この記事は仮面ライダービルドの数式の第23話です。
\sqrt{x-2\sqrt{x+2\sqrt{x+2\sqrt{x-\cdots}}}}=1+4\sqrt{3}\sin20^\circ , x=23
ラマヌジャンが残した式にこんなのがあります。
\sqrt{23-2\sqrt{23+2\sqrt{23+2\sqrt{23-\cdots}}}}=1+4\sqrt{3}\sin20^\circ
この式はsin20°という珍しい値を使っています。
この値を求めるには、sin60°と三倍角の公式を使って求めます。
4 \sin20^\circ-3 \sin^3 20^\circ =\sin 60^\circ=\frac{\sqrt{3}}{2}
sin20°をxとおいて、三次方程式を解くとsin20°の値が得られます。
結果はこうなります。
\sin20^\circ=\sqrt[3]{\frac{-\sqrt{3}+i}{16}}+\sqrt[3]{\frac{-\sqrt{3}-i}{16}}
よくある三次方程式の解ではあるのですが、
初めて見る人にはちょっとわけわからない、が直感的な感想ではないでしょうか。
さて、問題は虚数が出てきていることです。
sin20°は実数ですから虚数は計算すれば消えるはずです。
複素数の平方根や立方根を求めるにはどうするか…。
例えば、$\sqrt{i}$を求めるにはこうします。
(a+bi)^2=i\\
a^2-b^2+2abi=i\\
a^2-b^2=0, 2ab = 1
つまり、一度二次方程式を作ってその解を求める必要があります。
立方根なら三次方程式を使います。
sin20°を求めるときに三次方程式を使ったわけですが…。
それと同じことをするわけですね。
予想がつくかもしれませんが、答えに複素数の立方根を含みます。
複素数の立方根の値を求めるために三次方程式をまた作り、
その答えにも複素数の立方根を含むので…というループが発生します。
つまり、sin20° は実数の値でありながら、複素数の立方根を使ってしか表すことができません。
なので、そんな値を冒頭の式は、結構すごい式だったりします…。