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AXIの基礎を理解する

Last updated at Posted at 2024-08-05

目的

  • AXIを理解する
  • AXIを説明できるようになる
  • AXIを用いて設計できるようになる

対象

FPGAを勉強し始めた初心者の方

目次

  1. AXIの概要
    • AXIとは
    • AXI4の3つの仕様
    • AXIを理解するコツ
    • AXI4の基本プロトコル
  2. AXI4-Stream
  3. AXI4-Lite
    • AXI4-Liteを理解する
  4. AXI4
    • AXI4を理解する

AXIの概要

AXIとは

AXI(Advanced eXtensible Interface)は、主にシステムオンチップ(SoC)設計で使用される高性能な通信インターフェースです。ARM社が開発したAMBA(Advanced Microcontroller Bus Architecture)仕様の一部として誕生し、初期のAXI(AXI3)は2003年に導入され、その後2010年にAXI4へと進化しました。
AXI4の仕様は、ARMウェブサイトから入手できます。

AXI4の3つの仕様

  • AXI4 : アドレスを使って、バースト機能も備え、マスターからスレーブへデータを送るフルスペックなプロトコル
  • AXI4_Lite : アドレスを使って、マスターからスレーブへデータを送る低速だが軽量なプロトコル
  • AXI4_Stream :アドレスを使わず、マスターからスレーブへデータを送る高速かつ軽量なプロトコル
特徴 AXI4 AXI4-Lite AXI4-Stream 説明
バースト転送 × × 複数のデータを一度に連続して転送できる機能
独立した読み取り/書き込み × 読み取りと書き込みが別々のチャンネルで同時に行える機能
データストリーム転送 × × 連続したデータ(例えばビデオや音声)を効率よく転送できる機能
アドレスフェーズ × データ転送前に転送先のアドレスを指定する手順
データフェーズ 実際にデータを転送する手順
フロー制御 データの送受信のタイミングを調整してデータの衝突を防ぐ機能
主な用途 高性能データ転送 シンプルな制御レジスタ 連続データストリーム どのような用途に適しているか
設計の難易度 実装や設計の難易度

AXIを理解するためのコツ

AXI(Advanced eXtensible Interface)を理解するためには、以下の2つのポイントを押さえることが重要です:

  1. マスターとスレーブの役割を理解する
  2. 信号の意味を理解する

1. マスターとスレーブの役割を理解する

AXIインターフェースでは、デバイス間の通信を行うために「マスター」と「スレーブ」が存在します。

マスター(Master)

  • 役割:データ転送の主導権を持ち、読み取りや書き込みの要求を行うデバイスです。
  • :CPU、DMAコントローラなど。

スレーブ(Slave)

  • 役割:マスターからの要求に応じてデータを提供したり、受け取ったりするデバイスです。
  • :メモリ、ペリフェラル(周辺機器)など。

マスターとスレーブの関係を理解することで、どのデバイスがどのような役割を果たしているか、どのように通信が行われているかを把握しやすくなります。

2. 信号の意味を理解する

AXIインターフェースでは、多くの信号が使用されますが、以下の主要な信号を理解することが重要です。

読み取りチャンネル(Read Channel)

  • AR (Address Read)

    • araddr:読み取りアドレス。
    • arvalid:読み取りアドレスが有効であることを示す。
    • arready:スレーブが読み取りアドレスを受け取れる状態であることを示す。
  • R (Read Data)

    • rdata:読み取りデータ。
    • rvalid:読み取りデータが有効であることを示す。
    • rready:マスターが読み取りデータを受け取れる状態であることを示す。

書き込みチャンネル(Write Channel)

  • AW (Address Write)

    • awaddr:書き込みアドレス。
    • awvalid:書き込みアドレスが有効であることを示す。
    • awready:スレーブが書き込みアドレスを受け取れる状態であることを示す。
  • W (Write Data)

    • wdata:書き込みデータ。
    • wvalid:書き込みデータが有効であることを示す。
    • wready:スレーブが書き込みデータを受け取れる状態であることを示す。
  • B (Write Response)

    • bresp:書き込み応答(成功、エラーなど)。
    • bvalid:書き込み応答が有効であることを示す。
    • bready:マスターが書き込み応答を受け取れる状態であることを示す。

AXI4の基本プロトコル(ハンドシェイク)

AXI4プロトコルには、データ転送のタイミングに基づいて3つのパターンがあります。それぞれのパターンについて説明します。

1. Valid先行型

説明

このパターンでは、マスターが先にTVALID信号をアサートし、その後スレーブがTREADY信号をアサートすることでデータ転送が行われます。

image.png

特徴

  • マスターがデータを準備できたことを示すために、TVALIDを先にアサートします。
  • スレーブがデータを受け取る準備ができると、TREADYをアサートします。
  • 両方の信号がアサートされた時点でデータ転送が行われます。

2. Ready先行型

説明

このパターンでは、スレーブが先にTREADY信号をアサートし、その後マスターがTVALID信号をアサートすることでデータ転送が行われます。

image.png

特徴

  • スレーブがデータを受け取る準備ができたことを示すために、TREADYを先にアサートします。
  • マスターがデータを準備できると、TVALIDをアサートします。
  • 両方の信号がアサートされた時点でデータ転送が行われます。

3. Valid/Ready同時型

説明

このパターンでは、マスターとスレーブが同時にTVALIDおよびTREADY信号をアサートし、データ転送が行われます。

image.png

特徴

  • マスターとスレーブが同時にデータの送受信の準備ができている場合に用いられます。
  • 両方の信号が同時にアサートされることで、効率的なデータ転送が可能となります。

まとめ

AXIインターフェースを理解するためのコツは以下の通りです:

  1. マスターとスレーブの役割を理解する:どのデバイスがデータ転送を主導し、どのデバイスがそれに応答するのかを把握する。
  2. 信号の意味を理解する:各信号の役割とその流れを理解することで、AXIバスの動作を把握する。

これらのポイントを押さえることで、AXIインターフェースの仕組みをより深く理解できるようになります。

AXI4-Stream

AXI4-Streamを理解する

AXI4-Lite

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AXI4

AXI4を理解する

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