こんにちは!XRエンジニアのイワケンです。
Unity歴7年Unreal歴3年で、最近はUEFN (Unreal Editor for Fortnite)を仕事でも趣味でも触っています。
今更ながら「UEFN」ってなんだろうということを知りたい、UnityやUnrealエンジニアのために、この記事を書きます。各手順よりも、全体像、単語の意味を中心に説明したいと思います。
もし間違っているところがありましたら、コメントや編集リクエストで教えていただけるとありがたいです。
想定読者
- UnityやUnreal Engineについては知っている
- FortniteやUEFNに関心はあるが、これから調べる
この記事のゴール
- Fortnite, UEFN, Unrael Engineの関係を知る
- 島公開できるところまで作業できるようにする
になります。
Fortniteとは
FortniteはEpic Games社が販売・配信する、2017年に公開されたオンラインゲーム。クラフト要素のあるサードパーソン・シューティングゲーム(TPS)です。100人で戦って最後の1人が勝利!的なゲームがメインです。バトルロイヤルゲームとも呼ばれています。
「島 (Island)」 というのは、Fortniteにおける「フィールド/マップ/ワールド」のような概念です。VRChatの「ワールド」に相当します。「島公開」というのは、自分が作った島を世の中のFortniteプレイヤーに遊んでもらえるということです。
こんな感じで、島の一覧にUEFNで作られた島が公開されているのがわかります。
100人で戦うモード以外にも遊ぶことができます。
ちなみに、Fortniteの対応プラットフォームは、PCだけでなく、PlayStation, Xbox, Nintendo Switch,Androidなど多岐にわたります。 2023年3月23日のState of Unrealで発表された月間アクティブユーザー数は7000万人とのこと。これだけのユーザーに遊んでもらえる可能性があるのはワクワクしますね。
なぜ今UEFNなのか
最近Twitterで「UEFN」という文字列を見るなぁと思っている皆さんに、なぜ今盛り上がりつつあるのか簡単に説明します。元々のきっかけの記事が2023年3月23日のこちら記事
要するに
- Unreal Engineを使って島を作ることができるようになった。
- 今までは、FortniteのCreativeモード
- クリエイター エコノミー2.0により、島を公開した人にエンゲージメント配当がもらえるようになった。
- Epic社のFortniteの純収益の40%を「Fortniteでゲームを公開する適格なクリエイター」に分配する仕組み
- 配当の割合は島の人気、エンゲージメントなどで決められる
自分が制作した島が人気になるほど収益がもらえるという仕組みが盛り上がっている理由の1つでしょう。
フォートナイト エンゲージメント配当に関する最新情報を見ると、年間換算で200を超えるクリエイターが年間10万ドル (=1400万円弱)そして5人ほど10億円クリエイターが誕生しています。
仕組み上人数が増えていけば行くほど一人あたりの収益は下がるので、なるべく早く参入して島を公開してチャレンジすべきでしょう。
何を準備すればいいのか
結論からいうと
- 作業用Windows PC
があれば始められます。MacではUEFNは現状できません。Windowsです。
マシンスペックは普段UnityやUnreal Engineを動かしているスペックであれば問題ないでしょう。
あとは
- Epicのアカウントの準備
-
Epic Games Launcherのインストール
- Epic Games Launcherから
- Fortniteのインストール
- UEFNのインストール
- Unreal Engineのインストール (必要であれば)
- Epic Games Launcherから
を事前準備として進めておきましょう。
こちらに手順をまとめています。
補足: 全体像
- Epic Games Launcher
- UEFN
- Unreal Engine
- Fortnite
の関係を簡単に整理しました。Epic Launcher自体がプラットフォームみたいなもので、Epic Games Launcherからアプリをインストールします。
島クリエイタープログラムに登録して島を公開しよう
島を公開して、収益を受け取るためには、島クリエイタープログラムに登録する必要があります。
詳しくは下から申し込んでください。
しかし申し込むためには、参加資格が以下のように定められています。次の「どちらか一方」を満たす必要があります。
- ①クリエイターのEpicアカウントが、
フォートナイトに初めてログインしてから30日以上が経過し、フォートナイトで過ごした過去30日のうち7日以上は、フォートナイト クリエイティブ、Unreal Editor for Fortnite(UEFN)および/またはUnreal Engineでの島の作成にあてた日を含んでいる、 - ②過去90日で、フォートナイトのゲーム内製品に対して75ドル(米ドルでの価格に基づく)以上の購入/引き換えを行っていること。この消費金額の条件に、ギフトカードは適用されません。
つまり、たくさん遊ぶか、課金するかどちらかを行う必要があります。課金したくない人は今日からUEFNを始めましょう。
権利を得るとこのように公開することができます。(試しに上げてみたやつ)
公開手順のメモはこちら!
UEFNで何ができるようになったのか
歴史的にUEFNが出る前はFortniteのクリエイティブモード で、島制作をすることができました。現在もできます。
その時点で
- Fortniteの基本的な武器、道具、家などのアセット
- Fortniteの基本的なギミック開発
は、実現可能でした。これらはUEFNでも実現可能です。
UEFNではさらに
- 独自の3Dモデルのimport
- Verse言語によるゲームロジックの実装の拡張
ができるようになったという理解です (ざっくり)
問題はこれがどれだけできるのか!!!!!というところだと思うのですが、現在日々調査中です。またアップデートによりできることが広がっていっているところだと思います。
UEFNの画面が上記の感じなのですが、Unreal Engineとほぼ同じです。ただ、使える機能は制限されています。
例えば
- BluePrintによるノードプログラミングはできません
- C++の実装はできません
- Media Playerなどの動画の読み込みはできません
などなど。(ここらへんも今後整理していきたいです。)
代わりに
- Device/デバイス/仕掛け
- Verse言語
を使って、仕組みを作っています。この「Device/デバイス/仕掛け」というのはFortnite用語で重要なので覚えてください。(英語と日本語どちらも知っておく)
仕掛けを知る
事前に準備されている仕掛けは現時点167個あります。プレイヤーのSpawn位置から、敵の生成、ボタンやTrigger (〇〇したら〇〇するというイベント的な処理) などもできます。まずはこれらを知るところも大事になります。
最後にまとめ
これからUEFN始めたいUnity/Unrealエンジニアのために
- Fortnite, UEFN, Unrael Engineの関係を知る
- 島公開できるところまで作業できるようにする
をゴールに、主に全体感と重要単語を説明しました。私自身全体感を把握するのに時間がかかったので、参考になれば幸いです。
今後とも役立つ記事を上げていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
ざったなメモに関してはUEFN研究会のScrapboxにあげていきますので、こちら見ていただけると嬉しいです。
参考資料
- https://dev.epicgames.com/documentation/ja-jp/uefn/unreal-editor-for-fortnite-documentation
- https://create.fortnite.com/news/fortnite-engagement-payout-update?team=personal
- https://www.fortnite.com/news/unreal-editor-for-fortnite-and-creator-economy-2-0-are-here-new-worlds-await?sessionInvalidated=true