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似てるようで違う、PHPのエルビス演算子とNull合体演算子

Last updated at Posted at 2018-06-17

細かい部分を若干間違えて覚えており、危うくバグを出すところだったので、きちんと調べ直しました。

エルビス演算子 ?:

公式サイトには単体での説明はなく、三項演算子の項目に説明がありました。PHP 5.3 以降で使用可能です。

三項演算子

式 expr1 ?: expr3 の結果は、expr1 が TRUE と同等の場合は expr1、 それ以外の場合は expr3 となります。

要するに、expr1 ? expr1 : expr3のシンタックスシュガーということですね。

Null 合体演算子 ??

こちらは独立した項目として説明されていました。PHP 7 以降で使用可能です。

Null 合体演算子

式 (expr1) ?? (expr2) は、 expr1 が NULL である場合は expr2 と評価され、それ以外の場合は expr1 と評価されます。
この演算子は、左側の値が存在しない場合でも notice が発生しません。

isset(expr1) ? expr1 : expr2と同様の結果になります。
expr1がNULLや未定義でなければexpr1と評価されるので、falsyな値になる場合もあります。1

【2020/4/8 追記】
いただいたコメントによると「issetはgetterによる値の取得を試行しない」とのことで、正しくは 「!is_null(expr1) ? expr1 : expr2 と同様」のようです。

色々な値で検証してみる

以前、PHP/JavaScriptの真偽と型という記事で色々な値の真偽を調べましたが、その時と同様のデータで2つの演算子の結果を調べてみました。

$aの値 エルビス演算子
$a ?: $b
Null合体演算子
$a ?? $b
TRUE TRUE TRUE
FALSE $bの値 FALSE
-1 -1 -1
0 $bの値 0
1 1 1
-0.1 -0.1 -0.1
0.0 $bの値 0.0
0.1 0.1 0.1
文字列 'a' 'a' 'a'
空文字列 '' $bの値 ''
文字列のゼロ '0' $bの値 '0'
NULL $bの値 $bの値
空の配列 array() $bの値 array()
空でない配列 array(0) array(0 => 0) array(0 => 0)
空のオブジェクト new stdClass() stdClass::__set_state(array( )) stdClass::__set_state(array( ))
未定義の変数 $none $bの値
Notice: Undefined variable が発生し、nullとして評価された結果)
$bの値
(Noticeは発生しない)
未定義のインデックス $my_array['none'] $bの値
Notice: Undefined index が発生し、nullとして評価された結果)
$bの値
(Noticeは発生しない)
未定義のプロパティ $my_object->none $bの値
Notice: Undefined property が発生し、nullとして評価された結果)
$bの値
(Noticeは発生しない)

表にはありませんが、エルビス演算子が$a ? $a : $bと同じで、Null合体演算子とisset($a) ? $a : $bが同じ結果になることも検証してあります。
$aが未定義の可能性がある場合は、エルビス演算子を使わずに!empty($a) ? $a : $bとするのが安全ですね。

  1. ここを誤解して覚えていました

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