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第5話 五次方程式と解の公式

Last updated at Posted at 2018-05-19

この記事は仮面ライダービルドの数式の第5話です。

\arg_n min⁡[S_n∉{solveable}]=5

「代数的解法が存在しない最小の次数は5である」という意味です。
五次方程式以降は解の公式が存在しない、という言い方で知っている人が多いでしょう。

代数的解法とは、四則演算とべき乗(平方根や立方根なども含む)だけを有限回使った式を指します。
有限回なので無限級数を使って答えを出しましたものは含みません。
代数的解法という制限を無くせば、五次方程式の解を求める方法は幾つか考案されています。

ですから、解の公式が存在しないという話は、代数的解法とはなんなのか、
それはどういうことができるものなのかという、やや退屈な話になってしまいます。
なので、イメージだけ掴む感じでいきます。

二次方程式の解の公式を簡単にするとこんな感じです。

x_1=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}=\alpha + \beta\\
x_2=\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}=\alpha - \beta

二次方程式なので答えは2つあります。
そして、2つの数を作って、それを足せばx1、どちらかを引けばx2となります。

普通は、数の小さい方がx1、大きいほうがx2となりますが、
βの値に-1をかければ、x1とx2の値を交換することができます。

次に三次方程式の解の公式です。

\begin{align}
x_1&=\alpha + \beta\\
x_2&=\alpha \omega+ \beta \omega^2\\
x_3&=\alpha \omega^2+ \beta \omega
\end{align}\\
\small
※\omega = \frac{-1+\sqrt{3}i}{2}

ωは3乗すると1になる数です。

二次方程式は円を書いて180度の角度にある点です。
三次方程式は楕円を書いて、円なら120度の角度にある点、ということを意味する式です。
そして、反転や回転をすることで、それぞれの値を交換することができます。

四次方程式を解く場合、無理やり因数分解して、二次方程式2つの積の式に変形します。
4という数がたまたま2の2乗だったからこの方法が使えます。

ところが五次方程式となると、72度の角度とするにしても、
そんな点が作図できない事が多いですし、無理やり因数分解もできません。
また、解の入れ替えもできそうにありません。

この、「それぞれの解を交換できる」という条件が代数的解法の根本で、
すべての式に足し算や掛け算をすることで答えの入れ替えができるはず、
それができない(と思われる)五次方程式には解の公式が作れない、という考えです。

ざっくりとした説明ですが、だいたいこんな感じです。

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