オートモーティブ事業本部の@iwata-nです。普段はオートモーティブ関連のAndroidアプリの開発をやっています。
この半年ほどで肩までしっかりとキーボード温泉に浸かったので経緯を会社のアドベントカレンダーとしてまとめたいと思います。
キーボード遍歴
HHKB → Apple Wireless Keyboard / HHKB Lite2 → HHKB Pro2 → ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード → Helix → Mint60 といろいろと渡り歩いてます。
今ではHHKB pro2やThinkPadのワイヤレスキーボード、Helix、Mint60を気分で使い分けています。HHKB Lite2はたまに自宅のラズパイ用で使ったりします。
検討期
もともとはThinkPadのBluetooth英字キーボードや、HHKB pro2墨を使い分けて居たのですが、東京に来てから運動する機会がめっきり減ってしまったせいか肩こりに悩みだし、セパレートタイプのキーボードが肩こりに良いと聞いたのでセパレートタイプのキーボードを検討していました。
MD600 を当初は考えていたのですが、家電量販店では日本語配列しか無い、大手通販サイトでは英字配列は定価の2倍ほどの値段になっていたりと、買うのを躊躇してしまいました。
そこで、折角高い値段出すなら国内未発売の MD650 をAmazon.comから購入しようかと思いましたが、送料込みで3万近くになり、結局高いなと冷静になり断念。
そこで自作の方向を検討しました。沼への入り口とも知らずに。
自作を始める
Helix
予算としては2万円ほどとなるように考え、初めてなので国内で注文できて、ちょっと格好いいキーボードとして遊舎工房さんの Helix を買いました。
5行、6列プラスαな格子配列とレツプリよりも普通のキーボードよりな格子配列だったので移行も簡単にできるんじゃないかなと思い購入。
何よりもフルカラーLEDのバックライト付きでめっちゃ格好いいキーボードです。
遊舎工房さんではHelixのPCB(キーボードの基盤)、スイッチ、キートップ、Pro micro、その他キーボードを作成するのに必要な部材全てが購入可能で初心者には最適でした。
左手を作っている際に、キースイッチとPCB(基板)の間に入れるアクリルプレートを入れ忘れてしまい、全てのスイッチを一度取り外し付け直しました。
格好いいと思って付けたLEDバックライトですが、向きを間違えて付けてしまい付け直しをしたりしたせいか、1列分程度しか光らないという残念な状況になり、結局使っていません。
結局格子配列も良かったのですが、打ち合わせでMacBook Proを持っていく時にキーボードも一緒に持っていくのが大変だったりと、完璧に指が移行しきれなかったので、別のキーボードも作ることにしました。
Mint60
http://eucalyn.hatenadiary.jp/entry/about-mint60-01
同僚の @napplecomputer が買っており話を聞いて羨ましくなり、技術書典で売っているのを見つけいろいろ迷いつつ購入。
右手の親指あたりのキー配置を選択することが出来、左から2.5u、1.25u、1.25uとなるような配置にしました。
これがちょっと失敗で、自分は左手でスペースを押すので、そんなに右手のスペースの長さが必要なわけでもなかったので、1.25u、1.25u、2.5uみたいな配置にしとけばよかったかもなと完成してから思ってます。
自作キートップ
キートップを作るのもすごく楽しくて、学生時代にやった鋳造の授業を思い出しました。卒業後にまさか鋳造の勉強が役立つ日が来るとは思いませんでした。
L2K ADAPTERSなるものがレゴにキーキャップを繋げられるようにするアダプターがあるのですが、簡単に型を取るだけであれば無くても可能でした。
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レゴで枠を作る
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固まったら、シリコンバリアーを塗り、もう片方の型を取る
写真は2のときとは別のキーの型をとっているときのものです(写真を取り忘れた) -
固まったら、型を分解してキーキャップを取る
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型にレジンを流し込む
- 気泡が出来ないように温めたり、1日放置したり、爪楊枝やピンセットで頑張って取る
- 特に軸側の気泡ははめ込んだ際のホールド力に影響してくるのでしっかり気泡を抜きましょう
- レジンを少しだけ入れて固めてお好きな部材を入れてまたレジンを入れて固めるとキーキャップの中に閉じ込めることができます
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UVライトで硬化させて完成
レジンを固める前に紙で印刷したアイコンを入れて10分ほど放置すると、こんな感じに同僚のアイコンを入れたキーキャップを作ることもできちゃいます
@napplecomputer なっぴーキー出来たよ pic.twitter.com/T0TuJSXHqX
— いわたん (@iwata_n) 2018年10月26日
自作キーボードPCB
最近はKiCADを使ってキーボードの基板を自作しています。
こちらの KiCad 5.0入門実習テキスト『KiCad Basics for 5.0』 #マッハ新書 がかなり詳しくKiCADを使っての基板設計方法について書かれており、通勤途中の電車の中で読み込みました。
あと、HelixがPCBデータをGitHub で公開しているので配線に関してかなり参考になります。
注意点としてはいきなり分割キーボードにすると部品点数が増えたり、左右で同じ基板を使い回すのか?それとも発注料金が上がるが別基板にするのか?と悩みが増えるので一体型の方が良いかもしれません。
自分はcolumn-staggered(普通のキーボードと違い、横ずれではなく縦ずれでキーが配置されているレイアウト)を自由にズレを変更できるようにしたくて、1列ごとに基板を作成し、ユニバーサル基板にコンスルーコネクタで接続できるような設計思想で基板を設計したのですが、これがかなり至難の技となっており、作業が止まってしまっています。
こちらもまだEnd Gameには到達しておらず、あれこれと試している最中です。このペースですと来年以降も自作キーボード温泉に浸かることになるかと思います。
まとめ
自作キーボードを1個作ると段々とキーボードが増えます。また、キーキャップも増えます。更には基板も増える事になりますし工具も増えます。
ですが、やはりエンジニア、一番使う商売道具なので少しでもこだわったモノを作って使って行くためにも今後もキーボード温泉に浸かっていこうと思います。
この記事はMint60、Helix、HHKB pro2、Mac Book Pro 2018のキーボードを使って書かれました。