こんにちは、デジタルバリューの岩間です。
今年も2022/11/15~2022/11/16の二日間にかけてAgile Japanに参加してきました。
(Agile Japan2022公式サイト:https://2022.agilejapan.jp/ )
昨年は
というテーマで積極的にアジャイルに取り組まれている金融機関の皆さんとパネルディスカッションをさせていただき、その中で我々北國フィナンシャルホールディングスの取り組みを紹介しました。
今回は一視聴者として仕事をしながらつまみ食いする形で参加することになってしまったのですべてのセッションをお聴きすることはできませんでしたがとても良い刺激になったのでインプレッションを残してみたいと思います。
イベントの進行について
Agile Japanはメインの講演はzoomで、ミニセミナーはdiscordを使って進められました。
単にセミナーの聴講するのではなく参加者がdiscordの中でワイガヤしながら盛り上がれるのもAgileJapanの楽しいところですね。
さて、今回のAgile Japanのテーマは「Social Impact Agile」というものでした。アジャイルの考え方は社会課題のような複雑な問題を解決するためにも使えるよ!!ということですね。
そして「Social Impact Agile」を具現化した取り組み事例がKeyNoteとして2件紹介されました。
- 1日目:SiAgile: ソーシャルインパクトのアジャイル宣言(ロシオ・ブリセーニョ・ロペスさん)
- 2日目:小さく、素早く。~目的とトライアンドエラーが生み出すソーシャルインパクト~(株式会社ボーダレス・ジャパン 鈴木 雅剛 さん)
まずは1日目のKeyNoteについて、
SiAgileとは、「ソーシャルインパクトのアジャイル宣言」のことです。
2019年にアメリカのバージニア州でスピーカーのロシオさんと昨年のAgile Japanで基調講演をしてくれたアジャイルソフトウェア開発宣言のメンバーのひとりであるアリスター・コーバーンさんたちが作りあげたものだそうです。
この中でSiAgileを実現するコツとして5つのコミットメントが紹介されました。
【5つのコミットメント】
1. 目的を明瞭にして共有すること ・・・多くの組織や人々が関わるためしっかり目的を共有する必要がある(個々の目的がありつつも共通の目的を尊重すること)
2. 恩恵を受ける人たちを積極的に巻き込むこと ・・・現場が知らないところで物事を進めてもうまくいかない
3. チームがより良い社会に向けて情熱を持つこと ・・・物事を大きく変えようと思うとパッションが大事!
4. 高い透明性を保つこと ・・・汚職を防ぐことやなぜこの結論に至ったのかといった経緯を理解できる
5. 頻繁に結果を見える化すること ・・・頻繁にバリューを見せつつ目的も共有することでフィードバックを得ながら振り返りや向き直りを続けるられる。
日本は経済大国として世界から認められているものの労働環境に問題があるという指摘もありました。長時間労働とかですね。昔は日本のイノベーションは素晴らしかったが複雑な規制や制度がイノベーションの妨げになっているという指摘もありました。
外から見た日本に対する冷静な指摘でその通りだと思いました。まさにアジャイルで変えていきたいですね。
2日目のKeyNoteは
「小さく、素早く。~目的とトライアンドエラーが生み出すソーシャルインパクト~」
ということで株式会社ボーダレス・ジャパンの鈴木さんによる事例紹介でした。
ミャンマーの小さな農村で小さくアジャイルで仮説を立てながら新しい事業を成功させたというストーリーで「アジャイルが貧困農家を救った!」というまさにSiAgileを体現されている事例が素晴らしかったです。
特にその中で使われていた「SDGsネイティブ」というキーワードが印象に残りました。
「アジャイルネイティブ」もそうですが、もう今の若者にとってはSDGsやアジャイルは当たり前で意識して頑張って取り組むことではもはやないんですね。
大企業になればなるほど新規事業を始めようとしても既存ルールに当てはめたりスケールを決めたり素早い判断ができないという課題があるというのも身をもって実感。金融業界にもズバリ当てはまる内容でした。誰かに忖度したり同調圧力が働いたりといった行動がイノベーションやチャレンジを阻害していることを改めて社員全員が意識する必要がありそうです。
他に視聴できたトピックはこちら。
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アジャイルネイティブ世代のインターンシップ 仲村 新太 さん
いつも一緒にアジャイル開発をさせていただいている永和システムマネジメントの仲村さんがアジャイルネイティブ世代に則したインターンシップのあり方を紹介してくれました。今の学生のようなアジャイルネイティブ世代が「アジャイルの良さを知らない」というのが衝撃的でしたが、改めて学生のうちからアジャイルの良さを知ってもらい閉塞感のある日本を変えていってもらいたいですね。
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トヨタファイナンスにおけるアジャイルビジョンと実践「ワラ分析」!
「ワラ分析」ってなに??というところから始まったこのスピーチ。実は三匹の子豚の話でした。最初からレンガの家を建てるんじゃなくてワラの家から作りましょうというのはMVPの概念を説明するのにいいネタだなぁと感じました。オオカミがきたら終わりますが。 -
アジャイル開発事例からの学び〜東京ガスグループ経営理念に基づく⾏動変容へ〜
東京ガスさんのテーマで印象に残ったのは「経営理念」をアジャイルと紐づけて社内にアジャイルマインドを浸透させようという取り組み。確かにアジャイルってなに?っていう社員が多い会社でいきなり「アジャイルになろう!」といってもよほど強烈なトップがいない限り(うちはいますけど)「は??」となりますよね。経営理念と紐づけることで社員の納得感を得やすくなるのではと感じました。 -
組織を芯からアジャイルにする 市谷 聡啓 さん
こちらも日頃からお付き合いのあるレッドジャーニーの市谷さんのセッション。
そして相変わらず市谷さんのアジャイル論は深い!今回は日本の企業が共通してぶち当たっている課題として「効率化が行き過ぎて思考停止になっている」という点を挙げられていました。今の仕事を効率化しすぎることで他の選択肢に目がいかなくなっていく、その結果動ける体(柔軟性を持った組織)ではなくなり変化に適応できなくなっていくというものです。個人からチームへ、そして組織へとアジャイルを広げていく果てしない取り組みが必要で、そのためには部署横断でアジャイルを広げる推進チーム (CoE/Center of Excellence) を結成するのが良いのではないかというアドバイスがありました。我々もだいぶアジャイルにはなってきたもののまだまだ道半ば。アジャイルで組織アジャイルを続けていこうと思いました。 -
銀行アジャイルコミュニティで気づいた業界限定コミュニティの良さ 金融アジャイルの皆さん
最後に視聴させていただいたのは金融アジャイルに取り組む我々の仲間たちのパネルディスカッションです。クリエイションラインの笹さんは司会と言いながら開始早々お祭りモードでチームに丸投げ笑。FFGの松崎さんもMUITの高橋さん、鈴木さんも相変わらず快調に飛ばしていて「本当に銀行の人たちか?」という雰囲気を無理やり?醸し出しているようにも見えて面白かったです。親密さがにじみ出ていましたよ!
アジャイルから最も遠い(ように見られる)金融業界ですが、ちゃんとこういう熱い方々もいるんです。まだまだ組織アジャイルは遠い業界ですが頑張って楽しく盛り上げていければと思っています。(といいつつ最近参加できていなくて申し訳ない…)
・・・ということでつまみ食いながらもとても充実した二日間になりました。
実行委員の皆様をはじめ、イベント関係者の皆様に感謝です!
今回の学び
- アジャイルのプラクティスは社会問題の解決にも生かせる。
- 日本企業はアジャイルにならないと生き残れない。
- ソフトウェア開発の世界だけではななく組織全体にアジャイルを広げていく必要がある。
- でもちゃんと日本でも「アジャイルネイティブ」世代が育ってきている!
あ、Agile Japan北陸サテライトが12/10(土)14:00-開催されますのでこちらもよろしくお願いします!うちのメンバーも登場します!