どうも、かずきちです。
何やらエンジニア界隈ではいつの間にか有名人になっているようで。
◾️Qiita記事
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今回は「フリーランス」について、今一度「何が得なのか?」を考えたいと思います。
ここでは、法務観点も入れながら、法的にどうなのよ?っていうのも話していきます。
なんで、フリーランスになったの?
まず、人それぞれフリーランスになった理由は色々でしょう。
「お給料がいい」
とか。
(フリーランスになった時点で「お給料」という名目ではないけども)
「会社での上下関係など人間関係のしがらみがない」
とか。
「色々な会社、業態を知れる」
とか。
「腕(スキル)だけで判断してくれる」
とか。
「会社の歯車でいたくない。自分で経営をしたい」
とか。
まぁ、色々あるでしょう。
ですが、それは私から言わせると
「付随したメリットでしかない」
ということです。
3種類の契約形態
なぜ、そうなのか?というのは『契約』という観点で見ると色々と見えて来ます。
詳しくはうちの「ウェブカツ」というサービスでも解説していることですが、
会社ないし、個人事業が人を入れる場合、大きく3つの契約をして人を入れることができます。
それは、
1.労働契約
2.準委任契約
3.請負契約
この3つです。
さらに「1.労働契約」の場合には、
みなさんもご存知の
「正社員」
「契約社員」
「派遣社員(正しくは、派遣労働者)」
「アルバイト(正しくは、パートタイム労働者)」
といった契約形態がありますね。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/koyoukeitai.html
ちなみに「雇用契約」という言葉もありますが、法律上は異なるものです。
詳しくこういうのをググってみてください。
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-15381/
とどのつまり、人の一生に一度しかない人生の時間(=労力)を金で買う契約のことを「雇用契約」といい、
その中でも、「労働基準法」で守られている(ある程度しか実際は守られないけど)契約形態を「労働契約」といいます。
人材派遣などは「現代版の人身売買」と呼ばれるのも、そういったところからです。
訴訟と法律のお話
ちなみに「民法」というベースの法律で定められているのが「雇用契約」で、その中でも「労働基準法」で定められた契約のことを「労働契約」といいます。
法律では、「民法」という私たちの生活のベース
として取り決められている法律があり、その法律ではカバーしきれなかったり、アバウトすぎて細かく取り決めを決めている各種法律(商法、労働基準法、宅建業法などなど様々ある)があります。
なので、もし「訴訟」になった場合、その専門の法律(例えば労働基準法)で取り決めがされていないかが争点になり、取り決めがなければ「民法」を元にして争われることになります。
ちなみに僕は競売屋時代に何度も訴訟を扱っていますが、ホントに重箱の隅突くように契約書の「言い方」「言い間違い」を探し出して、「こう書いてあるってことは、こうも解釈できますよね?」って争い方をします。
フリーランスの契約形態は2つのみ!
で、話を戻して、
IT業界でフリーランスとしてやる場合、ほとんどの契約形態は大きく3つのうちの2と3だけです。
2.準委任契約
3.請負契約
この2つですね。
まず、この2つの場合、「1.労働契約」と大きく違う法律上の性質があります。
それは、
「労働基準法に守られない」
ということです。
労働基準法に守られているのであれば、
「何時間以上労働する場合は、昼休みは必ず取らせる必要がある」
とか
「解雇する場合は〜」
とか
色々な「決まり」があります。
それを雇用主(雇用する側)が守らなかった場合、訴訟すればほぼ勝てます。
また、労働基準監督署にチクれば、監査に入られたり、今後も目をつけられることになるので、雇用主側にとっては痛いわけです。
また、大手ともなれば、「訴訟を起こされた」という事実自体をとても嫌がります。
風評被害になるからです。
プロマネなど社員も自分の現場で訴訟を起こされたり監督署にチクられれば社内の印象も悪くなり、給与査定や出世コースにも響いてきますからね。
(僕は現場の会社のPMをこういった事で親会社のホールディングスまで出させて謝らせ、PMを左遷させた事があります)
ちなみに最後の方で話しますが、大手人材会社もめちゃくちゃ違法なことをしていて、エンジニアを搾取しているので要注意です。
まぁ、IT業界自体が実際は違法な事が結構横行していますが。
(ベテランのフリーランスはそういった現場は搾取されるだけでデメリットしかないので入りませんし、逆に法的にアウトな事を逆手にとって企業側と交渉して(というか、ほぼ「脅し」だけど)単金を吊り上げたり、自由に仕事してたりしてます)
準委任と請負の違い
あなたがフリーランスをやっている場合、この2つの契約の違いを説明できますか?
できなければ、プロとしてそもそも失格です。
なぜなら、「法律」はビジネスをする上での「ルール」だからです。
野球選手がルールを知らずにプレーしてるくらい「アホ」なことだと自覚してください。
(といっても、結構そういうエンジニアは多いですが、、、フリーランスといっても実態はただの会社員から抜け出せていないエンジニアが多いのが現状なので、私みたいな人たちが稼げるわけです)
フリーランスになった時点で「事業」です。
あなたがフリーランスの場合、「事業」として考え、動いていくのが絶対です。
(なのに「会社員」の考え方、動きしかできていないフリーランスはかなり多い)
ちなみに「業務委託(いわゆる、SESという契約)」という言葉は、法律上ありません。
結構勘違いしてるエンジニア多いんですが。。
業務委託契約も法律上は「準委任」か「請負」かのどっちかになります。
では、何が違うのかというとこんなところが違います。
準委任契約
成果物:求められない
対価:時間(労働力)
損害賠償:善管注意義務のみ
瑕疵担保:なし
報告義務:あり
契約解除:お互いいつでもできる
印紙:いらない
請負契約
成果物:求められる
対価:仕事の完成
損害賠償:善管注意義務以外にも、成果物が納品されなかった場合などでも損害賠償。
瑕疵担保:あり
報告義務:なし
契約解除:受注側はできない。注文者は受注側の損害を賠償して解除できる。
印紙:いる
準委任契約
成果物、対価
まず、準委任契約は、「成果物」を求められません。
あくまで、法律上は労力(要は自分の時間)を対価として支払います。
なので、「アルバイト」に近いです。(でも、労働基準法に守られない)
元は「委任契約」という弁護士など士業へ仕事を依頼する時の契約規定なんですが、それ以外の仕事を依頼する時は「準委任契約」という形になります。
何時〜何時まで現場で働いている人は「準委任契約」の可能性が高いです。
8時間働けば、その分「必ず」金がもらえます。客から払われなければ訴訟してください。必ず勝てます。
準委任契約は、あくまで「労力」という時間を提供して対価をもらう契約です。
なので、変な話、あなたが開発しているものを完成させなくても金はもらえるんです。(といっても、そんなことばっかしてたら次から契約切られますが)
損害賠償
そして、もしあなたが開発を途中までしか完成させられなかったり、期限までに仕上げられなかったりしても、あなたに責はありません。
あくまで、雇った側の責任です。
(結構、エンジニアでも自分責める人いるんですけど責任ありませんから開き直ってくださいね)
なので、そこに対して損害賠償を請求されることはありません。
ただし、法律用語でよく出てきますが、「善管注意義務」といって、基本的に「普通は気をつけるよね??それ?」っていう部分を怠っていた場合は、損害賠償されても文句はいえません。
例えば、「めっちゃ休みまくってる」とかはアウトです。(といっても、訴訟になった場合、「休み過ぎ」とはどの程度なのか?が争点になるので、一般の他の現場やエンジニアなどに照らし合わせて判断されます)
瑕疵担保責任
瑕疵担保責任というのは、エンジニアでいえば「バグ」があった場合に「改修しなければいけない」という責任のことです。
準委任契約の場合は、瑕疵担保責任はありません。
なので、バグが見つかっても夜中遅くまで残って作業する必要もありません。
鼻くそほじりながら「知らねーっす」って言ってさっさと帰ってください。
報告義務
準委任契約は、色々な責任がない分、「報告」が求められます。
なので、客から求められたら進捗を報告する義務があります。
契約解除
契約が3ヶ月だったとしましょう。
その間にもし客が「お前いらね」って言われれば、素直に引き下がるしかありません。
逆にあなたが「こんな現場やってられっか!」と思えばすぐ契約を解除できます。
※とはいえ、いきなり解除となるとお互いびっくりしちゃうので、大抵の場合、1ヶ月前でないと解除できないとかって条文がついてます
印紙
契約書には印紙はいりません。
請負契約
成果物、対価
請負契約の場合、「成果物」が求められます。
開発をきちんと完了しなければ金はもらえない。という契約です。
建築など家を建てる業務を任せる場合や大きなプロジェクトを任せる場合はこういった契約がほとんどです。
損害賠償
請負は損害賠償もきついです。
仕事をきちんと完成させなければ、損害賠償されても文句はいえません。
といっても、仕様変更があって見積もりの期限に間に合わない。とか相手のせいの場合は別です。
なので、相手から当初の依頼から変更要望があった場合は、期限に間に合わせるために遅くまで頑張るのではなく、
期限を伸ばしてもらう。
その分金をもらう。
のがビジネスとして当たり前です。
瑕疵担保責任
請負は仕事の完成に責任をもつ契約です。
なので、バグが出た場合は速やかに対応する必要があります。
対応しなければ損害賠償請求されても文句いえません。
報告義務
請負は報告義務はありません。
仕事の完成を提供して対価を得る契約なので、ぶっちゃけ「その間のこと」はどうでもいいんです。
自由です。
ちゃんと納期に開発を終わらせれば、現場に来る必要もなければ、進捗を報告する必要もありません。
よく請負契約なのに「お前会社員かよ」っていうくらい、毎日出社して朝会で進捗報告している奴がいますが、僕から言わせれば「アホ」です。(マネジメント側とかなら別ですが。)
そういうフリーランスは事業として絶対に発展(売り上げ拡大)できません。
契約解除
基本、終わるまでできません。
客が「やめたい」っていったら損害賠償請求してください。
印紙
成果物が求められるものは「課税文書」に該当するので、契約書には印紙が必要です。
民法改正で準委任も請負ちっくに
請負と準委任で大きく違うのはは成果物に責任を追うかどうかってことです。
しかし、最近民法改正で準委任でも請負のように「仕事が完成」して初めて金がもらえる契約ができるようにもなりました。といっても、請負のように「完成が法的な義務」となるわけでなく、「善管注意義務」さえ果たして気をつけた上で「完成しなかった」のであれば請求できるので、請負の「完成義務」とは違うものです。
(瑕疵担保など他は準委任だけども金がもらえる要件が違う)
http://topcourt-law.com/internet_security/civil_code_reform
契約とは「お願い」「いいよ」で決まる
どの契約かは「契約書」に明記している場合もあれば、ただ「業務委託」といったあいまいな契約名になっている場合があります。
どちらにしても、契約というのは「実態」で決まる。
なぜなら、「契約書」で「契約が成立」しているわけではないからです。
民法で「契約」についてのベースが定められていて、
例えばお店で
「これ買いたいんだけど?」
「いいですよ」
と言った瞬間に
「契約が成立」
しています。「口約束」で契約は成立します。
成立してからの「待った!」はなしです。(細かくは「錯誤(勘違い)」とかで契約は無効だとかって言うこともできますが)
なので、弁護士は絶対に安易に答えたり言葉を発しません。
あくまで、「契約書」というのは「こういった契約をしていたんだ」というトラブルになった時に「お互いや第三者がわかるように明文化するためのもの(証拠として残しておくもの)」でしかありません。
なので、例えば現場常駐で契約する際や更新をする際に相手から「来月から大丈夫っすか?」というメールがきて「おっけーっす」って返信した時点で契約は成立しています。
たとえ契約書に印鑑を押してなくても、訴訟になればメールで「契約成立している」という証拠になります。
ちなみに昔いた現場のPM社員が、メールで既に契約更新が決まったあとに「契約やっぱ短くしたい。まだ契約書に印は押してないから契約更新はしていない。」という話をしてきたことがあります。マネジメントの立場なのに法律も知らないんかい。。。って思いましたが、こういったプロマネや社員は実際に多くいます。
なので、あくまで契約というのは「契約書」で決まるのでなく「その実態(実際)」で決まっていきます。
契約は自由
請負と準委任の違いをみましたが、民法では「契約自由の原則」というものがあって、「公共良俗に反しない」範囲であればどんな契約も「有効」になります。
なので「この仕事が失敗したら殺されます」といった契約は「無効」ですが、
「請負契約だけど一定以上の時間働かなければその分お金を減らします。とか、準委任でも「損害賠償あります。」「瑕疵担保あります。」「時間拘束なく自由にしていいです。」とかとか自由にできるわけです。
あなたの契約は準委任?請負?それとも?
では、あなたの契約は準委任でしょうか?請負でしょうか?
成果物が求められていますか?損害賠償や瑕疵担保はどうでしょうか?報告義務ありますか?
契約書に「請負」か「準委任」の明記はありますか?
なければ、実態で判断するしかありませんね。
訴訟になれば、どちらの契約なのか、契約内容・取り決めは何か、証拠を掻き集めなきゃいけませんね。
え?
毎日10時〜19時に来て、朝礼やって報告求めれてる?
え?
出退勤の報告してて、時間管理されてる?
え?
プロパー(社員)から指示受けてる?
それ、
「偽装請負」ですね。
え?
間にエージェントが入っている?
それ、
「二重派遣(多重派遣)」です。
「偽装請負」「二重派遣(多重派遣)」はグレーではなく、真っ黒(違法)です
偽装請負というのは、「形式的には請負の名目で、請負事業者が注文者との間で契約を締結し、自己の従業員を注文者の事業場等において労働に当らせるものの、実際には請負事業者が自ら当該従業員を指揮命令することはなく、注文者の指揮命令の下で労働に従事させること」をいいます。
人に仕事を任せるには「労働契約」「準委任」「請負」の3つですが、
「労働契約」は発注者が受注者へ「指揮・命令」します。
しかし、「準委任」「請負」の場合は発注者は受注者へ「指揮・命令」しちゃいけません。
よく、「グレーだから」と言う人がいるんですが、「グレー」じゃないですよ。
「真っ黒(アウト)」
ですからね。
また、間にエージェントが入っていたり、自分の会社から現場に派遣されている場合、契約は当然
「そのエージェントや自分が所属する会社」
としています。
それなのに常駐先の現場(客先)の社員に指示をされていたり、注意されたり、報告したり、勤怠をメールしていたり。
というのは
「二重派遣(多重派遣)」です。
完全に違法行為なので、通報してやれば「アウト」です。
ちなみにエージェントは自分たちだけ甘い汁だけ吸っている体たらくな会社がほとんどなので、気づいたエンジニアはどんどん潰していってください。
もしくは、他のエンジニアが餌食にならないためにも
ダメなエージェントや現場の会社をこの記事のコメントにでも会社名晒しといてください。
グッドウィルなど当時おそらく最大手?だった人材派遣会社もこういったことで潰れていきましたから。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E9%87%8D%E6%B4%BE%E9%81%A3
また他にも、「労働契約」があなたと客先とで成立している可能性があります。(黙示の労働契約)
ちなみに労働契約が成立するには
「単金が他社員に比べて高額でないこと(よほど高額な単金もらっていない限り大丈夫)」
「指揮・命令を受けていること」
「作業場所が指定されているか(実際そこの場所でなければ作業できない場合も「指定」に入る)」
「報告義務があるか」
など複数のものを鑑みて判断されます。
結構な現場でこういったことが行われています。
「あ、これ自分の場合もそうだわ」と思ったら労働局へ速攻で問い合わせてみましょう。
(と、その前にメールやらslackやら現場の状況写真撮ったり、スケジュールキャプチャしたり、会話録音したり。証拠はある程度揃えておきましょう。客側も隠滅してくる可能性があります。)
最初は、事実確認の上で、管理職の人や上部のホールディングスの人なりが謝りに来るでしょう。
そうなれば、単金もろもろ交渉しましょう。
交渉で上に立てる時がチャンスです。
https://axia.co.jp/2017-05-06
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken/001.html
http://www.nearshore.or.jp/report-itgisou/
http://myblackit.net/gisouukeoi
https://bizhint.jp/keyword/130994
https://www.shinwart.co.jp/tech-column/column08/012/
委託が「リーダー」をやっているなら偽装請負です
現場に何人もの請負や準委任など委託エンジニアが集まっている場合でよくあるのが、リーダー(客先から権限を与えられていなくても、実質リーダー的な業務をしていれば、リーダーです。)を委託の人がやっている場合、その人の指示の元あなたが動かざる終えなければ立派な「偽装請負」です。
なぜなら、あなたが委託で入ったエンジニアだった場合、「自分が所属する会社」の指示しか受け付けないからです。
横から他の会社の人がちゃちゃ入れてきて、指揮・命令しているというのは立派な偽装請負になります。
ここの会社の話が法律初心者には分かりやすいです→https://axia.co.jp/2017-08-01
委託間で「工数見積もり」を「レビュー」しているなら、偽装請負です
これもよくあるのが、委託のエンジニア間であるタスクや案件に対して「工数見積もり」を行い、その見積もりに対して「レビュー」を行なっているケース。
え?何がいけないの?
と思ったフリーランスのあなたはまだまだ会社員脳です。
よく考えてください。
事業主or会社(あなた) が出した見積もり(この工数=この金額であればその仕事は請け負いますよ)
というものに対して、
客でもない全く関係のない第三者の会社(他の委託のエンジニア)
が、
「この金額でやってください」
と言っている。
ということです。
事業で考えた場合、ありえません。
「お前誰だよ!」
ってことなんです。
フリーランスは「事業」です。
事業は売上や利益を上げる活動をします。
そのために
「この工数でこの金額もらえるなら、うちの利益として成り立つ」
と考えて「見積もり」を出しているのです。
そこに対して、客でもない全くの別の会社が口を出してきて「もっと安い金でやってくれ。できるだろ。」
というのは
全くもってありえない話
です。
そういった現場にさせている客先というのは完全に偽装請負でアウトです。
(わかっていて黙認し委託を会社員として働かせている会社がほとんどですが。)
で、結局何が間違っているの??
ここまで、法律や実態について話をしていきました。
そして、「フリーランス」になった時点で「事業」だ。ということもわかったでしょう。
そして、「事業」
としては、「売上」「利益」
を上げて成長していく
のが使命です。
まぁ、そう考えずにのらりくらり仕事をするのも悪いとは言いませんが、
あくまでベースは「事業」である。ってことです。
そして、事業なので、何かを「販売」
して、その対価
として「お金」
を得て成長していきます。
エンジニアの場合、基本的に「商品」
というのは「自分」
です。
歯医者や医者などと同じです。
「原価」というのはほぼ「皆無」で(またあとで話しますが、厳密にはあります)、提供するもの
というのは「技術」
でしょう。
エンジニア技術、マネジメント技術、コミュニケーション技術、教える技術、先を見て動く技術、業界知識、今までの経験
などなど。
実際はエンジニア技術だけでなく、様々な技術を客へ「販売」しているわけです。
時間が商品
でも、フリーランスということは、大抵の場合は「1人」でやっているでしょう。
建設業界では、「一人親方」なんて言い方をします。
個人事業主で自分1人。法人で役員の自分1人。(嫁などを役員や従業員にしている場合もあるが)
こういった場合、「自分」だけが「労働力」となります。
「商品」を作るのにも必ず「労働力」がいります。
「労働力」とはつまり、人の一生に一度しかない人生の「時間」です。
(ちなみに昔あった映画「TIME」では、金持ちが貧乏人の「人生の時間」を得て「長生き」する世界。というのが描かれていて、風刺的でビジネスの根本を表しているんですが、ビジネスの根本が分からない人はただ「面白かった」で終わってしまう映画)
要は「商品」を販売するには「作る」必要があり、「作る」には「労働力」が必要で、
その労働力は
「自分の一度しかない人生の時間」
だ。
ということです。
それを「事業」として「販売」をして「利益」を得ているのです。
でも、「時間」を販売している以上、そこには限界があります。
なぜなら、
人の時間はみな平等に1日24時間
だから。
時間の限界のおはなし
時間を売る場合、限界があります。
それは、
1日24時間まで。
ってことです。
あなたの時給は1日いくらですか?
アルバイトなら、大体950円くらいでしょうか?
(僕が高校の頃は750円とかだったので、結構平均時給が上がっているんだなと感じます)
フリーランスのエンジニアであれば、大体時給4500円前後って人が多いでしょうか。
では、時給4000円だと仮定して、
どれくらい働けるでしょうか?
基本1日8時間ですね。
週5であれば、1ヶ月は約20日です。
じゃあ、1ヶ月の収入は?
4000円 × 8時間 × 20日
で、
72万円
ですね。
実際にはこれに消費税8%分がプラスでもらえます。2年前の売上が1000万超えてなければ非課税業者となり、消費税払わなくていいので、大抵のフリーランスは丸々消費税分が国に払わずにもらえます。
あなたなら、この金額もらえたらどう思いますか?
いい収入だと思いますか?
そう思ったのなら、フリーランス初心者です。
フリーランスという甘い罠
72万円もらえるんならフリーランスめっちゃ美味しいじゃん!
って思ったそこのあなた。
めっちゃ騙されてますよ。。。
もちろん、今20万しかもらってません。。。
って人は、今すぐにでもフリーランスになってくださいw
確実に稼げますから。
しかし、今正社員で600万前後もらってます。
って人なんであれば、ちょっと待ってください。
月72万です。
年間にしたら、約900万くらい。
まんまもらえませんからね??
フリーランスであれば、個人事業主です。
税金もろもろかかってきます。
私の場合は売上がそれなりにあるので法人2社立てて分散していますが、そうでないなら脱税でもしない限りはモロに税金払うハメになります。
所得税や住民税、国民年金に国民健康保険といった社会保険料です。
税金引かれて手元に残るのは
せいぜい700万〜800万ていど。
まぁ、いろいろな出費が経費になるのはメリットでしょう。
いや、全然いいじゃん!
と思ったあなた。
甘い。
例えば、700万だとしましょう。
実際に使えるお金が。
でも、その分将来の保障は何もありません。
会社は守ってくれません。事業が下火になってくれば、フリーランスから契約が切られます。
次に仕事をくれる約束もありません。
(客から、「次はこれ頼むからさ。」って約束してくれても、絶対に信じないでくださいね。将来なんて誰にもわかりません。)
事故でもしたらどうしますか?病気になったら?
収入はどうなりますか?
厚生年金ではないので、将来の年金もスズメの涙です。
正社員で厚生年金であれば、税金の半分は負担してくれます。
しかも、「将来年金もらえる分は、会社が負担してくれた保険料の分も含め」です。
出張や交通費は?うん十万もする研修費用は?
フリーランスは自己負担です。
「経費になる」とはいっても、会社員の「経費になる」とは全く違います。
結局は「自分の使える金」が減ります。
会社員は完全に自分が金を払う必要はありません。
大手などの正社員しか知ることのできない色々な業界知識や知見、経験といったものもフリーランスでは得られません。
そういった部分もかんがみて、さっきの収入から割りもどしてもう1度考えて見てください。
年700万の収入
高いですか?安いですか?
続篇はコチラ
#P.S.
細かい法律の解釈まで気になって仕方がないって人は条文載せといてください。
ただし、「誰に対しての記事なのか」を理解しましょう。
条文載せて理解できる人ばかりなら、「条文読め」でいいので。