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第15話 ラマヌジャン・スコーレムの定理

Last updated at Posted at 2018-06-24

この記事は仮面ライダービルドの数式の第15話です。

\arg⁡max_{n} [2^n-7=m^2 ]=15\\

ラマヌジャン・スコーレムの定理(ラマヌジャン・ナーゲルの定理)で、
$2^n-7=m^2$を満たすnの最大の値は15である、という式です。
予想したのはラマヌジャンです。またお前か。

最初にこの問題を証明したのはナーゲルです。
しかし、スコーレムの方が遅く解決したにもかかわらず、
そちらが先に広まったので、表記が揺れているようです。

この式を満たすnは3,4,5,7,15だけになります。具体的に以下の式になります。

2^3-7=1^2\\
2^4-7=3^2\\
2^5-7=5^2\\
2^7-7=15^2\\
2^{15}-7=181^2\\

これも、第9話で出てきた、ディオファントス方程式の一つです。
5個しかない、というのは若干不思議かもしれません。

解くには円環体というものを使います。
式を変形して次の形にします。

m^2+7=4 \frac{m-\sqrt{7}i}{2}\frac{m+\sqrt{7}i}{2}=2^n\\
\frac{m-\sqrt{7}i}{2}\frac{m+\sqrt{7}i}{2}=2^{n-2}

整数の問題なのにルートや虚数が出てきていますが、実は理由があります。

実は足し算は常に扱いづらく、掛け算のほうが扱いやすいです。
例えば、a+b=100とab=100のとき、abは自然数でa<bだとしたら、
足し算は候補が49個ありますが、掛け算はa=1,2,4,5しかありません。

式が掛け算の組み合わせになっていると、分解して考えられますし、
式を成り立たせるための条件をつけられます。
先程の例だと、aもbも100の約数という条件が付けられます。

足し算より掛け算の方が扱いやすいので、
平方根や虚数を使ってでも掛け算の組み合わせにしてしまうわけです。
最終的にはこれらの値は整数になるわけですから、
個々の因数には、「こうなってないといけない」という束縛条件を求められます。

具体的な条件とは次になります。

(\frac{m+\sqrt{7}}{2})^x の\sqrt{7}の係数が\frac12

これを満たすx=1,2,3,5,13です。
n-2=xですからn=3,4,5,7,15となります。

途中がすっ飛ばされているので、なんで?って感じになりますが、
そこはかなり難しいのでお察しください。

この円環体、実はある問題を抱えていますが、それはまたかなり先の話でやります。

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