく、「わくわく・好奇心」を持てる経験から学ぶことが大切です。
また、わくわくには「未知」の要素も含まれています。年を重ねると「知らないこと」に対して身構えてしまうことも多いかもしれませんが、もっと純粋にその「知らない」を「わくわく・好奇心」に変える経験を繰り返すことで世界が広がっていく中でより挑戦できるようになっていきます。
4. 挑戦のサイクル
ロボットの制御ミッションを大人と子どもでやると、子どもたちのスピードに驚かされます。大人はできるだけ失敗をしないように考えて設計してからトライするケースが多い中、子どもたちはすぐ床で試したり、半分だけ作って動かしてみたり、いろんなアプローチから挑戦します。当然すぐにはうまくいかないのですが、全ての条件が把握できない中、失敗(おそらく子どもたちにとっては過程でしかない)から前に進んでいるのは結果理にかなっています。
それぞれの制作スタイルや課題解決のスタイルを型にはめて判断せず、「失敗」を「挑戦の楽しさ」に変えていくことでサイクルができ、常にチャレンジし続けられるのです。
5. 共に創る
同じものが好きな人たちは世代・性別・距離を超えてつながっていきます。作った作品をオンラインに共有している子はいろんな国の人と互いに作品にコメントしあったりしながらそれぞれの世界を広げていったり、そこから新しいアイデアを得てさらに新しい挑戦に向かったりしています。
ペアプロのような直接的なものだけではなく、作ったゲームを遊んでみたり、同じ空間で話しながら作るなどのゆるやかな共創から世界が広がっていくケースもあります。
6. みんなを巻き込む
その子の世界はそのひとりだけで完結するものではなくて、家族や教室、友達、企業、学校など多くのサポーターが存在します。サポーターをうまく巻き込んでいくことで、自分だけではいけない世界が広がったり、新しいコミュニティへの出会いが生まれます。
例えば教室ではその子が好きなものに合わせたイベントの紹介や企業の見学ツアーなどその子のイメージやエネルギーが強くなる環境や機会を用意すること、その子のやっていることを発表会などで表に出していくことで、サポーターを増やすことが可能になっていくのです。
まとめ
以上世界を広げていくことの大切さと子供の学び方をまとめてみました。ここでは子どもたちを基準に書いてみましたが、学びに年齢制限はありません。子どもだから/大人だからということはないので、子どもたちのエネルギー溢れる学び方を通じて、普段何気に行っている学びのプロセスにちょっとだけ感度が高くなったなら嬉しいです。
ここに書いたのも個人の解釈で、もっといろいろな意見があると思います。この話題でもっと話したい方、ぜひFacebook(@jazzyslide)でご連絡ください(同業界関係者も歓迎です!)
明日は@taka_f0807さんの「「エンジニアがやりがいを持って働ける場所」について「SIerよりWeb系だ!」と言う意見を元に元客先常駐COBOLERが考えてみる」です!お楽しみに!