最近PureScriptを使い始めました。練習としてHTTPリクエストを投げて結果をJSONで受け取り、それを任意のレコード（newtypeやdataでもいいけど）で受け取る処理を実装してみました。
なんということはないコードですが、意外に世間にサンプルが少ない気がしますので共有しておきます。
主要な処理
この処理は、大雑把に言えば以下の２つの処理に分けられます。
1. HTTPリクエストを投げる
2. ボディのJSON文字列をパースしてレコードを作る
今回はhttps://httpbin.org/ipにリクエストを投げて結果のJSONを { origin :: String } というレコードで受け取る処理を題材にしてこの処理を実装します。
JSON文字列をパースしてレコードを作る
PureScriptを使ってJSONの型安全な読み書きを自動化するというQiitaの記事で紹介されているpurescript-simple-jsonを使ってみたところ、これ以上ないくらいにシンプルで非常に便利でした。
import Data.Either (Either (..))
import Foreign (MultipleErrors)
import Simple.JSON (readJSON)
type IpRes = { origin :: String }
jsonToIpRes :: String -> Either MultipleErrors IpRes
jsonToIpRes = readJSON
なお、MultipleErrorsという型は NonEmptyList ForeignErrorのエイリアスです。
ここではリクエスト結果をレコードで受け取っていますが、newtypeやdataで定義した型であってもSimple.JSONは期待通りパースしてくれます。
HTTPリクエストを投げる
HTTPリクエストを投げるパッケージはいくつかあるっぽいのですが、ここではAffjaxというパッケージを使います。
GETを投げるだけなら非常に簡単で、get関数を使います。get関数の戻り値はAffモナドで包まれます。
JSONのパースには、先ほど作ったrequest関数を使います。
import Data.List.NonEmpty (singleton)
import Effect.Aff (Aff)
import Affjax as AX
import Affjax.ResponseFormat as ResponseFormat
request :: Aff (Either MultipleErrors IpRes)
request = do
res <- AX.get ResponseFormat.string "https://httpbin.org/ip"
case res.body of
Left (ResponseFormat.ResponseFormatError err _) -> pure $ Left $ singleton err
Right json -> pure $ jsonToIpRes json
なお ResponseFormatErrorという型はレスポンスが期待の書式でないことを示すエラーであり、エラーとその原因となった値の対を保持します。定義は次の通りです。
data ResponseFormatError
= ResponseFormatError ForeignError Foreign
ソース全体
PureScriptで作ったプログラムのエントリポイントはmain関数であり、型はEffect aです。Affjaxを使ってHTTPリクエスト処理を実装すると型はAffになるので、Effectモナドの中でAffモナドを使うためにlaunchAff_という関数が提供されています。
launchAffという関数もあるのですが、これはAffモナドを非同期に実行する場合に使うようです、多分。
module Main where
import Prelude
import Data.Either (Either (..))
import Data.List.NonEmpty (singleton, foldl)
import Foreign (MultipleErrors)
import Simple.JSON (readJSON)
import Effect (Effect)
import Effect.Aff (Aff, launchAff_)
import Effect.Class.Console (log)
import Affjax as AX
import Affjax.ResponseFormat as ResponseFormat
type IpRes = { origin :: String }
jsonToIpRes :: String -> Either MultipleErrors IpRes
jsonToIpRes = readJSON
request :: Aff (Either MultipleErrors IpRes)
request = do
res <- AX.get ResponseFormat.string "https://httpbin.org/ip"
case res.body of
Left (ResponseFormat.ResponseFormatError err _) -> pure $ Left $ singleton err
Right json -> pure $ jsonToIpRes json
main :: Effect Unit
main = launchAff_ $ do
res <- request
case res of
Left errors -> log $ foldl (\s err -> if (s == "") then show err else s <> "\n" <> show err) "" errors
Right gr -> log gr.origin
今回の処理を実装した感想
たったこれだけの処理の実装にまあ時間のかかること。PureScriptを使い始めということに加えサンプルが少なく原典（＝パッケージのリポジトリやソースコード）を参照することが多くなり、時間を多く取られました。
またAffやFiberなど、知識外の型の意味を調べるのにもまた時間を取られます。
しかし、ビルドに通ってしまえばほぼ意図通りに動作します。
これはまさにHaskellと同じツンデレ言語ではないですか。
素晴らしい、PureScript。