動かしたいものは
模型の車を作ろうと思った。それも、荒れ地で動く用途。そのため、速度は不要だが、トルクは欲しい。
そういう用途にはギアード・モータが使われる。モータはある程度の回転数があって、ギアで低速にすることでトルクが生まれる。でも、ギアで失われるエネルギーは少なくない。
そこでブラシレスDCモータ(BLDC)だ。ここ数年、模型の世界でもものすごい勢いで普及している。ドローン用のように、ほとんどが高速回転用だ。
工作機械や工場のラインでは、位置決めモータの多くはステッピング・モータが使われるが、サーボ・モータも多い。
利用するモータ
STマイクロのキットについていたmaxonの約100Wのモータを使う。もともとSTマイクロのデモ用基板についてきたのだが、とても安く入手でき、1024cptのエンコーダもついている。EC-i 40と思われる。

このクラスのモータは、新品では3,4万円、中古だと1,2万円で入手できる。
STマイクロのキットが出た後に、汎用BLDC基板が出たので、入手しようとした。ソース・リストなどの入手は許可が必要だと書かれていたので、メールした。あなたには許可ができないといわれたので、STマイクロのコントローラはあきらめた。
利用するコントローラ
maxonの新しめのEPOS4 Compact 24/1.5(小さいモータ用)を注文した。今の時期、半導体不足で納期が2か月以上と出ていたが、実際は6日後に入荷した。このボードには、CAN用とEtheCATの2種類がある。EtheCATは初めて使うけど、安易な気持ちで使いはじめたので、この記事は長くなってしまうことになる。
写真で見えているのは、コネクタが載っている基板で、この下の制御ボードがある。
2020年6月の注文では、税込み68,530円だった。写真はDINレールに取り付けるアダプタ(別途入手)の上に載っている。

純正のケーブルは用意されているが、とても高価で、長い。ハードウェア・マニュアルEPOS4 Module/Compact 24/1.5 Hardware Referenceにしたがい、
- X3b/X4bモータ & ホール・センサのコネクタはRSコンポーネント(7378505 8W CRIMP HOUSING、7378561 CRIMP CONTACT)
- X5エンコーダのコネクタはDigi-key(マルツ【D89110-0101HK-3365/10-S-6】SINGLE ENDED CABLE ASSEMBLY 10 P)
で注文し、組み立てた。

電源コネクタは、メス側が付属している。イーサネット・ケーブルとUSBケーブルは汎用品が使える。
ディジタル入出力、アナログ・コネクタは、当初使わない。リミッタ・スイッチなどの配線に使える。
PCの用意
EtherCATを運用する方法はいくつかあるようです。Windows10で動くTwinCAT3を導入することにしました。GUIなので、というのが理由ですが、簡単ではありませんでした。無償のライセンスが発行されますが、有効なのは7日です。しかし、すぐに再発行されるので、開発用途では無料ツールだといえます。実際のライセンス代は知らないのですが、CPUコア数で価格が異なり、開発元以外のPCだと最大コア数の金額になるようです。
TwinCAT3はインテルのNICが必要で、試したところ、マザーボードに搭載されたインテグレード版やデュアル・タイプは全滅しました。
ギガビット デスクトップPCI-e 10/100/1000 Mbps自動ネゴシエーションネットワークアダプタ(インテル 82574L / EXPI9301CT チップセット)NIC、シングル銅RJ45ポート(短縮版)
をアマゾンで入手したのが使えました。
Buffaloの1Gbpsハブにつないだところ、LOOPランプがついたので、PC本体のLANはこの1Gbpsハブにつなぎ、EtherCATは別の100Mbpsハブにつなぎました。
PCのおもなスペック
- CPU Intel Core i5-9400 2.90GHz
- メモリ 8GB
- Windows 10 21H1
- 内蔵NIC Intel Ethernet Connection I219-V