サイト名は「 mobet(モベット)」モは目標の「も」。ベットは「賭ける=懸ける」のbet。ドメインは語呂がよさげなので.gq(ジーキュー)にした。
お金を懸けた目標はやる気100倍
mobet(モベット.gq)
未達成の時だけ罰金が徴収される仕組み
ダイエット、語学習得、筋トレ、なんかは最初は「やるぞー」となっても3日坊主で終わるのが誰にでもある。そういう時はこのモベットに目標と懸けるお金を登録する。例えばこんなの。
目標の設定
ポイントは「不二子さんはダイエット目標に1000円を懸けて誓ってる」ところ。
で、期限日の12月31日までダイエットをがんばっていただく。
期限日が来ると。。。
期限日になると登録時に設定した判定者に向けてメールが送信される。判定者は友人とか家族とか、まー自分自身でもいいんだけど。例でいくとメールの内容はこんな感じ。
不二子のお母さまへ
今日がおたく不二子のダイエット目標の期限日です。ちゃんと目標は達成しましたか?
どちらかのリンクを押してください。| 達成 | | 未達成 |
お母さんが「達成」リンクを押した場合
よくやりましたね!罰金の引き落としはありません。
お母さんが「未達成」を押した場合
残念でした。賭け金の1000円が罰金として引き落とされる。
自分で決めた目標を自分の意思だけでやりとげる人なんてマレな訳ですよ。そんなに意思が強いわけじゃない。続けるには続くような仕組みが必要。そこでお金のパワーを使って、「今日もちゃんと英語の勉強しないと1ヶ月後に俺様の1万円が引き落とさせるじゃねーか!やらねばー!」とかすればいいでしょう、と。
よく高い教材を買って「あんなにお金を出して買ったんだし勉強しなきゃ」ってやる人も居るけど、アレとはまったく逆。教材を買って使ったお金は過去の話だから、目標達成でもどうにもならない。
mobetはハッキリと「目標未達成なら1万円が落ちますよ!」となる。
1万円賭けたって大丈夫。あなたの硬い意思と目標達成によってお金が落ちることは無いはずだから。ポイントはこのサイトを使ってドキドキワクワクするような緊張感を演出すること。
使った技術
- Rails
- React + Redux
- GraphQL
- Stripe
- Netlify
もうこのところウェブアプリを作る時は全部このパターン。特にRails + GraphQL + React/Reduxの相性が良すぎてしばらく技術ポトフォリオはこのままでいいや、と思っている。
開発の経緯
ひとつ前に作ってみたのが「エンジニアの名言メーゲン」
ひとことで言えば、ツイッターカードを使ってこんなのを出すサイト。
このウェブサイト開発で学んだことと反省点が以下。
学んだこと
ツイッターカードの威力はスゲー。
ちょっとしたアプリでもそこにツイッターカードの拡散力を付加すれば思いの外、PVが稼げる。
反省点
儲からん。正直、公開する前から分かってたことだけど、改めて「儲からんなー」と感じた。
多少はPVがあってもエンジニア向けであったりするとそもそも広告はクリックされないし収益性は雀の涙。アドセンス広告を貼っておくってのはグーグル様の鵜飼いの”鵜”状態な訳で、それは決してグーグルが悪いのではなく、そんなプランしか考えてない自分が悪いんだな、と理解した。
そこで次のアプリは「ツイッターカードを使った課金アプリにしよう」と的を絞った。とにかく課金のノウハウが決定的に足りていなかったので強化することにした。
勤め先のスタートアップではインフラとバックエンドを担当しているので、イヤというほど課金周りを実装している。でもそういう会社のプロジェクトで実装して得られる知識って必ずしも個人開発に活かされる訳ではない。
当たり前だけど、会社で「課金システムを実装すること」と「個人でなにか課金できるウェブアプリをイチから考えて実装すること」は違う。
お金を払ってでも欲しいサービスって?
まずお金を払ってでも欲しいサービスを企画することが課題になった。
広告収益モデルにあるような「これは無料だから見てください。気が向いたら広告をクリック」とは明確に違う。で、mobetを作ったのだが、これが「お金を払ってでも欲しいレベル」に行き着いているのかは分からない。はっきりしているのは私は課金型アプリの経験をもっと積む必要があること。
値段の納得感
仮に課金サービスを思いついたとしても次の課題が値段になる。人は値段に納得しなければ買わない。さらに個人開発の場合は企業が提供するサービスと違って、そのプロダクトの質や値段設定について疑いの目で見られがちになる。
しかしmobetの値段設定に文句を言う人は居ないと思う。なぜならご自身で決めていただく値段だし、引き落としも目標に対する結果次第なのだから。
ウェブサイトから発するメッセージ
mobetのウェブサイトから発信するメッセージは100%ポジティブであることに努めた。サイトの収益モデル内容から「管理者のお前はユーザーの目標の未達成を望んでいるのか?」と聞かれても「いや、それは無い」と言い切れるようにした。
合理的な判断だと思っている。もし私が人の目標を応援せずに金儲けだけを考えるようなサイトにしてしまったら、そんなネガティブな発想を持つサイトには誰に寄り付かなくなる。ユーザーはウェブサイトから放たれるメッセージにとても敏感だ。無理にカッコつけていても、わずか数秒で見抜いてしまうぐらいにユーザーは敏感だしある意味、サイト作成者が気付かないことまで見抜く力がユーザーにはある。
なのでmobetはどこまでも「ユーザーがハラハラドキドキ楽しく目標に向かうにはどうすればいいのか?」を考え続けた。掲載する写真、キャッチコピー、サイト内にあるちょっとした文言、全てに対してこの考え方を中心にした。
ウェブ課金はさらに進化する
ここまで読まれた方で「けっ。こんなウェブサービス使う訳ねーだろ」という感想を持たれたとしても、mobetの今後をチェックしておくことは決して無駄ではないと思っている。なぜならウェブサービスのマネタイズにはどんなパターンが機能するのか、また機能しないのか、の事例のひとつになるからだ。
mobetを始める前に課金サービスを提供されているStripeの担当者さんとかなりやり取りした。そこで分かってきたのはStripeは規約に反したり、禁止業種にならない限り課金方法の設計がかなり柔軟に対応できる、ということだ。
従来のウェブサービスであれば
「モノを買ったから料金が発生する」
「有料会員になったから料金が発生する」
「広告を踏んだから料金が発生する」
などがあった。そこでmobetではStripeを使って
「目標が未達成の時だけ料金が発生する」とした。
この「***すれば料金が発生する」の***部分に何を当てはめてもいい、となったら何が入るか考えてみるだけでもワクワクするのではないだろうか。
Stripeのドキュメントを読むだけで私は従来型ではない課金型ウェブアプリのアイデアがいくつも出てきた。
ウェブ市場が伸びるのは火を見るより明らかだが、私はその中でも数年以内にまったく新しいタイプの課金体系を持つウェブサービスが登場すると見ている。なぜならITとお金の相性はバッチリでそこにはまだまだ人類のアイデアが入り込む余地が無限に存在するからだ。
で、mobetはイケてるのかって?そんなことはまだ分からない。ここで言いたいのはイケててもイケてなくても「こいつのアプリ課金はこんな風に始まって、こうやって終わったのか」と今後の動向をチェックするだけでも、これから続く優秀なエンジニアさんのヒントになりますよ、ということだ。
公開前にご協力いただいた皆様へ
このアプリの公開前にユーザーテストやらアドバイスに多くの方に手伝っていただいた。とても重要なフィードバックやアドバイスをお送りいただいた。ほとんどは閉じた場でのアドバイスだったし、フィードバックも言いたい放題言って欲しかったので匿名性にした。なので**さんありがとー!ってできないけれど、皆さん感謝してます。
オレも入れたぁああああー!
開発した私も自分の目標を入れた。これ。
自分で作っといてなんだけど入れた瞬間「オレの5000円が。。。やべー!」となってしまった。普通に自分のクレジットカード番号を入れてるし、もう後戻りはできない。期限は12月31日まで。
ぜひ皆さんもよければご一緒にどうぞ。賭け金は100円から可能です。他の方が入れた目標への応援メッセージも入れてあげてください。
他にもmobetに関するご感想ご意見をお待ちしています。