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建築とQAの共通点~スケジュール管理編~

Last updated at Posted at 2022-12-21

はじめに

初めまして。
AIQVE ONE Advent Calender 22日目を担当します@j_nと申します。
今回は『スケジュール管理』に関して、よくあるトラブルの予防法を経験からお話します。

私は前職では建設現場で設備系の施工管理をしていました。

設備系:建物の中に設置する機械設備です。
    主には水道・ガス・空調設備等が当てはまります。
施工 :現場で設計図を基に工事を行うことです。
    私は新築マンション物件の施工に携わっていました。
管理 :そのままの意味です。より具体的に言えば、
    スケジュール管理・資材管理・人員管理・品質管理といった作業を行います。

つまり、新築のマンション物件で水やガスの設備工事を管理することが仕事でした。
といっても新卒入社の1年間だけでしたが。

ご縁を頂いて今はゲーム等QAのお仕事に携わっていますが、建築とQAという2つの業種で
仕事を円滑に進めるため、共通していくつか実践できることがあります。

目次
はじめに
1.スケジュールの「前倒し」を「見極める」
2.スケジュールの「遅れ」を「予測」する
3.スケジュールの「確認」を「徹底」する
4.スケジュールの「変更」を「文書化」する
まとめ

1. スケジュールの「前倒し」を「見極める」

全てのスケジュールは一度決定しても様々な要因で常に変動します。
作業の遅れ、人員・資材の不足、気候・交通・国際情勢の影響など。
変動とは「遅れる」だけでなく、時には「予定より早まる」ケースもあります。
その場合は「後の作業が押してるから今やって」と催促され、その時本来想定していた作業が
できなくなり、作業が早まる以上にスケジュールが大幅に崩れることも。

「前倒し」ケースの例として、前職でこんなことがありました。

職人Aと職人Bの仕事があり、私はその隙間を縫ってやる作業がありました。
(構造内部の作業なので、Bが構造表層の仕事を始めてしまうと着手できなくなります)
職人Aの作業があまりにも早く進んだ上、私を待たずに先にBが作業を始めてしまいました。
おまけにAもBも私に何も連絡してこないので、危うく自分の作業ができなくなり、
現場全体の工程に影響が出かけた事態がありました。

このような事例が起こる要因は、全体で他業種の作業理解が不足していたこともありますが、
管理者として自分を振り返ると、一度決定したスケジュールを他社の作業員が順守すると
慢心した結果、受け身の姿勢になって最新の情報を把握できなかったことが挙げられます。

こういった事例を避けるため、「決定したスケジュール=変動しないは成立しないという
認識を持って、管理者を振り回す「流れ」に柔軟に対応する意識が必要です。
この管理者を振り回す「流れ」は往々にして作業員が作ります。今日の予定にない業者が
現場に入っている、既に前の工程が既に〆の作業に入っている、自分より後の業者が作業を
始めようとしている、など。
これらは現場にいる作業員からの伝聞では仕入れづらい情報です。
なぜなら作業員は自分の作業で手一杯で、こまめな報告連絡をする余裕がないためです。
よって、可能な限り自分が現場に足を運び、自分の目で現場を見極めるとよいでしょう。
その場にいる作業員に話を聞きに行くことも重要です。

2. スケジュールの「遅れ」を「予測」する

どんな案件でもよくあるのが「遅れ」です。
この場合前職でよくあったのは「注文した資材が届かない」ということでした。
運搬の遅延自体は物流会社の責任なのでこちらに非はありませんが、単純に資材がない分だけ
作業が止まり、作業員の派遣等にかかる工費がリアルタイムで無駄になっています。

自身の管轄範囲ではない部外要因によって起こるスケジュールの遅れに関しては、
一見どうしようもないように思えます。しかし、「遅れ」を事前に予測することは可能です。

それは広い分野にアンテナを張って情報を仕入れることです。
自分と全く関係がないようなことでも実際はダイレクトに影響してくることはあり得ます。
実際体験した例としては、

・感染症の国際的な蔓延により海外の工場が閉鎖
 →その工場で生産される部品がなくなる
 →メーカーの在庫がなくなり、注文しても現場に入らない
・現場の区で大規模なお祭りが開催される
 →交通規制
 →運送に通常のルートを使えなくなり、時間通りに資材が届かない

など。
自分の案件の情勢だけでなく、その先の先方や関連会社の在住地域まで気にかけると、
予測の判断材料が増えて、早い段階で作業員を他に回せるなど無駄を削減することに
繋がります。

3. スケジュールの「確認」を「徹底」する

「早まる」「遅れる」両方に有効な手法が「こまめにスケジュールを確認する」ことです。
誰でも知っている極めてありふれた結論にも見えますが、徹底すれば非常に有効な手法と
なります。
この「徹底」というのが重要です。2,3回確認したのでヨシ!ではなく、先方との面会や
定例MTG等で直近の予定については常に再確認するとよいでしょう。

当然言い方は非常に大事です。先方から「単に予定を忘れているのかな?」と誤解されること
がないように、柔らかい表情や朗らかな口調など、印象が悪くならないよう意識し、
改まって「○○のスケジュールについてお伺いしたく~」という1項目を設けるような言い方を
するよりは、自分側が話している流れの中で
「○○日に予定の○○についても順調に準備を進めており~」
「○○日の件についても現状で特に問題などはない想定で作業しております」
等サラッと日付を入れる程度がくどくならず好ましいです。

このようなマメな確認を習慣化することで細かい変更を把握できる他、周りの人から
「あの人はスケジューリングにとても厳格な方だなぁ」
という印象を持たれると思いますが、実はこれもトラブル予防に有効です。
個人としてそのような印象になれば
「これからあの人とMTGだから、細かい指摘が出ないように改めて予定を確認しておこう……」
と、接する方々もスケジュールを再確認する習慣がつき、相互作用が期待できるためです。

また、仮に要所で認識のズレが発生し、急なスケジュール変更が起こっても
「こちらは日程を確認しました。急な変更は其方の責任です」
という立場が取りやすくなり、作業員への急なスケジュール調整通達の際にも
「○○さんの不手際じゃなく、先方から無茶を言われたんですね、大変ですね」
程度の印象を持たれることで、自分に不満が向きにくくなります。

4. スケジュールの「変更」を「文書化」する

また、確認した内容を文書化して共有することも重要です。
メールやチャットの履歴は形に残るものとして有事の際に便利なエビデンスとなりますが、
さすがにMTGの都度先方に文面を送り付けると悪印象を与える可能性があります。
こちらは何か変更があった際にのみ共有するとよいです。

また、作業員に対しては目につくところに共有のスケジュール表を置いておくのも有効です。
変更があった際や調整の際にも、参照しやすく共有できるスケジュール表がひとつあると、
複数人が集まる調整でもスムーズに話が進みます。

まとめ

長くなりましたが、スケジュールに関するトラブルの対策の要点としては

・リアルタイムの現場の状況を把握する
・広い分野にアンテナを張って情報を仕入れ、展開を予測する
・確認できるタイミングで常に認識を共有する
・確定とされた内容を文書化してエビデンスに残す

こういったことが実践できるかと思います。
言うは易し、実際に業務に当たるとこの通りの行動をすることは極めて困難でしょう。
ですが、心の片隅にでも残してみると、行き詰った際に別の道が見えてくるかもしれません。

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