この記事は仮面ライダービルドの数式の第10話です。
\pi^2-\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^3(n+1)^3}=10
ラマヌジャンという、インドの変態 数学者が発見した式です。
この式は次の式と同じです。
\frac{1}{1^3 2^3}+\frac{1}{2^3 3^3}+\frac{1}{3^3 4^3}+\cdots=10-\pi^2
隣り合う数をかけて、3乗した逆数を無限に足すと、$10-\pi^2$になります。
無限和は第6話にも出てきましたね。
この式は、第6話の式を使うことで計算できます。
最初は式の展開を根気強く行うだけですので、面倒ですが難しくはないです。
冒頭のΣの中の計算式を変形するにあたり、次の式を使います。
\frac{1}{n(n+1)}=\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}
では3乗して計算しましょう。
\frac{1}{n^3 (n+1)^3 }=(\frac{1}{n(n+1)})^3=(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1})^3
この式を展開します。ちょっと長くなるので飛ばします。
(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1})^3= (\frac{1}{n^3} -\frac{1}{(n+1)^3} )-3(\frac{1}{n^2} +\frac{1}{(n+1)^2} )+6(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1})
3つの式に別れました。まずは、一番右の部分の無限和を計算します。
\sum_{n=1}^\infty (\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1})= (\frac{1}{1}-\frac{1}{2})+(\frac{1}{2}-\frac{1}{3})+(\frac{1}{3}-\frac{1}{4})+\cdots \\
=\frac{1}{1}+(-\frac{1}{2}+\frac{1}{2})+(-\frac{1}{3}+\frac{1}{3})+\cdots=1
引き算でつながっているので、次の項と打ち消し合い、最初の数だけ残ります。
要はこういうことです。
\lim_{n→\infty}f(n)=0\ のとき\\
\sum_{n=1}^{\infty}(f(n)-f(n+1))=f(1)
このパターンは左の式も同様です。
ここまでをまとめます。
\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^3 (n+1)^3 }=1-3( \sum_{n=1}^∞ \frac{1}{n^2} +\sum_{n=1}^∞ \frac{1}{(n+1)^2} )+6
さて、真ん中の式ですが、第6話でみたバーゼル問題の式です。
これが$\frac{π^2}{6}$となることを知っています。
また、n+1と言うのは、n=2からスタートしているのと同じなので、全体和の後にn=1の値を引きます。
1+6-3( \sum_{n=1}^∞ \frac{1}{n^2} +\sum_{n=1}^∞ \frac{1}{(n+1)^2} )=7-3(\frac{π^2}{6}+\frac{π^2}{6}-\frac{1}{1^2} )
=7-π^2+3=10-π^2