はじめに
株式会社リブセンスで「採用広報」を、特に任命されたわけでもなくやっている iwtn です。普段は転職ドラフトの開発・運営をしています。
なので、採用にかっちりコミットするわけでもなく、テックブログのレビュー・運営や社外に発信をする際に技術的な観点からのサポートするなど、採用・技術広報のような役割をやんわりとやっています。
2024年ももう終わりということで今年一年を振り返ってみますと、様々な分野で広報活動が取り沙汰された一年でしたね。
昨今、少し過熱気味に思える広報の活動とその役割について、どちらかといえば個人的には受け身のスタンスなので、そのあたりについて書いてみました。
受け身で広報になるのか?
広報、PR、すなわちパブリックリレーションズ(Public Relations)。
言葉の意味をそのままとると、公との関係を上手く取り持つ感じでしょうか。
そもそも公(おおやけ)とはなんぞや、みたいな話もあるのですが、ここでは「世間一般」ぐらいの意味になります。企業やその中の人は、社会の中の一つの構成要素として活動していて、企業と世間一般とのコミュニケーションを上手くやる、ぐらいが「広報」の役割かなと思っています。
広報を「広く報せる」とすると、どうしても「知らしめる」「認知させる」ことになってしまい、強めのアピールが必要になる感じがします。
しかし、特に知名度がそもそも高くない企業だと、認知をとるために広告へ多額のコストを割くことになります。
人の認知できる量は増えないので、結果として競争が激しくなりがちです。
そのため内容も過激化しやすく……と某SNSで起こっているようなことになるわけですね。
なので個人的なスタンスとして、社会に対して企業の中の一部を覗けるような窓を開けておく、ような感覚でテックブログの運営をしています。
入社してみるまでは実際の様子はわからないですが、できるだけ正直に情報を公開しておこう、という感じですね。
以下の記事にあるような採用ファネルの「認知」をとっていくのは、情報量が過多になっている昨今では過当競争になりやすいので、応募や選考まで進んでくれた方々に適切な情報を渡せる準備をしておくイメージです。
※採用ファネルを意識すると、テックブログの記事は書きやすくなるのでは?という話より引用
採用のミスマッチをやんわりと減らす効果ぐらいはあるんじゃないかなぁ、と思っています。興味を持ってくれた人に対して、こういうのもあるよ、別のもあるんだよ、と情報提供する感じです。
また、息切れしないように継続していくと記事がストックされ、歴史の記録として機能しはじめます。これは自分の記憶を裏打ちしてくれる材料にもなり、新しく入社してくれた人への過去の活動の紹介にもなるので、むしろ広報というよりは自身や社内のためになります。
「広く報せる」ことはできないかもしれませんが、情報を公開しておくことの価値はあると思っています。
広報する対象をよく見る
転職ドラフトのデータを元に、以下のような2つの記事が先月の中頃に公開されました。
特に上の「転職ドラフトの指名承諾率分析 - 提示年収を上げれば承諾されるのか -」で示されていることは、スカウトを送った際に転職を考えている人はレジュメを読んでくれているかをとても重要視しているということです。自分を知ってくれようとしているかが伝わると、スカウトに対して「まずは会ってみよう」となる可能性が高くなるわけですね。これは特に「採用広報」という立場で大事なことだと思っています。
広報という仕事はどちらかといえば「こちらを見てもらう」ことを重視する仕事です。
しかし、意中の相手を振り向かせるには、相手のことをよく知る必要がある、とけっこう当たり前のことを示しているわけでもあります。
しっかりと書き込まれたレジュメを読み込むのは大変な作業ですが、その分効果もあるのが数字で出ています。
なぜノベルティは捨てられやすいのか
転職ドラフトは様々な技術カンファレンスにスポンサーをして、ブースを出しています。
そこで配るためのノベルティを作るのですが、先日このような記事がでておりました。
一時、技術カンファレンスなどでのノベルティは不要だ、のような主張もネット上で散見され、個人的にも同意できる点は多いです。
サービスや企業の中でその運営・広報をしている人は、もちろん愛着があるのでノベルティが欲しくなりますし、作れるので作ります。しかし、それを受け取る人がどれぐらいそれを欲しがるのか、という観点が往々にして抜けることがあります。私も欲しがられないノベルティをいくつも作ってきました。
なのでノベルティ作りは、アピールする対象のことも考え、受け取る人のことも考え、作る人のことも考える、となって難しくなります。
しかし、喜んで受け取ってくれる人もいたりしてそういうときは嬉しいですよね。なんとか上手くやっていけないかなぁと毎回頭を捻っています。
まとめ
つらつらと書いてきましたが、個人的に押せ押せでいくよりは、全体の状況や対象をよく見て、関係者みんなが嬉しい広報活動を行っていければなぁと思います。
とはいえ、積極的にアピールしていくことも必要なタイミングや状況もあると思うので、そのときはそのときで頑張っていければなぁと考えております。