この記事は仮面ライダービルドの数式の第30話です。
arg\max_n
[\{totative\ of\ n\} ⊂ \{prime\}] = 30
totative とは、その数以下でその数と互いに素な数、という意味です。
例えば、6 なら1,3,5 が該当しますし、7 なら素数なので1~6 すべてが該当します。
そして、そういう数がすべて素数の数の最大は30 である、という意味です。
1 は本来素数ではないのですが、今回は例外ですね。
n 以下で互いに素な数はすべて素数である数というのは、
特に名前もないようなので、今回はTotative 数と名付けます。
互いに素の意味は、最大公約数が1 になる数の組み合わせです。
例えば、25 と36 は互いに素です。
28 と36 はどちらも4 で割れるので互いに素ではありません。
互いに素、というのは背理法でよく使われます。
a,b を互いに素な数と仮定して計算を進めていき、
a もb もなにかの倍数なので互いに素ではない、
よって、この式を満たす自然数a,b は存在しない、という感じです。
Totative 数の最大は本当に30 なのか、考えてみましょう。
30 は素因数分解すると2×3×5 ですから、
2,3,5 を素因数に含まない最大の合成数は7×7 の49 です。
ですから、全て素数であることがわかります。
表にして考えてみます。
範囲 | Totative 数 | Totative 数の候補 |
---|---|---|
1~3 | 1,2,3 | すべての数 |
4~8 | 4,6,8 | 2 の倍数 |
9~24 | 12,18,24 | 6(2×3)の倍数 |
25~48 | 30 | 30(2×3×5)の倍数 |
49~120 | なし | 210(2×3×5×7)の倍数 |
30 の次のTotative 数の候補は60 ですが、7×7 の49 が素数ではありません。
そこで、49を約数とするために7 を30 にかけた210 を考えます。
ですが、121(112),169(132)が邪魔をします。
この後は、新しい素数の二乗が出てくるほうが早いので、30 が最大のT数となります。