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Compose file version3のリファレンス

Last updated at Posted at 2017-07-20

この記事は今後,Zennで更新します.


docker-composeで利用するversion 3の設定をまとめる.

Docker Engineが対応するファイルフォーマットのバージョン

Compose and Docker compatibility matrix

1.13.0+ 以降がCompose file verison 3.0に対応する.

設定

build

指定したディレクトリにあるdockerfileでコンテナを起動する.
context, dockerfile, argsで指定もできる.

build: ./dir

build:
  context: ./dir
  dockerfile: Dockerfile-alternate
  args:
    buildno: 1

cap_add, cap_drop

コンテナの権限を制限して起動する.
man 7 capabilities の権限が指定できる.

cap_add:
  - ALL

cap_drop:
  - NET_ADMIN
  - SYS_ADMIN

command

デフォルトのコマンドを上書きして起動する.
配列形式で引数を渡しても良い.

command: bundle exec thin -p 3000
command: ["bundle", "exec", "thin", "-p", "3000"]

configs

サービスのconfigを別ファイルにまとめて指定ができる.
configs でリソースをまとめて定義できる.

version: "3.3"
services:
  redis:
    image: redis:latest
    deploy:
      replicas: 1
    configs:
      - my_config
      - my_other_config
configs:
  my_config:
    file: ./my_config.txt
  my_other_config:
    external: true

cgroup_parent

コンテナが属する container_group を指定する.
swarm modeでは無視される.

cgroup_parent: m-executor-abcd

container_name

コンテナ名を指定する.
ユニークである必要があるため,swarm modeでは使えない.

container_name: my-web-container

credential_spec

Windows専用.

redential_spec:
  file: c:/WINDOWS/my-credential-spec.txt

credential_spec:
  registry: HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Virtualization\Containers\CredentialSpecs

deploy

コンテナ群のデプロイと運用条件の設定.
docker stack deploy を使ったswarm modeでのみ有効になる.

docker-compose updocker-compose run では無視される.

version: '3'
services:
  redis:
    image: redis:alpine
    deploy:
      replicas: 6
      update_config:
        parallelism: 2
        delay: 10s
      restart_policy:
        condition: on-failure

devices

ホストのデバイスをコンテナのデバイスに割り当てる.
docker stack deploy を使ったswarm modeでは無視される.

devices:
  - "/dev/ttyUSB0:/dev/ttyUSB0"

depends_on

コンテナの依存関係を定義する.
次の例では, webdbredis に依存する.

docker stack deploy を使ったswarm modeでは無視される.

version: '3'
services:
  web:
    build: .
    depends_on:
      - db
      - redis
  redis:
    image: redis
  db:
    image: postgres

依存は起動の順序に関係し, dbredis が起動してから web が起動する.

dbが起動し,且つredisが起動 -> webが次に起動

dns

DNSサーバを指定する.
docker stack deploy を使ったswarm modeでは無視される.

dns: 8.8.8.8
dns:
  - 8.8.8.8
  - 9.9.9.9

dns_search

DNSで検索するドメインを指定する。
docker stack deploy を使ったswarm modeでは無視される.

dns_search: example.com
dns_search:
  - dc1.example.com
  - dc2.example.com

tmpfs

コンテナ内でtmpfsを使用するディレクトリを指定する。
docker stack deploy を使ったswarm modeでは無視される.

tmpfs: /run
tmpfs:
  - /run
  - /tmp

entrypoint

コンテナが実行するファイルを設定する。
デフォルトのエントリポイントを上書きする。
entrypoint を指定すると、既存の ENTRYPOINT CMD は実行しない。

entrypoint:
    - php
    - -d
    - zend_extension=/usr/local/lib/php/extensions/no-debug-non-zts-20100525/xdebug.so
    - -d
    - memory_limit=-1
    - vendor/bin/phpunit

env_file

コンテナの環境変数を別ファイルにまとめて指定ができる。
既存の環境変数があれば env_file の値で上書きする。
build オプションと合わせて指定すると、build中は enviroment で指定した、環境変数は見えないことに注意。
build に変数を渡す場合は args オプションで指定する。

env_file: .env

env_file:
  - ./common.env
  - ./apps/web.env
  - /opt/secrets.env

env_file の中身は VAR=VAL 形式で設定する。

# Set Rails/Rack environment
RACK_ENV=development

environment

コンテナの環境変数を追加する。
env_file の違いはdocker-comose.yamlに直接記述すること。
build オプションと合わせて指定すると、build中は enviroment で指定した、環境変数は見えないことに注意。
build に変数を渡す場合は args オプションで指定する。

environment:
  RACK_ENV: development
  SHOW: 'true'
  SESSION_SECRET:

environment:
  - RACK_ENV=development
  - SHOW=true
  - SESSION_SECRET

expose

コンテナ内に限定して公開するポートを指定する。
exposeで公開したポートは linked servicesからのみアクセスが可能。

ホスト向けに公開したい場合は ports オプションを使用すること。

expose:
 - "3000"
 - "8000"

external_links

docker-composeのスコープ外にあるコンテナと通信する.

  • docker-compose.yaml のスコープ外
  • Composeのスコープ外

docker-composeで起動するコンテナ群が,他コンテナに共通サービスを提供している場合に活用できる.
<container name>:<alias name>link のように動作する.

external_links:
 - redis_1
 - project_db_1:mysql
 - project_db_1:postgresql

extra_hosts

コンテナ内にホスト名とIPアドレスの対応表を設定する.

xtra_hosts:
 - "somehost:162.242.195.82"
 - "otherhost:50.31.209.229"

設定内容は /etc/hosts に反映する.

162.242.195.82  somehost
50.31.209.229   otherhost

healthcheck

コンテナのサービス死活監視に利用するコマンドを設定する.

healthcheck:
  test: ["CMD", "curl", "-f", "http://localhost"]
  interval: 1m30s
  timeout: 10s
  retries: 3

imageで設定されたヘルスチェックを無効にしたい場合は disable:true を設定する.

healthcheck:
  disable: true

isolation

コンテナの分離技術を指定する.

  • Linux: default
  • Windows: default, process, hyperv

labels

Docker labels を使ってコンテナにメタデータを付加する.
メタデータはDNSの逆引き形式で記述すること.

labels:
  com.example.description: "Accounting webapp"
  com.example.department: "Finance"
  com.example.label-with-empty-value: ""

labels:
  - "com.example.description=Accounting webapp"
  - "com.example.department=Finance"
  - "com.example.label-with-empty-value"

links

コンテナと他のサービスを繋げる.
リンクに属するサービスの名前を別名で定義することもできる.
SERVICE:ALIAS

web:
  links:
   - db
   - db:database
   - redis

生成したリンクの名前は,到達可能なホスト名とみなされる.

注記

  • linksnetworks を両方定義した場合,リンクを有するサービスは通信するために1つ以上のネットワークを共有する必要がある.
  • docker stack deploy を使ったswarm modeでは無視される.

logging

サービスのロギングを設定する.

logging:
  driver: syslog
  options:
    syslog-address: "tcp://192.168.0.42:123"

コンテナのサービスに対するロギング形式は driver で指定する.
--log-driver と同じ意味を持つ.

デフォルトはjson-file

driver: "json-file"
driver: "syslog"
driver: "none"

注記

json-filejournaldドライバは,次のログから直接取得する.

  • docker-compose up
  • docker-compose logs

他のドライバはログを出力しない

syslog

ロギングはオプションをkey-valueで指定する.

driver: "syslog"
options:
  syslog-address: "tcp://192.168.0.42:123"

json-file

services:
  some-service:
    image: some-service
    logging:
      driver: "json-file"
      options:
        max-size: "200k"
        max-file: "10"

network_mode

ネットワークモードを指定する.
service:[service name] の形式と合わせて,docker client の --network と同じ意味を持たせる.

network_mode: "bridge"
network_mode: "host"
network_mode: "none"
network_mode: "service:[service name]"
network_mode: "container:[container name/id]"

注記

  • docker stack deploy を使ったswarm modeでは無視される.
  • network_mode: "host"links と組み合わせられない.

networks

networks を最上位として,使用するネットワークを列挙する.

services:
  some-service:
    networks:
     - some-network
     - other-network

ALIASES

ネットワーク上のサービスを Aliases (ホスト名の代替)で定義する.
同じネットワーク情報他のコンテナは,サービス名もしくはエイリアスで接続できる.

services:
  some-service:
    networks:
      some-network:
        aliases:
         - alias1
         - alias3
      other-network:
        aliases:
         - alias2

3つのサービス( web, worker, db )が,2つのネットワーク( new, legacy )を介する例.
dbサービスはnewネットワークからホスト名db,またはdatabaseで接続できる.
legacyネットワークからはdbまたは mysql で接続できる.

version: '2'

services:
  web:
    build: ./web
    networks:
      - new

  worker:
    build: ./worker
    networks:
      - legacy

  db:
    image: mysql
    networks:
      new:
        aliases:
          - database
      legacy:
        aliases:
          - mysql

networks:
  new:
  legacy:

注記

ネットワーク全体のエイリアスは複数のコンテナが例え複数のサービスであっても共有できる.
そうならば,コンテナ名を解決することは保証できない.

IPV4_ADDRESS, IPV6_ADDRESS

固定のIPv4アドレス,IPv6アドレスを指定する.

networks セクションの最上位に対応するネットワーク構成には,
静的アドレスをカバーするサブネット構成を持つ ipam ブロックが必要.

version: '2.1'

services:
  app:
    image: busybox
    command: ifconfig
    networks:
      app_net:
        ipv4_address: 172.16.238.10
        ipv6_address: 2001:3984:3989::10

networks:
  app_net:
    driver: bridge
    enable_ipv6: true
    ipam:
      driver: default
      config:
      -
        subnet: 172.16.238.0/24
      -
        subnet: 2001:3984:3989::/64

pid

pid: "host"

PIDモードをホストPIDモードに設定する.
これはコンテナとホストのオペレーティングシステムとのPIDアドレス空間の共有を有効にする.

このフラグで起動されたコンテナはベアメタルマシン上の他コンテナにアクセスと操作ができる.
他コンテナから逆のことも可能.

ports

ポートを公開する.

注記

HOST:CONTAINER 形式で 60より小さいポートを指定すると,エラーとなる.
YAMLが xx:yy の形式を60進数と解釈するため.
回避するにはポート番号を明示的に文字列で指定する.

SHORT SYNTAX

HOST:CONTAINER でホストとコンテナのポートを併記する.
HOSTが指定されなければ,ランダムなポートが割り振られる.

ports:
 - "3000"
 - "3000-3005"
 - "8000:8000"
 - "9090-9091:8080-8081"
 - "49100:22"
 - "127.0.0.1:8001:8001"
 - "127.0.0.1:5000-5010:5000-5010"
 - "6060:6060/udp"

LONG SYNTAX

short syntaxで表現しきれない追加設定を許可する.

  • target : コンテナ内のポート
  • published : 公開されているポート
  • protocol : 公開するポートのプロトコル(TCP/UDP)
  • mode :
    • host : 各ノードにホストのポートを公開する
    • ingress : swarm modeの入力でロードバランスされるポート
ports:
  - target: 80
    published: 8080
    protocol: tcp
    mode: host

注記

long syntaxは3.2以降から利用可能.

secrets

サービスごとの secrets 設定を用いて,機密へのアクセス権限を許可する.

注記

機密は最上位に既に存在しているか,定義しなければならない.

SHORT SYNTAX

short syntax形式の変数はsecret nameだけ指定できる.
これによりコンテナの機密にアクセスできる.
そして,コンテナ内に /run/secrets/<secret_name> としてマウントする.

指定元の名前とマウントポイントはどちらもsecret nameとなる.

Docker 1.13.1での制限

Docker 1.13.1のバグにより,短い構文を使用するとアクセス権000のsecretがマウントされる.
コマンドがルートユーザとして実行されない場合, short syntaxで定義されたsecretがコンテナ内で読み取れないことを意味する.

Docker 1.13.1でこの問題を回避するには short syntaxを使うこと.

LONG SYNTAX

long syntaxはサービスのタスクコンテナ内で,secretがどのように生成するかを詳細に与える.

  • source : dockerに存在するconfigの名前
  • target : サービスのタスクコンテナにマウントされるパス付きのファイル名.デフォルトは /<source>
  • uid , gid : サービスのタスクコンテナ内でマウントしたconfigのUIDまたはGIDを数字で表現する.デフォルトは 0 .Windowsではサポートしない.
  • mode : サービスタスクのコンテナ内でマウントするファイルのパーミッション.8進数で表現し,Linuxの権限設定に準ずる.デフォルトは 0444
    • Configは一時的なファイルシステムにマウントされるため,書き込みビットを立てても無視される.実行ビットはセットできる.

次の例は my_config を コンテナ内で redis_config として指定する例.

version: "3.3"
services:
  redis:
    image: redis:latest
    deploy:
      replicas: 1
    configs:
      - source: my_config
        target: /redis_config
        uid: '103'
        gid: '103'
        mode: 0440
configs:
  my_config:
    file: ./my_config.txt
  my_other_config:
    external: true

short syntaxとlong syntaxは混在することが可能.

cgroup_parent

コンテナへオプションの親cgroupを指定する.

cgroup_parent: m-executor-abcd

注記

version 3のswarm modeでは無視される.

container_name

コンテナ名を指定する。指定がない場合はデフォルト名が生成される。
次の例では my-web-container というコンテナ名になる。

container_name: my-web-container

コンテナ名を指定すると1コンテナしか起動できない。
これはコンテナ名は一意を保つ必要があるため。
複数起動をするとエラーになる。

注記

version 3のswarm modeでは無視される.

credential_spec

管理サービスアカウントの資格情報の設定。(Windowsのみ)
credential_specfile://<filename> または registry://<value-name> で記述する必要がある.

file を使う時,Dockerのデータディレクトリに CredentialSpecs ディレクトリを作って参照するファイルを置く.
データディレクトリのデフォルトは C:\ProgramData\Docker\ になる.

次の例は C:\ProgramData\Docker\CredentialSpecs\my-credential-spec.json に証明書を置いた例.

credential_spec:
  file: my-credential-spec.json

regisitry: を使うと,デーモンのホストのWindowsレジストリから証明書を読む.

credential_spec:
  registry: HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Virtualization\Containers\CredentialSpecs

注記

このオプションはv3.3で追加

deploy

デプロイと動作中のサービスに関連する設定を指定する.
このオプションは docker stack deploy の swarm に作用し, docker-compose updocker-compose run に無視される.

version: '3'
services:
  redis:
    image: redis:alpine
    deploy:
      replicas: 6
      update_config:
        parallelism: 2
        delay: 10s
      restart_policy:
        condition: on-failure

注記

version 3限定

ENDPOINT_MODE

swarmに繋がっている外部クライアントに向けてサービスディスカバリ方法を指定する.

  • endpoint_mode: vip

デフォルト値.DockerのサービスをVirtual IPに割り当てる.

  • endpoint_mode: dnsrr

DNSラウンドロビンを使う.

version: "3.3"

services:
  wordpress:
    image: wordpress
    ports:
      - 8080:80
    networks:
      - overlay
    deploy:
      mode: replicated
      replicas: 2
      endpoint_mode: vip

  mysql:
    image: mysql
    volumes:
       - db-data:/var/lib/mysql/data
    networks:
       - overlay
    deploy:
      mode: replicated
      replicas: 2
      endpoint_mode: dnsrr

volumes:
  db-data:

networks:
  overlay:

endpoint_mode のオプションはswarmモードのCLIコマンド docker service create でも動作する.
サービスディスカバリとネットワークの設定を更に学びたい場合は, Configure service discovery を参照すること.

注記

version 3.3限定

LABELS

サービスのラベルを指定する.これらのラベルはサービスの集合に対してのみ指定する.
サービスのコンテナに指定するものではない.

version: "3"
services:
  web:
    image: web
    deploy:
      labels:
        com.example.description: "This label will appear on the web service"

コンテナへのラベルの代わりに, deploy の外側でlabel を使用する.

version: "3"
services:
  web:
    image: web
    labels:
      com.example.description: "This label will appear on all containers for the web service"

参考

Compose file version 3 reference
Compose ファイル・リファレンス
docker-compose.ymlの命令を理解して、よりDockerを有効活用したい!
Docker Compose - docker-compose.yml リファレンス
コンテナの連結と操作 - Docker User Guide

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