Stylez Advent Calendar 2021の9日目です。
はじめに
Alter LinuxというLinuxディストリビューションを紹介したいと思います。
僕は仕事ではWindowsを使用していますが、プライベートでは昔からLinuxをメインで使用しています。
今年になってAlter Linuxが正式リリースされ、使ってみたらとても良かったので紹介しようと思った次第です。
なお、細かいインストール手順とかは先人の方々の記事で出てたりするし、そこまで難しいものではないのでこの記事では多くは語ってません。
Alter LinuxやベースとなるArch Linuxの良さを中心にお伝えできれば。
Alter Linux とは
Alter LinuxはFascodeNetworkという日本の学生デベロッパー団体によって開発された国産Linuxディストリビューションです。
Arch Linuxというディストリビューションをベースにした派生Linuxです。
Linux初心者から上級者でも使えるディストリビューションだと思います。
僕が使ってみて良かったと思う点を挙げていきます。
日本語対応
国産ディストリビューションなので日本語完全対応してます。
Ubuntuとかメジャーなディストリビューションも日本語対応うたってるものは多いですが、インストール後に多少なりとも日本語化の設定をすると思います。
また、日本語化しても一部は英語のままだったりとか良くあります。
Alter Linuxはインストール画面から完全な日本語化がされており、インストール後のメニューやメッセージについても中途半端に日本語化されているということもないです。
メジャーバージョンアップがない
Ubuntuとか大抵のディストリビューションだと 20.04 みたいなメジャーバージョン番号があります。
最新の環境を維持しようとすると数年に一回、大幅なアップデートをする必要があります。
この作業、結構大変です。
どうせならクリーンインストールするかーってインストールし直して、何のパッケージインストールしてたっけとか、この設定どこでやるんだっけとか、google先生にひたすら教えを乞う作業を繰り返します。
昔はお祭りみたいな感覚でこういう作業も楽しかったんですが、若さを失うとこういう作業がツラくなってきます・・・。
Alter Linuxではこの作業がありません。
ローリングリリースという方式を採用しており、メジャーバージョンを使わず、パッケージを常に更新し続ける方式になっています。
これはベースのArch Linuxの特徴であると言えます。
イメージをダウンロードするのはインストール時の最初だけとなります。
環境を長期間使い続けられるのは良いですね。
インストールが簡単
簡単でした。
デバイスドライバとか色々入っているのか、インストールしたノートパソコンのタッチパッドやWifi、サウンド、SDカードリーダー等、問題なく動きました。
この点はUbuntuも同じ感じかもしれません。
インストール作業で比較したいのはベースとなるArch Linuxですね。
Alter Linuxを使う前はArch Linuxを使ってました。
Arch Linuxはシンプルで軽量なところがウリの1つだったりするのですが、それ故にパッケージやドライバも最小限しか無い状態からスタートします。
幸いwikiが充実しているので、読み込んでいけばやりたいことは大抵実現できますが、とはいえ、デスクトップPCとして環境構築するのにかなり手間がかかります。
Wifiのドライバなんて入ってないので、有線でつないでからドライバインストールとWifiパッケージインストールしたりとか。
CUIしかないのでデスクトップ環境入れるのですが、ログイン画面1つ出すにも色々な設定ファイルいじったりとか。
頑張って環境作り上げれば、当時使ってた低スペックノートパソコンでもサクサク動くようになるのですが、そこまでの道のりが長かった。
こんな感じでArch Linuxは環境構築が大変なのですが、Alter LinuxはあらかじめGUIが備わっているので、頑張って環境構築する必要はありません。Ubuntuの汎用さを持ちつつ、Arch Linuxの快適さを兼ね備えます。
サポート
twitterやLine、Discordで開発者や利用者の方々が直接回答してくれます。
僕はDiscordのサーバに参加させてもらってますが、インストールやアップデートのトラブル相談が多いようです。
日本語で相談できる点は日本人的には良いのではないでしょうか。
zsh
デフォルトシェルがzshです。macと同じですね。
見た目も良いし、コマンド履歴や候補検索とか重宝してます。
パッケージ
Arch Linuxベースなので、yumやaptではありません。
公式パッケージに対するパッケージ管理ツールはpacmanというコマンドを使います。
黄色いアレではありません。
なお、AUR(Arch User Repository)というユーザコミュニティベースのリポジトリを使う事ができ、色々なパッケージはAURに登録されています。
pacmanではAURのパッケージを扱えないので、AURヘルパーと呼ばれる管理ツールを利用する必要があります。
Alter Linuxはyayという管理ツールが最初からインストールされています。
yumやaptと同じ感覚で使えます。
公式パッケージ+AURパッケージを全部更新
$ yay -Syu
パッケージをインストール
$ yay -S (パッケージ名)
パッケージを削除
$ yay -R (パッケージ名)
インストールしたパッケージ
僕がAlter Linuxにインストールしたおすすめパッケージをインストールコマンドベースで紹介します。
ちなみに、何らかのパッケージをインストールしようとやり方を調べる際、Alter Linux+パッケージ名
みたいな検索をすると引っかからないかもしれません。
まだAlter Linuxとしての情報が少ないからです。
リポジトリはArch Linuxと同じものを利用しているので、Arch Linuxとしてのインストール方法を調べると幸せになります。
google chrome
yay -S google-chrome
discord
yay -S discord
vscode
yay -S visual-studio-code-bin
docker
sudo pacman -S docker docker-compose docker-machine
sudo gpasswd -a (自ユーザ名) docker
sudo systemctl enable docker
# 2つめのコマンドは、docker-composeを使うにあたって、一時的にsudoなしでdockerコマンドを実行できるようにするもの
aws cli
yay -S aws-cli
todoist
sudo snap install todoist
mattermost
sudo snap install mattermost-desktop
さいごに
いかがでしたでしょうか。
軽量だしパッケージ豊富だし、WindowsユーザにもLinuxユーザにもおすすめできます。
USBメモリからライブ起動もできるので、気になったら使ってみてください。
あ、今回はデスクトップ用途として紹介してますが、サーバ用途としては使ってません。
パッケージアップデートしていくことを前提とするとあまり向いてないのかな。
※Arch Linuxの中の人は「開発者ならパッケージのリリースノート見て、影響あるか判断して対応できるだろ。サーバでも使えるぞ」的な強気なこと言ってた記事を昔見た記憶があります。