突然のリモートワーク化
突然、チームメンバーからのコロナ発症報告が届いた。ずっとオフライン、ずっと対面で仕事を進めてきたので、いきなりリモートと言われても…。そんなとき、この記事の内容を意識してみたら、意外と困らなかったぞって話
準備編
日頃からチームで取り組むタスクの優先度や判断基準を明確にしておくこと
これは、今回リモートで作業してみて初めて気づくことができたことです。私たちのチームは、スクラムで作業を進めています。その中で日々、1つの開発タスクをしっかりと作業レベルまで分割して明記し、リスクなどを明確にしてから、取り掛かるように努めています。
今回は、いきなり明日から!しかもメンバーの欠けた状態でリモートワークすることになったのですが、メンバーそれぞれが理解しているタスクの内容や優先度にあまり差異がなかったので、リモートワークになったからといって、質問・確認が極端に増えることなく、スムーズに作業を進めることができたと感じています。
オンラインワークツールを複数用意する
リモートワークする上で欠かせないのが、オンラインワークツール。ただ実際に使ってみると、設定がうまくいかなかったり、家などの普段とは違う環境との組み合わせで、思ったように動作してくれなかったりすることが、よくよ〜〜〜くあります。
そのため、オンラインワークツールは「これを使おう」と1つに決めるわけではなく、これがダメならこれ、このツールとこのツールの機能を併用するなど、1つのツールでうまくいかない場合でも作業が滞ることのないように、リスク分散しておくことが非常に大事です。
以下に、今回メインで使ったツールをご紹介します。また、リモートワークを始めるまでに時間的余裕のある際は、使用予定のツールを実際に使ったリハーサルを対面で実施しておくと、想定外のトラブルが減るのでおすすめです。
オンラインワークツール
CodeWithMe(リンク)
主にRailsを使って開発していますので、RubyMineというIDEを使用しています。そのIDEに付属している同時編集機能です。コードを複数人で同時編集することができ、音声通話、ビデオ通話、チャット、画面共有(IDE内だけ)などが可能です。ここまで機能が揃っていると「完璧じゃないか!」と思うのですが、改善してほしい点もいくつかあります。「ホスト以外の参加者が日本語変換すると反映されるまでのラグが長いときがあること」「ホスト以外の参加者が実行するとIDEを再起動するまで二度と実行できなくなる」「ブラウザなどでデザイン、動きを確認したいときは別ツールでの共有が必要」などです。ホストに負荷が集中しますが、気をつけていれば、そこまで煩わしく感じることもありませんでした。なんだかんだ、今回の作業のほとんどはCodeWithMeでコミュニケーションをとっていたので、今後のさらなる改善を期待しています。
Slack(リンク)
言わずとしてれたコミュニケーションツールで、社内の公式コミュニケーションツールとして採用されています。Slackはチャットなどのテキストメッセージ専用ツールと思われがちですが、通話機能も充実しています。音声通話、ビデオ通話、チャンネル内の全員が参加でき、画面共有できる機能など、オンラインで作業する際にも十分有用でした。今回の作業では、ブラウザ上でのデザイン確認や、チームでのミーティング全般などで多用しました。
Miro(リンク)
オンラインホワイトボードツールです。複数人で同じボード内で、付箋を張り合ったり図をかけたりします。私のチームでは、普段からデイリーの進捗確認と連絡共有などに用いていたので、オンラインになっても引き続き活用いたしました。今回は使用しませんでしたが、ビデオ通話機能もあり、リモートワークでのミーティングや打ち合わせなどで、非常に活躍できるツールだと思います。
別れてそれぞれで作業する編
チームのメンバー数は4人で、作業内容に合わせてぺア・ソロを切り替えて進めていましたが、対面でも行っていたデイリー(夕方に1回の進捗報告的ミーティング)だけでは、お互いの作業の進捗状態を把握できずに、どう作業を進めるか悩むことによる時間のロスや、個人で判断して進めた作業の手戻りが発生することが、懸念されました。そこで取り組みを行ってみたところ、うまく懸念を解決できました。
- 朝会
- こまめな進捗報告
まず「朝会」でその日1日のメンバーの動きを決めて共有します。どの作業を誰がどんな体制で行うかを細かく話し、また他のメンバーへ連絡する際の基準も明確にしておきました。「〜まで終わったら一旦報告ください」「この実装で詰まったらすぐに連絡ください」など。そしてSlack上に、各作業ごとの進捗報告スレッドを作成して、担当作業が進むたびに「〜実装完了」「〜作業中」など書いてもらうようにしました。
2人以上で一緒に作業する編
普段の対面で作業を進めているときから、ペアプロやモブプロに取り組んでいるのですが、リモートワークになることで、相手の表情が確認できない、確認しづらい状態になるので、特に次のことに気をつけて取り組んでみました。
- 会話中の相槌をいつもの倍の音量で、倍の量でやる
- 独り言を呟く
- こまめな休憩
- 「オーバー」
表情がわからない分、相手が今何を考えているのか察することができないので、「相槌」「独り言」を意識的にやってみました。結果、無い時より明らかに相手の状態が把握できるようになり、実際やってみたチームメンバーも大変好評でした。
また、オンラインは音声情報に常に集中状態にあるため、意外にもオフラインよりも疲れやすくなります。なので、対面で作業しているときよりも、こまめな休憩を心掛けると、そこまで疲れることなく作業を続けられたと、ふりかえりでの発言がありました。
リモートワークのふりかえりの中で出た意見として面白いと思ったものに、自分の発言が終わった際は、トランシーバーの通信のように「オーバー」というと、発言被りが少なくなり良いのではないかと意見が出て、そのふりかえり内で実験してみました。実験中は効果を感じるより、慣れない気恥ずかしさが勝ってしまいました笑 ただとても空気が和むというメリットもあったので、慣れていけばメリットを感じれるのかもしれません。
もしかしたら明日から!?
突然のオンラインワーク、何の備えもなく突然くると大変ですので、「もしなったら…」ということをチームで話しておき、今回ご紹介したツールなどを準備しておくと、心配が減るかなと思います。