移動体データの可視化
最近、MaaSサービスの企画・検討のため、移動体データの分析や活用ニーズが高まってきている。今回はPower BIを使った移動体データの可視化、分析を行う。
なぜ、移動体データの分析・活用が必要か?
1.MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)型のサービス
MaaS は、ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念である。
利用者はスマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索、利用し、運賃等の決済を行う例が多い。
2.具体的には・・・
携帯電話やカーナビなどの位置情報を利用したサービス。移動しながら利用する。外や街中で利用するサービス。
3.今の事例
自動運転・VICS・バス運行情報・Uber・Pokemon Go・ナウキャスト とか。動きながらサービスするもの。B to Cだけでなく、C to C 的なサービスもある。
4.移動体
移動するもの:電車・バス・車・バイク・自転車・人・天気(雨雲、台風)
移動体データ概要
本来なら車などのデータを使った分析ができればいいのであるが、取得に難しいため、今回はマラソンランナーのデータという事で、私が走った以下2つのレース。東京マラソン・湘南国際マラソンを比較し、分析を行ってみる。
レース | 東京2014 | 湘南国際2018 |
---|---|---|
データ取得 | GPS Watch | Fitness Watch |
データ形式 | GPX(XML) | TCX(XML) |
データ項目 | 時刻,緯度,経度,標高 | 時刻,緯度,経度,標高,距離,心拍数 |
データ粒度 | 2秒~30秒間隔 | 1秒間隔 |
データ下処理
2つのレースで取得したGPX、TCXファイルが持つデータ項目が異なるため、下処理として、GPXの緯度経度データから、走行距離を算出したが、GPSの誤差のため、大きなズレが発生するため、一度計算を行ってから、フルマラソンの距離にて補正をおこなう。
緯度経度から距離の算出処理についてはいくつか方法があるようだが、精緻な検証が難しいため、省かさせていただく。
データモデル
ファクト(集計値)は移動体データ、ディメンジョン(分析軸)は距離マスタ、時間マスタ、マラソン基本情報マスタのスタースキーマ モデル作成。
使用するビジュアル
Power BIの標準の「縦棒グラフ」、「折れ線グラフ」、「マップ」を使用。
時系列での動きのある分析については、Custom Visualの「Play Axis」を組み合わせて使用。
以下の可視化、分析を行う。
サンプルレポートURL(全5頁構成)
時刻×走行距離、区間別×時間、位置分析をさらに時系列で動かすため、Custom Visualの「Play Axis」の再生ボタンを付けたレポートを用意したので確認してほしい。
※湘南国際マラソン(緑色グラフ)の9キロポストと、21キロポストについては、異常値に見えるが、ピットインにてタイムロスが発生したため、値は正しい。
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