この記事は仮面ライダービルドの数式の第44話です。
!5=5!\sum_{k=0}^{5}\frac{(-1)^k}{k!}=44
!5とは、完全順列(錯乱順列)を表す数です。
モンモール数とも呼ばれます。
5!はみたことがある人も多いでしょう。
次の計算を意味する記号です。
5!=1\times2\times3\times4\times5=120
また、順列の組み合わせを計算するときに使います。
5人を1列に並べるとき、何通りの組み合わせがあるか、というものです。
!5はなにかというと、5人が席替えしたとき、誰も元の席に戻らない組み合わせです。
プレゼント交換したときに、自分のプレゼントが返ってこない組み合わせと言い換えてもいいでしょう。
計算方法を考えます。
まず、すでにABCDの4人に新しいEを付け加えるとします。
EはEの席にいては駄目なので、まず、EはAの席に座るとします。
すると、Aは別の席に座る必要があるのですが、
AがEの席に座るのか、BCDの席に座るのかでやや話が変わります。
もし、AがEの席にすわるとしたら、AとEが席を交換したことになります。
残りBCDは3人だけで入れ替わることになります。
すなわち、このパターンは「3人の完全順列」だけ存在します。
もしAがE以外の席に座るとしたら、まずABCDで席替えを行い、
Aの席の人とEが入れ替わるのと同じことになります。
つまりこのパターンは「4人の完全順列」だけ存在します。
まとめると、EがAの席に座るパターンは、
「3人の完全順列」+「4人の完全順列」の数だけ存在します。
EはAの席のほか、B,C,Dの席の場合もあり、これらはAの席に座るときと重複しません。
これらを式にして表すとこうなります。
M(n)=(n-1)(M(n-1)+M(n-2))
第2話のフィボナッチ数列と似ている式ですね。
この漸化式を一般式に置き換えると冒頭の式になります。
ちなみに、ランダムに作った順列が完全順列になる確率は、
個数が十分に大きいと1/eになります。
36%でプレゼント交換は大成功しますが、
残りの63%は誰かが自分のプレゼントをもらうことになります。
1/eや36%に見覚えはあるでしょうか。
ガチャの爆死確率です。
1%のガチャを100回引いて当たりが引けない確率が1/eや36%です。
1/eとか36%とかという確率は、確率計算をするときによく出てくる数で、
大体1/3に収束するな、と思ったら1/eであることは少なくありません。