porg は野良ビルドのパッケージ管理用ツールです。以前は paco として開発されていたもので、現在は porg として開発が継続されています。
野良ビルドをインストールする時、専用コマンドを噛ませることでインストール内容を追跡記録してくれて、アンインストールを半自動化できるようになります。通常の make install
だけでなく、gem
, pip
, pear
などを含め、ありとあらゆるインストール作業の追跡が可能です。
残念ながら FreeBSD や Mac OS X では機能しないので、Linux 専用です。
ダウンロード
管理者権限で実行します。
curl -L http://jaist.dl.sourceforge.net/project/porg/porg-0.10.tar.gz | tar zxf - -C /usr/local/src
インストール
管理者権限で実行します。GUI はいらないので --disable-grop
パラメータを付けます。
./configure --prefix=/usr/local --disable-grop
make && make install
アンインストール
管理者権限で実行します。porg 自身のコマンドで porg
というパッケージ名で記録された自らを削除します。
porg -r porg
パッケージ管理
基本的にすべての作業は管理者権限での操作を想定しています。
パッケージのインストール
porg -lD make install
porg -lp <package_name> make install
野良ビルドのインストールコマンド make install
の頭に porg
を指定する事で、そのインストール作業を追跡できます。
-
-lD
インストールを追跡し、カレントディレクトリ名をパッケージ名として記録します。 -
-lp <package_name>
インストールを追跡し、<package_name>
をパッケージ名として記録します。
例:
porg -lD python setup.py install # カレントディレクトリ名をパッケージ名として記録
porg -lp pep8 easy_install pep8 # pep8 をパッケージ名として記録
上記のように make install
以外でもトラッキング可能です。
パッケージ一覧の確認
インストール済みの全パッケージを一覧表示:
porg -a
パッケージの確認
パッケージのメタ情報を確認:
porg -i <package_name>
パッケージの全ファイルを表示:
porg -f <package_name>
アンインストール時はこれらのファイル群が削除されます。
パッケージの削除
porg -r <package_name>
以上です。
この他に paco2porg
というコマンドもインストールすると付いてくるので、paco からの移行もコマンド一発です。porg_bash_completion
という Bash 用の入力補完スクリプトも付いてるみたいです。