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wsl2でsshサーバを起動し、外部からそこに接続

Last updated at Posted at 2019-07-03

やりたいこと

以下のような構成のLANで、Host2からwsl2にssh接続する。
lan.png

wsl2ではネットワーク構成が変更された

wsl1では良くも悪くもWindowsとLinuxが混ざり合っていました。
wsl1ではWindowsとLinuxが同じネットワークインターフェースを参照していました。
wsl1.png

そのため、例えばwsl1のポート22でsshサーバを起動し、そこにHost2から接続したい場合、Host2はWindowsのポート22に接続するだけで、wsl1のsshサーバに接続できました。 

wsl2の場合、LinuxはWindowsと仮想ネットワークで接続された別ホストとして扱われます。
wsl2.png

そのため、Host2からWindowsのポート22に接続しても、wsl2のsshサーバに接続することはできません。
そこで、Windowsのポート22からwsl2のポート22に対してポートフォワーディングを行う必要があります。

ssh サービスの起動 (wsl2)

wsl2 で以下を実行

sudo service ssh restart

ポートフォワーディング設定 (cmd)

以下のコマンドで、Windows(listenaddress)のポート22(listenport)に来たパケットをwsl2(connectaddress)のポート22(connectport)に転送する設定が行えます。
(実行するには管理者権限が必要)

> netsh.exe interface portproxy add v4tov4 listenaddress=localhost listenport=22 connectaddress=[ip_addr_of_wsl2] connectport=22

例: Windowsのポート22に来たパケットをwsl2のポート22に転送 (listenaddress, connectportは省略)

> netsh.exe interface portproxy add v4tov4 listenport=22 connectaddress=192.168.100.200

ポートフォワーディングを動作させるためには、IP Helper サービスを起動する必要があります。

> sc.exe config iphlpsvc start=auto # ブート時の自動起動設定
> sc.exe start  iphlpsvc            # サービスの起動

以上のコマンドを発行した時点で、ポートフォワーディングが有効になります(再起動不要)。
Windoswのファイアウォールやwsl2のsshサーバの設定が適切であれば、Host2からssh接続が可能となります。

設定確認

> netsh.exe interface portproxy show v4tov4
Listen on ipv4:             Connect to ipv4:

Address         Port        Address         Port
--------------- ----------  --------------- ----------
*               22          192.168.100.200  22

(左から listenaddress, listenport, connectaddress, connectport)

設定削除

> netsh.exe interface portproxy delete v4tov4 listenport=22

(listenport=22 connectaddress=192.168.100.200 connectport=22 のように絞り込んでも良い)

自動化

Windowsの起動時にポートフォワーディングの設定を自動的に行う方法を示します。

wsl2からnetsh.exeを叩き、ポートフォワーディングの設定を行うport_forwarding_22.shを以下に示します。

/opt/bin/port_forwarding_22.sh
#!/bin/bash

IP=$(ifconfig eth0 | grep 'inet ' | awk '{print $2}')

netsh.exe interface portproxy delete v4tov4 listenport=22
netsh.exe interface portproxy add    v4tov4 listenport=22 connectaddress=$IP

sc.exe config iphlpsvc start=auto
sc.exe start  iphlpsvc

ポートフォワーディングの設定には、wsl2のIPアドレスが必要となります。
そのため、設定はwsl2側から行います。
(コメント欄で、Windowsから設定を行う方法が紹介されています)
また、wsl2のIPアドレスはWindowsが再起動するたびに変化するので、ポートフォワーディングの設定を行う前に、古い設定を削除する必要があります。

Windows側からport_forwarding_22.shをwsl2上で実行させるport_forwarding_22.batを以下に示します。

port_forwarding_22.bat
wsl --exec bash /opt/bin/port_forwarding_22.sh

rem ディストリビューションを指定する場合の例
rem wsl -d Ubuntu-18.04 --exec bash /opt/bin/port_forwarding_22.sh 

このスクリプトを、タスクスケジューラでログオン時に自動起動するように設定すれば完了です。
注意点としては、タスクのプロパティにおいて、
General -> Security options -> Run with highest privileges
にチェックを入れる必要があります。

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