※この記事はモチベーションクラウドシリーズのアドベントカレンダー2020 21日目の記事になります。
はじめに
約半年間モチベーションクラウドの開発チームにて、1チームのプロジェクトマネジャーを担ってきました。
年次の若いメンバーが多いため、彼らの成長がプロジェクト成功へのカギとなります。
そんな若手エンジニアがより早く成長し、楽しく、そして幸せに働けるようになるにはどうすればよいのか、に向き合ってチームマネジメントを行ってきました。
そんな中感じてきた、プロジェクトマネジャー目線での、安心できる若手エンジニアの特徴について、紹介したいと思います。
プロダクト開発に携わる若手エンジニアの方や、プロジェクトマネジメントを行う方のご参考になればと思います。
プロジェクトマネジャーの心配事
プロジェクトマネジャーとして、
チームのプロジェクトを、期限内に完遂させる
ことを前提とし、全体のスケジューリングや、個々メンバーへのタスク依頼をしています。
そのため、ベテランから若手と、技術力に一定の差が存在するメンバーがチーム内に存在する場合、より不確実性・難易度の高いタスクをベテランに、より難易度が低く作業ベースになるタスクを若手に割り振るケースもありました。
どんな仕事にも価値があるという前提はありつつも、研修が終わり、ついにプロダクトの実装ができると意気揚々と配属された若手メンバーは少しガッカリする場面も見受けられます。
そんな中で、プロジェクトマネジャーとしては、
- プロジェクトが期限内に完遂するか
はもちろんのこと
- メンバーがちゃんと意義を感じて働けているのだろうか
- メンバーがちゃんと成長を実感できているのだろうか
- メンバーがあまりに苦しんでいないだろうか
とメンバーの状態に関しての心配事が絶えないのが本音です。
聖人ぶっているだけのように聞こえるかと思いますが、これまで関わってきたプロジェクトマネジャーの方やエンジニアリングマネジャーの方などと話していると、やはり、人想いの方が多く、同様の心配をされていました。
不安にならない若手エンジニアの特徴
メンバーに対しての心配事が絶えないプロジェクトマネジャーですが、安心する若手エンジニアの立ち振る舞いには一定の特徴があることがわかりました。
- 自分の仕事を修羅場にする
- 一人で抱え込まずに適切に相談ができている
- 日々の業務でワクワクできている
それぞれの内容について、具体的な言動も交えつつ紹介したいと思います。
1. 自分の仕事を修羅場にする
前提として、人が最も成長する機会は、どうしようもないほどの修羅場に存在することが多いと思います。
少年漫画ではよくあるシーンですが、今の自分では絶対に勝てない敵や壁にぶち当たった時、人は爆発的に成長します。
そんな環境に自ら身を投じられる姿を見ると、成長実感湧いているだろうな、と安心します。
具体的には、
- 不確実性が低いタスクは、前倒しの期日を宣言し、どうしたら早く終わるかを考え続けている
- 一つ難易度の高い役割を任せて欲しいと依頼をくれる
です。
もちろん、プロジェクトの期待値通り、あるいはそれ以上の完遂が必要になるため、見積もりと個々人のスキルセットに合わせたスケジューリングをします。
その中でも、周囲のメンバーに対して、より早いスピードでの達成を自らのコミットメントとして宣言をし、どうしたら達成できるか思考することを、成長する若手エンジニアはやっていました。
経験が少ないうちは、プロジェクトマネジャーとしてはリスクを負いたくないため、より長くスケジュールを設定してしまいます。ただ、より早く実装するために他の手段はないか、と思考がない限り、成長角度は上がらないので、自ら環境を作れる若手は成長していました。
また、役割に関しても、同様のことが言えます。
プロジェクトマネージャーから依頼された不確実性の低いタスクを早く終わらせ、空いた時間で役割範囲を広げる難易度の高いタスクをください、と宣言するメンバーは早く成長していました。
2. 一人で抱え込まずに適切に相談ができている
修羅場に身を投じて欲しいと書きましたが、若手は代替できる方法も、スキルセットも持ち合わせていない状況が多分にあり、一人で抱え込み悩んでいる間は先も見えず苦しい時間が続くと思います。
したがって、相談できる関係性を周囲と作り、悩んだら即相談できている状態を見ると安心します。
具体的には、
- チームメンバーと積極的にランチや飲み会に行っている(前提、今は新型コロナウイルスの影響で難しいですが・・・)
- 10分悩んだら相談する、というルールを作り実行している
です。
やはり、相談できるかどうかは周囲との関係性に大きく左右されるという印象があります。苦手な方も少ならからずいるとは思いますが、ランチや飲み会など、業務と離れたところでのコミュニケーションによって関係構築できているメンバーは、相談へのメンタルブロックもなくなっていました。
また、相談するまでの時間にリミットをつけるのがすごく効果的でした。もちろん自身の技術力に合わせて時間の幅はつける必要がありますが、悩み続けても答えは出ないことが多いので、時間を区切って相談してしまう方が、有効で大切です。
さらに、時間を区切って相談するというルールを周囲のメンバーにあらかじめ共有しておくことで、さらに相談へのハードルが下がっていました。
3. 日々の業務でワクワクできている
やはり、一番楽しく仕事ができている状態は、いつでもワクワクできている状態なのかなと思っています。
日々のタスクに追われ、わからないことに悩まされていても、どこかでワクワクしながら仕事ができているメンバーはやっぱり強いです。
具体的には、
- 今やっている業務を自身のキャリアと接続できている
- 顧客への提供価値を理解して自らの仕事につなげられている
ワクワクする観点は人によって違うため、上記以外にもありえますが、私の周りには、この2つの観点が多いように思います。
例えば、身近にいるベテランエンジニアを参考に、目の前の業務を自分のなりたい姿実現にむけたステップとしてとらえられている。
また、テストを実施する際には、その後の実装を見据えて、ドメインに詳しくなる、テスト観点を学べている。
このように、安心できるメンバーは、仕事の捉え方を工夫し、ワクワクしていることが多いです。
また、目の前の仕事がどんな顧客価値につながっているのかを意識できているかどうかによっても差があります。
例えば、バグ改修であれば、実際にどのようなユーザーの困りごとを解消しているのか認識する。
テストであれば、クオリティによってユーザーのエンゲージメントがどれだけ変わるかを意識する。
顧客への価値提供と仕事をつなげることで、ワクワクしていることも多いです。
まとめ
プロジェクトマネジャーして安心できる若手エンジニアの特徴として書いてきましたが、結局は、自身の成長や価値提供に向き合って仕事をできているかどうか、につきます。
したがって三つの特徴もそれぞれ**WILL(やりたい!)・CAN(できそう!)・MUST(やらなきゃ!)**に紐づいており、それらを充足させながら仕事をできているかどうか、が特に若手の成長角度を決めてくると感じました。
WILL:日々の業務でワクワクできている
CAN:一人で抱え込まずに適切に相談ができている
MUST:自分の仕事を修羅場にする
エンジニアに限らず、上記はより楽しく、成長しながら仕事をするための、自身への問いかけとして活用できると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
最後に
安心できる若手エンジニアの特徴として書いておりましたが、前提として、メンバーのWILL・CAN・MUSTを満たし続けることが、プロジェクトマネージャーの責務だと考えています。この3つの観点は、その責務を果たせているのかをチェックする、自分自身への問いとしても使っています。
新たな観点などありましたら、ぜひコメントよろしくお願いします!