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椅子の選び方ガイド(PC・作業用)

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はじめに

エンジニア界隈で、「良い椅子を買うべき」的なことをよく聞きます
しかし、良い椅子だからといって、それが『自分に合う椅子』とは限りません

僕は『自分に合う椅子』が分からず、数年ほど沼ってました
(椅子を何度も買い替えたり、ショールーム等に10回以上訪れたり)

執筆時点の話ですが、6畳の部屋に椅子が4脚並んでたりします
(デスクバイクも入れると5脚)

IMG_8781.jpeg

試行錯誤の結果、椅子の選び方をようやく完全に理解したので、ここに書き記しておきます

注意点

本記事において、『僕がこう思ってるから』や『この(人|記事)がこう言ってたから』という根拠が多く、間違った情報があるかもしれません

もし間違った情報があれば、信頼できるソース付でコメントしていただけると大変助かります

要点を3行で

  • WORKAHOLICに行こう
  • 座面クッション・背面メッシュがオススメ
  • 『自分に合う椅子』の確信が持てるまでは中古がオススメ

椅子選びにおける心構え

椅子選びの前に、まず大事なことを2点お伝えします

  • 座ってる時点で体に悪い
  • 完璧な椅子は無い

順番に説明します

座ってる時点で体に悪い

これは、ハーマンミラーの直営店を予約して訪れた際、スタッフさんから最初に言われたことです
つまり、アーロンチェアを買っても健康になれるワケではないということです

具体的になぜ悪いのかについては、以下の動画シリーズがとても勉強になります

個人的には、椅子より先に電動スタンディングデスクへの投資をオススメします
スタンディングデスクメーカーの記事によると、『45分座ったら15分立つ』という使い方が良いらしいです

また、僕はじっと立ち続けるとすぐ足が痛くなるので、以下のバランスボードを使用しています

完璧な椅子は無い

『自分に合う椅子』は人によって違います
体型・姿勢・用途・癖が人によって違うためです

そのため、「有名だから」と何も考えずにアーロンチェアを買うのは危険です

また、『自分に合う椅子』とは、『すべての要素が自分に合う完璧な椅子』とは限りません
「背もたれはメッシュが好きだけど、この椅子は他の要素が完璧なので、クッションのこれにしよう!」といった妥協も全然あるかと思います

ちなみに、『僕が求める完璧な椅子』とは以下のものです

  • 座面・背面はエンボディチェア(バランス生地)
  • 操作方法はコンテッサセコンダ
  • リクライニング仕様はリープ(連動して座面が前後に動く)
  • 座面仕様はing(バランスボールのように360度動く)

物理的に無理ですね

椅子選びのポイント

ここから、椅子選びのポイントを紹介します

特徴

以下は一例ですが、一部の椅子にしかない特徴・機能があります

  • HAG Capisco
    • 背もたれを前向き・横向きにして座ることができる
  • コクヨ ing
    • 座面がバランスボールのように前後左右に動く
  • バランスラボ バランスシナジー
    • 姿勢矯正効果のあるバランスチェア
    • 背もたれが無く、椅子全体が前後に動く
    • (膝置きが欲しいなら『Varier VARIABLE』とか)
  • AGRelux
    • あぐら姿勢に特化している

一部の椅子にしか無い特徴がとても気に入るのであれば、無条件で候補入りするかと思います

座面

座面の素材

主に、 メッシュ or クッション の2種類があります

メッシュは通気性があるので、蒸れにくいというメリットがあります
一方で、メッシュを支える丈夫な枠が必要なため、どうしても端が固くなります
(エンボディチェアなどの例外もあります。メッシュとクッションの中間みたいな感じですが…)

そのため、あぐらをかく・足を広げる等の自由度はクッションの方が高いです
「同じ姿勢を続けるのは良くない」と整体師さんからよく聞きますし、個人的には座面はクッションがオススメです

また、体圧分散性でいうと、座面クッション・背面メッシュが良いらしいです

とはいえ、クッションは以下のようなデメリットもあります

  • 汚れを取りずらい
    • ジュース溢したら大変
    • (中古の値段が落ちやすい)
  • 蒸れやすい
    • 夏はエアコン必須
    • お風呂上がりに座りづらい

椅子選びにおいて、好みが最も分かれる要素だと思います

座面の形状

主に、 フラット or お椀型 の2種類があります

お椀型は、正しい姿勢で座るのであればとても良いのですが、自由度が低いという欠点があります

メッシュ生地もそうですが、正しい姿勢を前提に作られているため、姿勢を崩そうとすると少し無理をする必要があります
「体に悪いことしてるなー」という感覚になります

好みによって分かれると思いますが、個人的にはフラット寄りなものがオススメです

座面の高さ

椅子によって、調整できる高さに差があります

身長が低い人だと、『一番下まで下げても高い』というケースがよくあります
大抵はフットレストで対応できますが、物が増えたり、『自分に合うフットレスト選び』が始まってしまうデメリットがあります

身長が極端であればあるほど、椅子が絞り込める(限定される)と思います

背もたれ

背もたれの有無

背もたれのある椅子が殆どですが、無いものもあります
主に、バランスチェア(腰痛対策・姿勢矯正の椅子)がそれです

社内Slackで「背もたれがあるから腰痛になるのだ」という投稿を見付けましたが、一理あると思っています
一方、背もたれが無い椅子は、長時間座るのがしんどいというデメリットもあります

バランスチェアは以下の方にオススメです

  • 腰痛持ち
  • 姿勢が悪い
  • サブ椅子を用意できる
  • 長時間座らない

背もたれの素材

座面と同様に、主に メッシュ or クッション の2種類があります

座面と違って固い枠の影響が少ないので、個人的には背もたれはメッシュがオススメです
蒸れにくいですし、クッションよりも体圧分散性に優れているらしいですし(座面の素材で前述)

背もたれの大きさ

背中を支えられる程度の高さがあると、長時間の座り作業でも快適です
この記事を読む人は大体当て嵌まると思うので、ミドルバック・ハイバックがオススメと言えます

一方で、背もたれが大きいと、肩周りの自由度が下がるというデメリットもあります
(HAG Capiscoなど、肩周りの自由度とハイバックを両立させている椅子もあります)

ちなみに、僕は以下の流れを辿りました

  • 「なんか良いらしい」でアーロンチェアを導入
  • 背もたれが横に大きいため、腕を後ろに回すことができず、巻き肩が進行
  • 「背もたれの小さい椅子が良い!」と思い、ローバックの椅子を購入
  • 腰に負担が集中し、「やっぱデカい方が良いな…」と後悔しながら買い替えることに

背もたれの動きやすさ

背もたれがしなる椅子は動きやすいです
(エンボディチェアやノルジェネレーションなど)

椅子の上での自由度が欲しい場合、こちらも大事なポイントになります

リクライニング

リクライニングのロック機能

リクライニングのロック機能の対象について、以下どちらか1つであることが多いです

  • リクライニングの位置(体を起こしてもそのまま)
  • リクライニングできる最大位置(体を起こすと付いてくる)

コンテッサセコンダが前者、アーロンチェアが後者ですね
(エルゴヒューマンプロ2など、両方操作できるものもあります)

背もたれ仕様などによって変わってくる話ではありますが、
休憩にも使いたい人は、前者(位置固定)は必須機能だと思っています

後者は、オフィス・仕事部屋などの作業用向けですね

リクライニングの前傾機能

アーロンチェアやエルゴヒューマンプロ2などに搭載されています
書き仕事をする人は多分必須です

PCゲーム勢など、前傾姿勢になりがちな人から好評な機能です
ちなみに、僕は前傾姿勢になりがちではあるんですが、姿勢が固定されてストレスなため不要だったりします

リクライニングの最大角度

くつろぎたい人であれば、こちらも大事です
オフィスチェアはオフィスを想定しているためか、あまり倒せないものが多いです
(最大20度とか)

エルゴヒューマン系はかなり倒せます
(ゲーミングチェア程ではないですが)

リクライニングの操作方法

操作難易度にかなり差があります
体を拗らないと操作できないものから、アームレスト上で操作できるものまであります

頻繁に調整するのであれば、このあたりも大事ですね

アームレスト

アームレストの高さ調整

某ハーマンミラー直営店のお兄さんは、「固定肘(高さ調整できない安いモデル)は、オフィスのMTG部屋など、長時間を想定していないものですねー」と言ってました

アームレストのある椅子であれば、個人的には必須機能です

アームレストの可動域

角度・前後左右の位置をどれだけ動かせるか、です

PC作業の場合、アームレストに肘を置いてキーボードを操作できるかどうかが大事で、快適性に大きく影響します 
「幅が合わないんだよなあ…」となる椅子はとても多いです

また、前後に動かせるかどうか(もしくは回転できるかどうか)も案外大事です
アームレストが大きくて前後移動に非対応だと、机とアームレストの高さを合わせる使い方が少し難しくなります
(腕を伸ばす必要がある)

ヘッドレスト

ヘッドレストの有無

有無を選択できるものが多いです
また、ハーマンミラー系なんかは非公式でヘッドレストが売られていたりします

リクライニングを深く倒したいのであれば必須です
首だけ自力で支えるのはしんどいです

とはいえ、椅子によって位置・サイズなどが全然違います
「ヘッドレストある方が好きだけど、この椅子のヘッドレストは好きじゃないので、無いモデルを買うかー」みたいなことも全然あるかと思います

ヘッドレストの大きさ

大きいものだと肩周りの自由度が下がるため、僕は小さいものが好きです

ヘッドレストの調整機能

リクライニングの角度によって、僕は快適な位置が変わります
このへんを調整できるとより快適になれるかもしれません

オットマン

あると快適ですが、出し入れが面倒なタイプは使わなくなりがちです

個人的には、以下みたいな折りたたみの式オットマンで良いかなと思ってます

『自分に合う椅子』の見つけ方

色々書きましたが、どういう要素が『自分に合う』かは実際座ってみないと分かりません
座り方や習慣によって『自分に合う』が変わったりするため、椅子の沼は深いです

そのため、WORKAHOLICに行くことをオススメします
座り方・選び方を2時間みっちりレクチャーしてくれます
(※執筆時点で、バランスチェアは店頭にありません)

椅子・座り方だけじゃなくて、自分に最適な座面の高さ・アームレストの位置・机の高さも分かります
(身長から椅子・机の高さを算出するサイトがありますが、体格や使い方によってベストな高さって若干変わってくるんですよね…)

一方、膨大に選択肢がある中、2時間で決め切るのは難しいため、事前に以下を行うことをオススメします

  • 本記事の『選び方のポイント』を見る
  • 座り比べて、好みをザックリ把握する
    • 家具屋
      • 大塚家具
      • ニトリの大型店
    • メーカーの販売店・ショールーム
  • 気になる椅子をまとめる
    • ChatGPTに「後傾姿勢に強い椅子を教えて」みたいに聞いたり
    • Mr.Chairsさんの動画を漁ったり

僕はWORKAHOLICに3回足を運んで、ようやく『自分に合う椅子』を見付けられました
(有料2回、コンシェルジュ無しの無料開放日1回)

また、『自分に合う椅子』を一発で当てることは難しいため、確信を持てるまで中古をオススメします
「これだ!」と思える椅子を見付けても、長時間座ると「なんか違うかも…」となることも全然あります

中古購入に関しては、以下の記事が参考になります

ちなみに、WORKAHOLICさん経由で新品を購入すると、充実したアフターサポートが付きます
最安値とは限らないですが、「こういう使い方をしていて、こう困ってるんですが、何か良い方法無いです?」みたいな細かい相談ができたり、修理中に代替機を貸してくれるらしいです

オススメの椅子

椅子の選択肢は膨大にあるため、個人的にオススメのものをいくつか紹介します

動ける系の椅子

座り続けることが体に悪い理由の一つとして、『同じ姿勢を続けるから』というものがあります
そのため、動ける系の椅子は健康に良いと言えます
(正確には、座り続けることによる悪影響を軽減できる)

僕の知ってる範囲だと、以下のものがあります

  • コクヨ ing
  • バランスラボ バランスシナジー
  • Varier VARIABLE

順に軽く紹介します

コクヨ ing

座面が前後左右に動くオフィスチェアです。バランスボールみたいな感じです
前職の元CTOや、オモコロチャンネルの恐山さん等が使用しています

オフィスチェアで絞るならば、動く系は多分これ一択になるかなと思います

参考までに、4ヶ月ほど利用した僕なりのメリット・デメリットを載せておきます

メリット

  • 前後だけでなく左右にも動ける
  • キーボード操作と相性が良い
    • 座面・リクライニングとアームレストが連動しない
  • 他のバランスチェアと比べて、長時間座りやすい
    • 背もたれがある & 座面が大きい

デメリット

  • 後継姿勢と相性が悪い
    • リクライニングをあまり倒せない
    • 座面と背もたれが連動しており、後ろに倒すと太ももに負担がかかる
  • 背面クッションが薄い
    • メッシュを推奨
  • 姿勢矯正効果は薄い
    • 悪い姿勢でもバランスを取れてしまう
  • 姿勢の自由度は低い
    • 座面・背もたれの角度が常に一定

1脚縛り(サブ椅子なし)であれば、僕はこれ一択です

ちなみに、2025年末に新作が出るらしいです

バランスラボ バランスシナジー

姿勢矯正効果のあるバランスチェアです。前後にゆらゆら動けます

場所を取らず、重量・高さ的に持ち運びもしやすいので、サブ椅子やスタンディングデスクと相性が良いです

僕は元々姿勢が悪いのもあり、現在メイン椅子として使用しています
良い姿勢を保つ筋肉がめちゃめちゃ鍛えられます

ただ、机の高さが必要(身長の半分ほど)だったり、長時間座るのは困難だったりと、万人受けはしない椅子ですね

Varier VARIABLE

バランスシナジーに膝置きが付いた感じのバランスチェアです

試座したところ、バランスシナジーよりも姿勢矯正効果があると感じました

一方、高さ・重量的に持ち運びが少し大変というデメリットがあります
(腰を下げる必要がある & バランスシナジーより重い)


ここからは、動けない系の(普通の)オススメ椅子を紹介します

オカムラ コンテッサセコンダ

オカムラのフラグシップモデルであり、日本一の最高級オフィスチェアです

アームレストに操作ボタンが付いており、高さ調整・リクライニング調整を手元で操作することができます
サッとリクライニングを倒して休憩できるため、とても快適です

以下の理由により、『自分に合わない』のリスクが低いです

  • 座面の生地を選択できる
    • メッシュ・クッションだけじゃなくて、革とかもある
  • 座面の形状を選択できる
    • 通常モデルがフラット寄り
    • サーキュラーモデルがお椀型
  • ヘッドレストの有無・種類を選択できる
  • ランバーサポート(オプション)を上下できる
  • 仕事・休憩どちらにも利用できる
    • オカムラ製の中でリクライニングを一番倒せる

僕のサブ椅子です

後傾姿勢に強いですし、小型可動ヘッドレストを付けることをオススメします

ハーマンミラー エンボディチェア

世界一の椅子だと思っています
「100脚以上座ってきたけどこれが一番だぜ」という動画を偶然見付けましたが、僕も同じ意見です

上記サムネの通り、独特な形状(体の支え方)が特徴です

以下のメリットがあります

  • メッシュとクッションのメリットを両立している
    • メッシュの縁のような固い部分がどこにもない
    • クッションの層が薄く、蒸れにくい
    • (廃盤だが、バランス生地という実質メッシュの生地もある)
  • 自由度が高い(動きやすい)
    • 全体的に『しなる』
      • 特に上半身
      • ほとんどの体型でフィットする
  • 後傾姿勢に強い
    • リクライニングの硬さ調整幅が広い
    • リクライニングのロック(最大位置)の調整幅が広い(4段階)
    • リクライニングの位置固定はできないが、硬さを緩めた上で毎回ロックする運用であれば気にならない
  • 仕事・休憩どちらにも使える
    • 仕事中は1段階ロック解除、休憩中は全ロック解除など
    • (非公式ヘッドレストの完成度が高い)

ただし1点デメリットがあって、机とアームレストの高さを合わせる運用が少し難しいです
アームレストが縦に大きいのに、後ろに下げることも回転もできないので、腕を少し伸ばす必要があるからです

上記理由により、僕は購入を見送りました

格安の何か

近年、コスパの良い椅子が続々と登場しており、「良い椅子は値段が高い」という神話が崩れつつある印象があります
新興メーカー製の格安椅子を調べていた際、「エルゴヒューマンから乗り換えたんですが、大満足です!」というコメントを見てたまげました
(あくまでデータ数1なので、鵜呑みにしない方が良いとは思いますが)

注目メーカーとしては、個人的にはCOFOとEastForceですね

とはいえ、新興メーカー製は『試座が難しい』という一点でオススメしづらいです
新興メーカーは販売店が郊外にあることが多いですが、近所にあるのであれば候補になるかと思います

安く手に入れたいのであれば、定価が安い椅子よりも高級品の中古が無難ですが、試座して「良い!」と感じたら全然アリです
老舗オフィスチェアメーカーはオフィス用に特化している一方、新興メーカーは自宅用に特化していますし

最後に

本記事は、家具メーカーの社員でも整体師でもない一介の素人が執筆したものです
しかし、時間と費用を相当にかけてたどり着いた、経験と試行錯誤の末の"叡智"だと自負しています

デスクワーク環境の改善は、生産性や健康寿命に良い影響を与えます
この記事が、その一助となり、少しでも日本に良い影響を与えることができれば幸いです

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