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DjangoAdvent Calendar 2020

Day 15

Django-allauthを使ってLINEログイン→push-messageをアカウントに送信するまで

Last updated at Posted at 2020-12-28

なんの記事?

  • 自作したDjangoで開発したweb appにソーシャルログインを追加するために、django-allauthモジュールを調べたので、本記事ではデモを動かしつつ、内部構造を理解していく記事です。

  • 今回は、LINEでソーシャルログインした後、取得したUIDを元にメッセージを送信する処理を実装しました。

  • Django-allauthのお話をしつつ、途中、五月雨にdjangoの復習を挟みます。

    • ログイン後、"accounts/profile"にredirectしているけど、どこで設定している?
    • Appconfig.ready()関数内でsignals.post_migrate()を使った、マイグレ時の初期データの読み込み
      • djangoがどのようにapplicationを読み込んでいるか?(公式doc
    • クラスベース汎用ビューの1つ:TemplateView
  • 実装したコードはhttps://github.com/Jumpo-523/allauth-line-example に格納してあります。

環境

Python 3.7.4
Django==3.1.2
django-allauth==0.44.0

準備

  1. moduleのsource codeに格納されているexample.demo appを利用します。

  2. LINE側でLINEログインを作成する。

セットアップ

  • LINE DEVELOPERサイトで、LINE LOGINアプリの登録
    • 認証結果をweb applicationに返す際のcallback urlの設定をしておきます。
  • django adminで、LINEで作成したアプリのhook, callback関数の登録作業を実施する。
  • https://github.com/pennersr/django-allauth のexampleをforkする。
  • example/settings.pyをいじる
    • INSTALLED_APPS に 'allauth.socialaccount.providers.line',を追加
  • データ構造仕様をDBに反映させます。python manage.py migrate

上記まで出来たら、実際にstep by stepで開発していきたいと思います。

開発

LINEログインを利用して認証する

  • ユーザ情報・UIDをちゃんと保存するところまで解説します。

まずは動作確認

  • python manage.py runserverでサーバーを起動し実行させます。
  • http://localhost:8000/ にアクセスすると以下のページがレンダリングされます。

スクリーンショット 2020-12-28 11.12.48.png

次にLINE DEVELOPERサイト登録したLINE ログインを登録します。

Django admin siteを見てみると、

スクリーンショット 2020-12-28 11.13.12.png

すでにいろいろなDummy XXX appが存在しますね..

....なぜでしょう。example/demo/apps.pyを見てみると、

# example.demo > apps.py
class DemoConfig(AppConfig):
    name = 'example.demo'
    verbose_name = _('Demo')

    def ready(self):
        post_migrate.connect(setup_dummy_social_apps, sender=self)

どうやら、AppConfigのready()メソッド内で呼び出されるsetup_dummy_social_appsのおかげみたいです。

django.db.models.signals.post_migrateを利用することで、DBマイグレーション実行後にsetup_dummy_social_appsが呼び出されます。

setup_dummy_social_apps関数は、INSTALLED_APPSで設定したallauth.socialaccount.providersで登録される各ソーシャルアプリに対して、ダミーアプリを作成します。

※ちなみに、

  1. example.comというドメイン名はDjangoがデフォルトで用意するサイト名です。(公式doc)

django.contrib.sites registers a post_migrate signal handler which creates a default site named example.com with the domain example.com.

  1. DemoConfigはアプリケーション構成クラスといい、AppConfigクラスのサブクラスです。
    • djangoがどのようにアプリケーションをloadしているのかに関しては公式docに詳しく記載されています。
localhost:8000(及び、127.0.0.1:8000)を新規追加します。

スクリーンショット 2020-12-28 11.14.44.png

LINE LOGINのChannel ID/ Channel secretをClient id/ Secret keyに設定します。

スクリーンショット 2020-12-28 11.12.14.png

Lineでログインしてみる

http://localhost:8000/ にアクセスして、Sign inリンクを押下→Lineリンクを押下して、ログインを試してみます。

スクリーンショット 2020-12-28 11.10.29.png

あれ、失敗した。。なんでや

SocialApp matching query does not exist

  • どうやらweb app内部で持っている SocialAppとSitesの紐付けができていないことが原因らしいです。。
  • Site_id=1はexample.comが設定されているが、SocialAppに紐付けたSItesに含まれていないことで怒られてしまいました。
  • そもそも、Siteってなんのためにあるのかよくわかってないですが、ここは後日勉強します。

スクリーンショット 2020-12-28 11.09.28.png

Siteを設定したし、もう大丈夫だろうと、Lineをクリックし、LINEログインを実行してみたところ...

スクリーンショット 2020-12-28 11.07.47.png

Social Netowork Login Failure...うーむなんでや???

返されるcallback urlを見てみると、

"GET /accounts/line/login/callback/?error_description=%27scope%27+is+not+specified.&state=lka8qKd4yOVF&error=invalid_scope HTTP/1.1" 200 731

とあり、「scopeが特定されていない」とある。

原因:setttings.pySOCIALACCOUNT_PROVIDERS変数を追加してない

django-allauthはSOCIALACCOUNT_PROVIDERS変数で、各PROVIDER(SOCIALLOGINで利用したいアプリ)ごとに認可の範囲を指定できます。

指定しない場合、default値として空dictが渡されてしまい、providerは認証することができなくなってしまいます。

例えば今回のLINEのケースであれば「LINE経由で登録してくれたユーザに個別メッセージを送りたい」ので、プロフィール情報と共にIDトークンを取得できるように、 ['profile','openid']を指定します。

SOCIALACCOUNT_PROVIDERS = {
    'line': {
        'SCOPE': ['profile','openid'],
    }
}

その他、細かい仕様に関しては、公式ドキュメントを参照してください。

ちなみに、

  • SOCIALACCOUNT_PROVIDERSという変数でsettings.pyで設定された変数はどうやって使われているか?

    • app_settings.pySOCIALACCOUNT_というprefixが付いているもののみ取り出され、app_settings moduleとしてDjango-allauthに使われています。(app_settings.py fileで未設定の変数のdefault値も確認できます。)
  • SOCIALACCOUNT_PROVIDERSで設定した情報は、Providerクラスのget_settings()で呼び出されるように設計されています。

SCOPEをprofileopenidに設定して、再度チャレンジしましょう。

スクリーンショット 2020-12-28 11.07.05.png

無事、自分のLINEアカウントを利用して、ログインすることができました。

スクリーンショット 2020-12-28 11.06.40.png

ですが、LINEのユーザ名がうまく、djangoに渡せておらず、Successfully signed in as user.と表示されてしまいます。

LINEのユーザ名をdjangoに渡したい。

なんでuserという名前でdjangoに渡されてしまうのか。

  • 結論から言うと、_process_signupでclean_username処理で引っかかってしまい、ユーザ登録処理の途中で、空文字に置き換えられてしまうからです。

    • 空文字に置き換えられた場合、allauth.account.adapter.DefaultAccountAdapterクラスのpopulate_usernameメソッドによって、[first_name, last_name, email, username, "user"]のいずれかの値がusernameとして保存されます。
    • ['profile','openid']のみをSCOPEに設定したLineログインの場合、first_name, last_name, emailの情報は抽出されない為空文字になり、結果usernameとして有効な文字列は消去法で"user"となってしまうのです。
  • breakpointを貼って処理を追ってみるとわかるのですが、LINEからdisplayNameとして、ユーザ名("Jumpei Takubo")は渡されています。しかし、苗字と名前の間にスペースが入っており、これがUsernameValidatorに引っかかってしまうのです。

    • ただ、extra_data fieldにJSON形式でdisplayNameがキーに含まれてはいます。

どうやって対処する?

  • 対処方法は思いつく限りで2通りあるかと思います。

    1. SignUp時にユーザに修正してもらう。

    2. validatorの処理をカスタマイズして、素通りさせる(あまり良くない?)

  1. SignUp時にユーザに修正してもらう。
  • ソーシャルログイン機能を利用しつつ、必要な情報はユーザに手入力させるようにform画面を作るのが一つ逃げ道かなと思います。
  1. validatorの処理をカスタマイズして、素通りさせる(あまり良くない?)
  • 一番手取り早いのはvalidatorの処理をカスタマイズして、許容するパターンを予め用意しておくのが良いかなと思います。
  • 本記事では、validation checkを全て無効化します。下記、その実装になります。

settings.py

ACCOUNT_USERNAME_VALIDATORS = 'example.demo.validators.custom_username_validators'

demo/validators.py

import re
from django.core import validators
from django.utils.deconstruct import deconstructible
from django.utils.translation import gettext_lazy as _

@deconstructible
class CustomUsernameValidator(validators.RegexValidator):
    # regex = r'^[\w.@+-]+\Z' # defaultで用意される異常パターン
    regex = r'' # 異常パターンを全部許容する
    message = _(
        'Enter a valid username. This value may contain only English letters, '
        'numbers, and @/./+/-/_ characters.'
    )
    flags = re.ASCII
custom_username_validators = [CustomUsernameValidator()]

adminページにて、登録したuserを削除して、再度LINEログインを実施してみると...

スクリーンショット 2020-12-28 11.05.05.png
スクリーンショット 2020-12-28 11.06.20.png

見事、LINEのdisplayNameをusernameとして保存することができました!

無事Successfully signed in as Jumpei Takubo.と表示されています。

最後に、登録したユーザに個別メッセージを送信してみたいと思います。

取得したUIDを元にメッセージを送信するまで

  • まず、ログインしたユーザのuidが保存されていることを確認します。

スクリーンショット 2020-12-27 17.40.27.png

  • 次に、ユーザ情報をもとにLINE message APIを利用してメッセージを送信する
  1. Line Developpersで、Messaging APIを作成

  2. push messageの仕様を確認(公式ドキュメント

  3. views.pyに関数を作成

      def notify_by_message_api(request):
          user = get_social_account_user(request)
          if user is None:
              return JsonResponse({"error": "You don't have social account."}, status=400)
          # TODO: develop push notifications using user_id.
          # https://developers.line.biz/ja/reference/messaging-api/#send-push-message
          from linebot import LineBotApi
          from linebot.models import TextSendMessage
          from linebot.exceptions import LineBotApiError
          # import pdb; pdb.set_trace()
          try:
              line_bot_api = LineBotApi(os.environ["LINE_CHANNEL_ACCESS_TOKEN"])
              line_bot_api.push_message(f'{user.uid}', TextSendMessage(text='初めまして、webサイトへの登録ありがとうございます。'))
          except (LineBotApiError, KeyError) as e:
              # error handle
              logger.error(f'Something went wrong! {e}')
              return JsonResponse({"success": False, "error": str(e)}, status=400)
          # social_account.uid
          # messageだけclientに返したい。
          # ajaxの使い方を復習する。
          return JsonResponse({"success": True, 'message':"I correctly sent messages"})
    

4.profile.htmlにnotify ボタンと、ボタン押下時のajax処理のコードを追加する。

   - ```html
     {% extends "base.html" %}
     
     {% block content %}
     <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.5.0.js" 
     integrity="sha256-r/AaFHrszJtwpe+tHyNi/XCfMxYpbsRg2Uqn0x3s2zc=" 
     crossorigin="anonymous"></script>
     <script type="text/javascript">
         var hoge = function(){
             $.ajax(
                 {
                     type:"GET",
                     url: "/notify/",
                     data:{},
                     'dataType':'json',
                     'success': function(response){
                         alert("Okay, I sent a message to your LINE account.")
                     },
                     'error':function(response){
                         alert("you failed to send a message to your LINE account. ")
                     },
                 })
             };
     </script>
     <h1>Profile</h1>
     
     <p>Your profile</p>
     
     {% if social_account %}
     <h1> Hello {{ social_account.extra_data.displayName }}</h1>
     
     <input type="button" class="notify" value="Notify to {{ social_account.extra_data.displayName }}"
      onclick="hoge()"/>
     {% endif %}
     <!-- button to push a notification to uid . -->
     {% endblock %}
     ```

5. `demo/urls.py`で押下時`http://localhost:8000/notify/`にアクセスされた際に上記`notify_by_message_api`にroutingできるように設定

   ```python
   urlpatterns = [
     ...
       path("notify/", views.notify_by_message_api),
     ...
   ]

これで実装は完了です!

あとは、web上でボタンを押して、自分のアカウントを確認して、作成したmessage API botから、下記のようにコメントが届いているか、確認してみてください!

IMG_0165.jpg

追記:jinja2に渡したsocial_accountと言う変数に付いて

  • {% if social_account %}は追加実装しているけど、これは何?どうやって渡している?
    • social_accountは、著者がTemplateViewを継承したクラスにcontextとして渡したソーシャルアカウントのobjectです。
    • login後のredirect urlである accounts/profileで呼び出されるviewとしてTemplateViewを継承したProfileTemplateViewget_context_dataメソッドで追加しています。
    • get_context_dataメソッドをoverrideすることで、templateに渡す変数を追加することができます。
class ProfileTemplateView(TemplateView):
    form_class = None
    social_account = None
    template_name = "profile.html"
    
    # ...
    
		def get_context_data(self, **kwargs):
        context = super().get_context_data(**kwargs)
        
        context["social_account"] = self.social_account
        return context
      
profile = ProfileTemplateView.as_view() 
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