この記事は
『GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた ドキュメントの活用でオフィスなしでも最大の成果を出すグローバル企業のしくみ』を読んで特に考えることの多かった部分、「GitLab Value」についての簡単なメモ・まとめになります。この記事をきっかけに少しでも興味のでた方はぜひ本を読んでみてください。
本の簡単な紹介
1400人の従業員全員がリモートワークで働くGitLab社の組織運営ノウハウを、同社が公開している「GitLab Handbook」をベースに解説した書籍です。オフィスを持たない完全リモート企業として成功を収めているGitLab社の強みは、徹底したドキュメント化にあります。本書では、同社のドキュメント作成・活用方法を詳細に紹介し、リモートワーク環境における課題解決や、高い成果を出すための組織づくりのヒントが紹介されています。
組織にリモートワークの導入を検討している、導入しているが問題を抱えている、再びオフィス中心に戻ろうと検討しているなど、リモートワークに関わる如何なる状況であっても一読の価値のある内容となっていました。
目次
- 第1部 リモート組織のメリットを読み解く
- 第1章 世界最大のリモート組織「GitLab」
- 第2章 リモート組織によって得られるメリット
- 第2部 世界最先端のリモート組織へ移行するためのプロセス
- 第3章 リモート組織を構築するためのプロセス
- 第4章 リモートワークで発生する問題と対策
- 第3部 GitLabが実践するリモート組織を活性化させるカルチャー醸成法
- 第5章 カルチャーはバリューによって醸成される
- 第6章 コミュニケーションのルール
- 第4部 GitLabが成果を出すために実践している人事制度や業務ルール
- 第9章 個人のパフォーマンスを引き出す
- 第10章 GitLab Valueに基づいた人事制度
- 第11章 マネージャーの役割とマネジメントを支援するためのしくみ
- 第12章 コンディショニングを実現する
- 第13章L&Dを活用してパフォーマンスとエンゲージメントを向上させる
「GitLab Value」で印象に残ったこと
「GitLab Value」
- 成果
- イテレーション
- 透明性
- コラボレーション
- ダイバーシティ&インクルージョン、ビロンギング
- 効率性
カルチャーマッチではなくバリューマッチが重要
- これまでの採用では社風にあっているかどうかというカルチャーマッチを重視する企業が大半だった
- グローバル企業の採用トレンドはカルチャーマッチではなくカルチャーアドという観点を重視する
- カルチャーアドはカルチャー自体をよく成長させることができるかどうかという人材かどうかという観点
- カルチャーは環境に適応させ続けていくために調整しつづけていく必要がある
- カルチャー = バリューを体現した結果の暗黙のパターン
- カルチャーアド ≒ バリューマッチ
バリューに優先順位をつける
- GibLab Valueには優先順位となるヒエラルキーがある
- ユーザー同士で異なるValueを優先して衝突する際の解決策として使用する
- ただしいかなる場合でも優先されるわけではない
以下、「GitLab Value」 の項目ごとにメモしたところ
コラボレーション(Collaboration)
- コラボレーションのメカニズムを理解して具体的な行動に落とし込んでいく
- 集団で作業する際にプラスとなる「プロセスゲイン」もあればマイナスとなる「プロセスロス」もある
- プロセスロスとしては、生産性が人数の増加に伴って低下する「リンゲルマン効果」などがある
- 仕事を基準として話す
- 責任ではなく問題に集中する
- コラボレーションはコンセンサスではない
成果(Results)
- 顧客の成果に貢献する
- ドッグフィーディング
- 約束を書き留める
- 同意しない、コミットする、同意しない
- 障害を取り除くためにマネージャーを動かす
- セルフサービスとセルフラーニング
- 周知は短く
イテレーション(Iteration)
- MVC(最小限の実行可能な変更)を目指す
- まとめてしまいたい欲求に抵抗する
- 提案を変更することはイテレーションではない
- イテレーションではない12のこと
ちょっと詳しく
仕事を基準として話す
- 人格についてではなく、具体的な仕事内容について提案する
- たとえば「あなたは私の意見を聞かない」ではなく「フィードバックに対するリアクションがなかった」と置き換える
- フィードバックする際はパフォーマンスの向上を目的としているとまず伝える
ドックフィーディング
- 開発している製品を自分たちも日常的に使う
- 早期のトラブル発見、改善の発見
- ユーザーの気持ちを理解していサービスを開発できる
同意しない、コミットする、同意しない
- 責任者とメンバーの双方が意見を述べる責任を果たした上で、責任者が決定したことであれば賛否を問わずにコミットし、全力で支援する
- すべてのメンバーが意見を述べる機会をつくる、フィードバック(意見を述べること)はすべての人が成長し、学ぶ機会になる
- 意見の対立が人間関係を崩さないように感情が交差する難しい対話に対するトレーニングを提供している
さいごに
「GitLab Value」に関する内容は、今所属している会社のミッションバリューに置き換えたり、ここは足りない部分があるかもしれないなど考えながら読み進めて、学びが多かったと感じました。所属している組織のメンバーで読み合わせてみて、自分たちの組織に取り入れたり改善するところがないか話し合うと面白そうだと感じました。