概要
- ラズパイやJetson Nanoのディスプレイとして7inch程度の小型ディスプレイを使用している方が多いと思います。ふと、USB-HDMI変換器(HDMIキャプチャ)を使ってみたらかなり良かったのでその紹介と、類似手段との性能比較を行いました。
- HDMIディスプレイとの比較
- Pros
- 机の上のスペースが空く
- 電源不要
- 記事用の撮影が楽
- 安価 (1,000~2,000円程度)
- Cons
- ディレイがある、FPSが遅い
- Pros
- VNCとの比較
- Pros
- CPUを食わない
- ディレイとFPSは少し良い
- ※ラズパイのRealVNCは優秀なので不便を感じませんが、JetsonNano等のリモートデスクトップと比べるとかなり良いです
- Cons
- 操作が出来ない
- 変換器を購入する必要がある
- Pros
- 今回はUSB2の1,600円程度の安い物を使いましたが、ゲーム実況用のグレードが高いものなら上記のマイナスポイントは改善されるかもしれません。
使い勝手
- ドライバ不要で通常のUSB Cameraとして認識される。Windowsなら標準のカメラアプリで画面を表示出来て便利
- VNCだと、HDMIディスプレイに接続していないときにフレームバッファが640x480になってしまうことがあるが、何の設定をしないでも1280x720に認識されて便利 (HDMI出力は1920x1080でした)
- うっかり画面をクリックして、操作しようとして??? となることあがる
- 基本的には満足なのですが、ラズパイに関してはVNCが便利すぎるのでVNCを使い続けると思います。Jetson Nanoの場合にはリモートデスクトップにすると負荷が増加してしまうので役に立ちそうです
- ターミナルからSSHでログインしてコマンド操作がメインでたまに画面を確認するだけ、という方にはお勧めです
性能比較
まとめ
Delay [msec] | FPS | |
---|---|---|
HDMIディスプレイ | 9 | 30 |
USB-HDMI変換器 | 200~250 | 20 |
VNC | 180~250 | 10 |
※遅延はカメラ入力、ソフト処理を含みます
※Raspberry Pi 4, 解像度 = 1280 x 720
詳細
遅延(Delay)の測定方法
- ストップウォッチをラズパイのカメラで撮影し、ライブビューを画面出力
- ストップウォッチそのものと表示結果を、別のカメラで撮影する
- RX100, 60p動画記録, シャッタースピード優先 (手元に240p記録できる機材がない。。。)
- 表示されている時刻を比べる
- 多少、心の目で読んでいます
- HDMI変換器とVNCはFPSが遅く、同じ時刻が数フレーム続くので遅延に幅があります
測定環境はこんな感じです。
遅延(Delay)の測定結果
HDMIディスプレイの遅延(Delay)
USB-HDMI変換器の遅延(Delay)
VNCの遅延(Delay)
FPSの測定方法
- ストップウォッチをラズパイのカメラで撮影し、ライブビューを画面出力
- ストップウォッチそのものと表示結果を、別のカメラで撮影する
- 同じ数値が何フレーム連続しているかをカウントし、この数値で60を割る
- 60pで記録したため
FPSの測定結果
- たくさんになるので省略
- HDMIディスプレイの場合は、2フレームに1回、数値が更新されました。つまり、30pということ
- HDMI変換器の場合は3フレームに1回、VNCの場合は6フレームに1回でした
注意
- USB-HDMI変換器の性能は、PC側の負荷によって変動する可能性があります。(ただ、そんなに影響はないと思います)
- VNCの性能は、ラズパイ側の負荷によってかなり変動すると思われます。
おまけ
ダイソーで買ったこれが、ラズパイカメラの固定にちょうどよくて便利でした。