前提知識
- Cygwin には ping パッケージがありますが、Cygwin の ping コマンドは Bash Console や Cygwin Terminal を「管理者として実行」していないと使えません(!)。
- Cygwin Terminal が標準設定で前提としている文字コードは UTF-8 です。この設定のまま、シフトJISを出力するWindows標準コマンドやフリーソフト(コマンドラインで使うもの)等を実行して標準出力や標準エラー出力を確認したいケースは結構多いと思います。Visual Studio のコンパイラや nmake、公式の CMake 等を使う際にも応用できます。
- iconv は Msys2 でも使えるので、ここで紹介したやり方は Msys2 でも使えます。
スクリーンショットを使って文章は簡単に書くよ!
- Cygwin.bat(bash.exeを直接使用)を起動した場合には、ping や nslookup は文字化けしない。(bash.exeがOS標準のコンソールウィンドウで実行されているためと思われる)
- Cygwin Terminal(mintty.exe経由でbashを使用)を起動した場合は(標準の設定では)文字化けする。(Cygwin Terminal はデフォルトでは UTF-8 の出力を期待しているが、Windows標準の ping や nslookup はシフトJIS(CP932)を出力するため)
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ネットで「cygwin ping」等で検索すると「nkf」を使う方法が紹介されていたりするが Cygwin 用の「nkf」標準パッケージはない。(わざわざ「nkf」をソースからコンパイルして解決されてますね!)
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実は、Cygwin に標準でインストールされている「iconv」を使って、シフトJISをUTF-8に変換してやれば良い。|でパイプをすると標準エラー出力がリダイレクトされない(「権限のない回答」の部分が化ける)ので、|&で標準出力および標準エラー出力の両方をリダイレクトすると良いことが分かる(下図の通り)。
最後に、上記変換処理をシェルスクリプトにしてみる。sjis nslookup www.youtube.com のようにコマンドの前に sjis を付けるだけで、シフトJISの出力が(標準出力・標準エラー出力の両方とも)UTF-8に変換される。
- エディタで sjis というファイルを作成した後、install sjis /usr/local/bin のように installコマンドを使うことで実行権限も自動的に付与されます。(chmod する必要がありません)
- installコマンドを実行する前にカレントディレクトリで試したい場合は、bash sjis nslookup www.youtube.com のようにしてください。
#!/bin/bash
$* |& iconv -f cp932 -t utf-8
以上です。
http://qiita.com/javacommons/items/879efd486313cac8b381 『Cygwinインストール革命 (Mac/Linuxユーザーに朗報。Windows上で tmux(端末多重化ソフト) や vim が使える環境が3分で構築できます!emacs, git や Xサーバーも追加インストール可能)』もよろしければお読みください!