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はじめてのgdb

Last updated at Posted at 2017-01-29

linux環境でC言語のデバッグを行う方にむけて、gdbの使い方を説明します。
初心者向けです。

gdbとは

デバッガです。ブレークポイントを張ったり、ステップ実行したり、
変数の中身を覗いたり、書き換えたり...そういうことが出来ます。
gccと同様、linuxには標準でインストールされています。

昔からあるツールであり、コマンドラインでの操作を行います。
IDEのデバッガがどうしても使えない環境でのデバッグに役立ちます。

メリット、デメリット

メリット:
・たいていのlinux環境で使える
・実行中のプログラムにattachしてデバッグ可能

デメリット:
・GUI画面がない。コマンドを覚える必要がある

使い方1:gdbから直接起動

①ソースファイルを、デバッグ可能な方式でコンパイルする
gcc -g3 test.c
→a.outが生成
※-g3とするとマクロの展開が可能となります。

②生成したオブジェクトファイルをgdbコマンドから実行
gdb a.out
→以後、gdbよりコマンドの入力を求められる
※この状態では、プログラムは実行されません。

③実行前にブレークポイントを設定
b test.c:256 # test.cの256行目にブレークを張る
b main # 関数main先頭にブレークを張る

④実行
run
※引数つきで実行したい場合は、run aaa bbb ccc と実行。

使い方2:既に稼動しているプログラムをデバッグ

①デバッグしたいプログラムのプロセスID(PID)を確認
ps -ef | grep a.out
※一番左端のフィールドに出てくる数字がPID

②attachする
gdb #引数無しで実行
attach 12345(↑で確認したpid)
※gdb attach $(pgrep a.out) とすれば、①、②を一行で実施できます。

以後、gdbを使ってブレークポイントを貼ったり変数を覗いたり出来ます。
プロセスを変えたいときはdetachしてから別のプロセスをアタッチできます。

コマンド集

主要なコマンドを紹介します。
すべて省略系で書いています。(ex. break -> b)

・ブレーク関連

コマンド 効果
b func1 関数func1にブレークポイントを貼る
b test.c:123 test.cの123行目にブレークポイントを貼る
w var1 変数var1にウォッチポイントを設定
i b ブレークポイント一覧を表示
d no 番号に対応するブレークポイントを削除

・実行関連

コマンド 効果
n ステップ実行(1行ずつ実行/関数は飛ばす)
s ステップ実行(1行ずつ実行/関数の中に入る)
c 次のブレークポイントまで処理を実行
f 現在の関数を抜けるまで処理を実行
u 現在のループを抜けるまで処理を実行
ret -1 現在の関数を戻り値-1として強制的に抜ける ※以降の処理は実行されない

・参照

コマンド 効果
p var1 変数var1の値を見る
(構造体ならa.bでメンバ変数を参照可能。ポインタなら*fpなどで中身を見れる。p strlen(buf)、p buf[3]、p a->bなど結構柔軟に見れます)
bt バックトレース(現在の関数が呼び出されるまでの経路)を表示
l ソースコードを表示
info macro マクロ名 マクロの定義を確認
i lo ローカル変数を全部見る

・値の書き換え

コマンド 効果
p var1=-1 変数var1の値を-1に変更

その他TIPS

  • bash等で使用しているショートカットを使用可能です。
    (例:Ctrl+aでカーソルを行頭に移動。参考: readlineの使い方)
    また、Tabキーによる変数名やgdb内コマンドの補完もしてくれます。
    (古い環境だとできないこともあります)

  • set print elements 0を実行するとメモリや構造体の全情報を表示してくれます。
    (サイズの大きい配列や構造体は、デフォルトだと途中までしか表示されません)

  • Ctrl-xを押した後、1または2を押すとTUIモードに移行します。
    画面が2分割され、ソースコードを見ながら上記コマンドを実行できるようになります。
    http://d.hatena.ne.jp/murase_syuka/20150912/1442021005

  • 子プロセスを生むプログラムの場合、以下のコマンドで子プロセスのデバッグが可能になります。
    set follow-fork-mode child

より詳細な情報

http://flex.phys.tohoku.ac.jp/texi/gdb-j/gdb-j_toc.html
http://sourceware.org/gdb/current/onlinedocs/gdb/

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