一元配置分散分析 (One-way ANOVA) と 多元配置分散分析 (Factorial ANOVA)
一元配置分散分析 (One-way ANOVA)
- 特徴: 独立変数(要因)が 1つ の場合に使用。
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目的:
- 1つの独立変数が複数の水準を持つとき、従属変数に与える影響を調べる。
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例:
- 独立変数: 入力手法(Sakura, 50音入力, QWERTY入力)
- 従属変数: 入力速度
- 質問: 「入力手法によって入力速度に違いがあるか?」
多元配置分散分析 (Factorial ANOVA)
- 特徴: 独立変数が 2つ以上 の場合に使用。
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目的:
- 各独立変数の主効果を調べるだけでなく、独立変数間の 交互作用 の有無も検定する。
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例:
- 独立変数1: 子音滞留時間(200ms, 400ms, 600ms)
- 独立変数2: 母音滞留時間(200ms, 400ms, 600ms)
- 従属変数: 選択時間
- 質問:
- 「子音滞留時間が選択時間に影響を与えるか?」
- 「母音滞留時間が選択時間に影響を与えるか?」
- 「子音滞留時間と母音滞留時間の組み合わせ(交互作用)が選択時間に影響を与えるか?」
一元配置分散分析と多元配置分散分析の違い
特徴 | 一元配置分散分析 (One-way ANOVA) | 多元配置分散分析 (Factorial ANOVA) |
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独立変数の数 | 1つ | 2つ以上 |
主効果 | 独立変数1つの主効果を検定 | 複数の独立変数の主効果を検定 |
交互作用 | 検定しない | 独立変数間の交互作用を検定 |
用途 | 単一の要因が従属変数に与える影響を調べる | 複数の要因とその組み合わせの影響を調べる |
まとめ
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違い:
- 一元配置分散分析は独立変数が1つの場合に適用し、交互作用は考慮しない。
- 多元配置分散分析は複数の独立変数を扱い、主効果と交互作用の両方を評価する。
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選択の基準:
- 研究設計と目的に応じて、独立変数の数や交互作用を調べる必要性に基づいて選択する。