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アルミホイルと電波とそれから私

Last updated at Posted at 2019-08-02

こんにちは。蛇口(@jaguti)です。

昨日の午後6時に私はこう思いました。
何かに突き動かされたかのように思いました。

「もしかして私は記事を書いたほうがいいんじゃないか?」

一心不乱にパソコンのキーボードを叩きました。
そんな記事でしたが特に使われることはなかったので
こちらにひっそりと、あげておきたいと思います。

この記事は、こんな人に向けて書いています。

・Wi-Fiが最近部屋で繋がりづらい人
・電波が支配する世界に危惧している人
・アルミホイルに親しみを感じている人
・電波を操りたい人

はじめに

私は中学生の頃にアルミホイルというものに関心を抱いていました。
その頃読んでいた小説に「アルミホイルは宇宙からの電波を遮断する」とあったからです。
「鮭のホイル焼き」を始めとした料理の場面で活躍するアルミホイルが
宇宙からくるかどうかはさておき、本当に電波を防ぐという謎の効果があるのか。

今回はそんなアルミホイルを使いつつ、電波を増やしたり、防いだりして
来るシンギュラリティ以後の世界に備えてみたいと思います。

電波を防ぐ

「アルミホイルは電波を遮断する」。
皆さん一度は耳にしたことがあるかもしれません。
でも、試したことはないのではないでしょうか。

用意するものは、アルミホイルです。

今回対象にするスマートフォンは横7.2cm、縦15cm。
典型的な縦長タイプのスマートフォンでした。
指が長めと言われいる私でも、少し操作には難を感じます。

アルミホイルを出してみます。

横40cm、縦25cmで、ほどよい厚みを持ちつつ
スマートフォンを巻くことができました。

この日はたまたま、私にLINE電話がかかっていました。
なので、私はひっそりと通話中にアルミホイルを巻いてみました。

声が途切れました。確かに電波が途切れているようです。
少し隙間を開けると電波は復活します。
私はスマートフォンを巻いたまま、しばらく放置しました。

電波の遮断には隙間のない状態が必要ということですが
そんな状態はいとも簡単に作れてしまうようです。

Bluetoothでスピーカーにつなげたスマートフォンに対しても試してみましたが、同様に遮断されました。
電波の種類というのは、たいした問題ではないのかもしれません。

私は、アルミホイルという道具を用いて、電波に勝利したというわけなのです。

電波遮断の活用事例

やっていること自体は馬鹿らしいですが
すでにこのような技術を応用した商品が存在しているようです。

そのひとつが「電波遮断ポーチ」です。
このケースに入れるだけで、その物体が出す電波、その物体が受ける電波を遮断することができます。

電波が飛び交いスマート化が進む現代では
「リレーアタック」という新時代の自動車盗難が起きているのをご存知ですか?
スマートキーはID自体の読み取りは困難なものの、電波を発生させているために
その電波を中継することで窃盗犯が遠隔で車のキーを解錠することができるそうです。

このような事態に対して電波遮断ポーチが用いられ、最先端の盗難防止グッズとしてひそかに活用されています。

ちなみに1500円程度で発売されています。
アルミホイルは100円程度で購入できます。

電波を増やす

昔、大学の後輩にこのようなことを聞かれたことがあります。

「私の部屋まで、Wi-Fiの電波が届かないみたいで困っています。
 Wi-Fiをもう1個買うか、ポケットWi-Fiを買ったほうがいいんでしょうか?」

以下はそれに対する私の回答です。

「…!! さぁ…?」

真剣に相談してくれている後輩を相手に、なんて無慈悲なことをしたのでしょうか。
当時の私としてもあまりにも格好の悪い回答であったために、すぐに大学のIT相談室に行ってきました。
すると「中継機」なるものが存在することが分かりました。

「中継機」というのはWi-Fiの電波などが届かない場合に、その電波を中継し、拡大してくれる機械です。
なんだか、先ほどのリレーアタックにも似たような発想ですよね。
いつの時代も技術をよく使うも悪く使うも人間ということでしょうか。
ただ、確かにこの相談の回答としてはバッチリです。

しかし、今の私がその後輩にあっても「中継機」を勧めることはないでしょう。
そう、今の私には…。

アルミホイルがあります。

アルミホイルは電波を反射します。
そのため、電波の方向をある程度コントロールすることも可能というわけです。

電波強度について

Wi-Fiの電波強度の単位はdBm(減衰値)というらしいです。
その数が小さくなればなるほどに電波は弱いということになります。
これを電波が減衰していると表し、減衰値と表現しているんですね。

用意するものは、アルミホイル、ダンボールです。

ダンボールにアルミホイルを巻きつけて
電波を誘導したい方向とは逆に壁のように設置します。

Wi-Fiというものは、基本的に四方八方(同心円状)にその手足を伸ばしています。
隣の部屋のWi-Fiや、近くのホテルのWi-Fiが関係ないのに飛び回っているのはそのせいですね。
それを反射させて、方向をもたせてあげることで、電波を強くするイメージです。

Wi-Fiが設置されている位置から、部屋の端である3mの地点で電波の強さを計測してみました。
計測にはアプリ「Wifi Analyzer」を使用してみました。
私の部屋が端まで歩いても、3mしかないということは悲しいことでした。


-54dBmでした。

次にWi-Fiをアルミホイルで強化した状態で
同じ距離から電波の強さを計測してみました。


大体-40dBmまで電波が強化されていました。

どういう設置の仕方をするかにもよるのかもしれませんが
割と適当な私の作業でも、十分に電波の強化をすることができました。

中継機は某大手通販サイトで購入しようとすると
高いもので1万円を超えてしまいます。恐ろしいですね。
やはりアルミホイルの値段を確認してみましたが、100円でした。

最後に

総務省は「平成29年版 情報通信白書」の中で、以下のような表現を用いています。

物理空間とデジタル空間の融合が加速している。

実際、私が生まれた頃にはテレビの電波くらいしかイメージがありませんでしたが
今では空を飛ぶWi-Fiも増えて、さまざまなものがスマート化を進めています。
私の家の家電にさえWi-Fiが備わっており
インターネットから仕入れてきたレシピで、勝手に料理を提案してきます。
空には電波があふれているのです。

新しいサービスや商品の形が生まれる裏側で
今回紹介したようなリレーアタックという飛び交う電波を利用した新しい犯罪も生まれています。
そのような状況で、電波を信頼し続けることができますか?
いえ、信頼するにせよ、それに何も策を持たないままでいいのでしょうか。

来る、シンギュラリティ。
機械が人間を超える頃、私たちの手にはアルミホイルが握られているのかもしれません。

参考

WiFi Analyzer
総務省 体電磁環境研究および電波の安全性に関する評価技術研究
総務省 平成29年版 情報通信白書

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