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GoogleマップURLのパラメータブロック構文

Last updated at Posted at 2018-04-27

#概要
ブラウザ版GoogelaマップのURLには'!'で区切られた謎パラメータ群が付いてくることがよくあります。

例えばこんなのです:

https://www.google.com/maps/place/%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AB%E5%90%88%E5%90%8C%E4%BC%9A%E7%A4%BE/@35.660411,139.7287178,19z/data=!3m2!4b1!5s0x60188b77a7f6fcf5:0x60c9ffa23520351!4m5!3m4!1s0x60188b770913970d:0xccc3467fcb15b353!8m2!3d35.660411!4d139.729265

このURLの"data="以降がこの記事で対象にするパラメータブロック部分です。

!3m2!4b1!5s0x60188b77a7f6fcf5:0x60c9ffa23520351!4m5!3m4!1s0x60188b770913970d:0xccc3467fcb15b353!8m2!3d35.660411!4d139.729265

いったいこのURLは何を言っているのか、気になる人には非常に気になり、気にならない人には本当にどうでもいい事柄かと思いますが、私気になりますので調べました。

この呪文に行きあたって心が折れた人の支えになれれば幸いです。

#注意
この記事ではパラメータブロックの構文のみに注目しています。
パラメータブロックが指し示す意味や動作については言及しませんので、悪しからずご了承ください。

また、記載内容は私が勝手に推測したものです。間違っている可能性もあることに留意してください。

#正体
インデックス、型、値で構成される要素の配列を表現しています。配列は入れ子構造を取ることができます。
最上位にルート配列が存在します。

上記の例ですと、

!3m2!4b1!5s0x60188b77a7f6fcf5:0x60c9ffa23520351!4m5!3m4!1s0x60188b770913970d:0xccc3467fcb15b353!8m2!3d35.660411!4d139.729265

これは次のように展開されます:

!3m2
	!4b1
	!5s0x60188b77a7f6fcf5:0x60c9ffa23520351
!4m5
	!3m4
		!1s0x60188b770913970d:0xccc3467fcb15b353
		!8m2
			!3d35.660411
			!4d139.729265

長い行も短い行もありますが、すべて1行1要素で記述してあります。
要素は全てインデックスと型と値を持ち、型に応じて値の記述フォーマットが変わってきます。

#要素
要素は全て次の構文で構成されます。例外は確認していません。

! + インデックス(整数) + 型(英字1文字) + 値(文字列)

各部の連結部にスペースなどを含むことは許されません。
インデックスは正の整数のみが許されるものと思われます。0以下の値は確認していません。
型の大文字小文字は区別されます。確認されている例ではすべて英小文字です。

##例

要素 インデックス
!3m2 3 m(配列) 2(続く2要素が配列に含まれる)
!4b1 4 b(論理値) 1(true)
!5s0x6018... 5 s(文字列) 0x6018...
!4m5 4 m(配列) 5(続く5要素が配列に含まれる)
!3m4 3 m(配列) 4(続く4要素が配列に含まれる)
!1s0x6018... 1 s(文字列) 0x6018...
!8m2 8 m(配列) 2(続く2要素が配列に含まれる)
!3d35.660411 3 d(実数) 35.660411
!4d139.729265 4 d(実数) 139.729265

#インデックス
配列の添字とは異なります。構文的には重複が許され、インデックスの重複するすべての要素が有効です。
ただし解釈する側で取捨される状況はあり得ます。

列挙型の要素が同じインデックスで並ぶ例はよく見られます。

インデックスの数値が連続する必要はなく、数値の大小関係に従った並び順も(おそらく)求められません。

#型と値
一覧を次に示します:

備考
m 配列要素数(0以上の整数) 値は後に続く要素数を示す
子配列の要素数も含むことに注意
b 真偽値
(0=偽,1=真,それ以外もたぶん真)
i 整数
d 実数
e 列挙値(整数)
u 符号なし整数? 見かけたことがあるような気がする
h 16進数 見かけたことがあるような気がする。
"0x"のような接頭詞は付かなかったような気がする
s 文字列 原則的にはURIエンコードされている
たまに'+'をスペースにデコードしない受け手の処理系があるので注意
(その場合は%20でエンコードする)
z 文字列? たまにある。sとの違いは不明

##配列
'm'で示される配列要素の注意点を挙げます。

###要素数の解釈
要素数は子配列の要素数も含みます。
!1m3!2m2!3i0!4i0!5i0!6i0!7i0 というパラメータブロックがあった場合、

次の解釈は間違いです:

!1m4
	!2m2 //1m4の要素1
		!3i0
		!4i0
	!5i0 //1m4の要素2
	!6i0 //1m4の要素3
	!7i0 //1m4の要素4

正しい解釈は次の通りです:

!1m4
	!2m2
		!3i0
		!4i0
	!5i0 //ここまでの4要素が!1m4の下に付く
!6i0
!7i0

正しく生成されたパラメータブロックであれば、ネストした配列要素数の帳尻は合うはずです。

#要素数0の配列
あり得ます。実例も確認されています。

!1m0!2m2!3i0!4i0 というパラメータブロックはルール通りに次のように解釈されます:

!1m0
!2m2
	!3i0
	!4i0

#所感
ほんとに誰得な情報ですが、これと格闘する羽目になった場合にパーサーを書くのは結構楽しい作業になります。お勧めです。

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