こんにちは、UIUXデザイナーの @j-skt です。
今年も残すところわずかとなりました。
最終営業日が近づくにつれてあれもこれもと慌ただしい日が続きますね。
今日はサンタクロースで考える UI(User Interface)/ UX(User eXperience)デザインのお話です。
12月になると街はイルミネーションで飾られキラキラとしたおきまりのクリスマス風景。商業主義にあおられ大人がケーキやプレゼントを探している一方で、子どもたちからは「サンタクロースは、本当にいるの?」って会話が聞こえてきます。
うちには小学生になる前の娘がいるのですが「今年はサンタクロースに手紙を書く!」と張り切っています。直接会えないけれど、彼女なりに一年に一度のサンクロースの訪問を楽しみにしているようです。
サンタクロースの存在を子どもに話すか話さないかは各家庭によるところですが、うちの娘にはできるだけ長い間信じていて欲しいなと思っています。
では、なぜそうして欲しいのか?
長いこと自分の中で言語化できない問いでした。
そんな時に偶然出会ったのが松岡 亨子さんのエッセイです(こちら抜粋です)。
子どもたちは、遅かれ早かれ、サンタクロースが本当は誰かを知る。知ってしまえば、そのこと事態は他愛のないこととして片付けられてしまうだろう。しかし、幼い日に、心からサンタクロースの存在を信じることは、その人の中に、信じるという能力を養う。私たちは、サンタクロースその人の重要さのためだけでなく、サンタクロースが、子どもの心に働きかけて生み出すこの能力ゆえに、サンタクロースをもっと大事にしなければいけない。
心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中に、サンタクロースを収容する空間を作り上げている。サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へ出て行ってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人を、ここに迎え入れることができる。
この空間、この収容能力、つまり目に見えないものを信じるという心の働きが、人間の精神生活のあらゆる面で、どんなに重要かはいうまでもない。のちに、いちばん崇高なものを宿すかもしれぬ心の場所が、実は幼い日にサンタクロースを住まわせることによって作られるのだ。
サンクロースの部屋 子どもと本をめぐって
松岡 亨子
初めてこの一説を読んだ時、これだ!っと強い共感を持ったのと同時に、私が幼い頃に「サンタさんは、サンタさんのことを信じている子どものところに来てくれるんだよ!」と言い聞かせてくれた両親に感謝したことを覚えています。
子どもにとってクリスマスのケーキやプレゼントは UI(User Interface)であり(極論)何でもよくて、本質的な UX(User eXperience)を形作るのは「空想の世界にいるサンタクロースを住まわす心の空間 = 目に見えないものを信じる力」なのだと思います。
今年のクリスマスイブの夜、娘と一緒に、プレゼントを届けてくれるサンタクロースのために温かいココアとチョコレート、それに手紙を添えて。。「サンタさんココア喜んでくれるかな?」「サンタさん手紙読んでくれるかな?」なんて話をしながら眠りにつくのが楽しみです