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【お遊びの統計学】試験で偏差値60以上の人数の割合をマルコフの不等式で調べてみる

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背景

正規分布を仮定すると、偏差値60以上は全体の15.866%となるそうです。では、正規分布に従わない場合はどうでしょう。確率分布の関数形を仮定しないで出来るだけ一般的な結論は得られるでしょうか。
なお。以後$\mu,\sigma$は母平均点数、母標準偏差とします。

偏差値の定義

偏差値の定義は

T = \frac{A(X-\mu)}{\sigma} + B,\;A=10,\;B=50

です。

マルコフの不等式

マルコフの不等式は

P(X\geq c) \leq \mu/c

で与えられます。ただし$X$は非負の確率変数です。マルコフの不等式は、外れ値の上限、つまり外れ値は多くても***%である、ということをいうことを示せます。

マルコフの不等式を用いて偏差値60以上の人数の割合の上限を計算する

偏差値は一般には非負ではありませんが、負の値を取ることは稀ですから、正の値に限定します。これでマルコフの不等式を利用できます。

P(T\geq 60) \leq 50/60 \simeq 83{\%}

となります。
多くても83%かー、うーむ。

感想

マルコフの不等式は特定の確率分布に限定しない一般的な結論が得られるという点で優れています。が、やはり確率分布がわかっている場合はその情報を使った方がよいですね、当たり前ですが。

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