文化庁の新ガイドライン解説:AIと著作権ってどうなってるの?
2024年4月に文化庁から発表された「AIと著作権に関する考え方について(概要)」、これがけっこう話題になってますよね。実施にクリエイターなどから意見をもらったりした改訂版ということらしいです。
「AIって便利だけど、著作権ってどうなってるの?」って思う人も多いはず。今回はガイドラインを読んで気になった点を解説してみます。法律に関しては詳しくないので、あくまで私の解釈ということでご注意お願いします 詳しくはガイドライン本文を参照し、専門家に相談してください。
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文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」。詳しくはこちらをご覧ください。
AI学習データと著作権法(p5~7)
まず、AI学習データっていうのは、AIが賢くなるために必要なデータのこと。例えば、AIに絵を描かせたいなら、たくさんの絵を見せて「こういうのが絵だよ」と教えるわけです。これについて、新しいガイドラインでは「著作物を楽しむわけではないから、許諾なしでOK」と明言されています。つまり、AIが学ぶためにデータを集める行為は自由に行えるというわけですね。
著作権法と「創作的表現」vs「アイデア」
Xなどでみなさんの反応をみていると、このポイントが一番注目されているっぽいですね。著作権法では、「創作的表現」は保護されますが、「アイデア」そのものは保護されません。この区別が重要なポイントとなっています。例えば、特定の「作風」が似ていたとしても、それだけでは著作権侵害にはならないのです。
なぜこの区別が大事なのかというと、著作権法は具体的な表現を保護することで創作者の権利を保障するためです。 たとえば、同じテーマやアイデアを扱っていても、表現方法が異なればそれぞれ独立した作品と見なされます。したがって、一般的な「作風」を模倣したとしても、それが具体的な創作物の「表現」をコピーしていなければ、著作権侵害とは見なされないわけです。
生成AIで作った作品を売るときの注意点(p11,12)
例を出してみます。私がAIを使ってとってもオシャレなイラストを作ったとします。このイラストがたまたま有名なアニメのキャラクターに似ていた場合、それを商品として売るのはアウトかもしれません。なぜなら、そのアニメの著作権を侵害することになるからです。
でも、もしAIが全く新しい、誰にも似ていないキャラを創造したなら、その販売は問題ないとされています。ただし、知らず知らずのうちに似てしまった場合でもアウトになることもあるので、その辺は要注意です。「知らなかった、悪気がなかった」や「プロンプトで具体的に指示したわけではない」では済まされないです。
著作権侵害したら誰が責任を取るの?(p14)
これが結構大事なポイント。AIが作ったものがたまたま他の作品と似ていて著作権侵害になった場合、その責任はただAIを使っただけのユーザーだけではなく、AIの開発者や提供者にも及ぶことがあるとガイドラインで明らかにされました。
最後に
というわけで、AIと著作権について書いてみました。AIの進化はとめどなく進んでいますが、その使い方には配慮が必要みたいですね。本文中にも「判例や海外の対応も参考にしながら引き続き考え方の見直しを行う」とあり、このあたりの解釈も日々更新されると思いますので、必ず最新の情報をチェックするようにしてください。