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Day 10

没入するゲームデザインを考える【APE OUT編】

Last updated at Posted at 2021-12-09

#概要
時間を忘れて遊んだゲームがゲーマーならありますよね。
今回はゲームに夢中になる理由を考え、ゲームデザイナー/ゲームプランナーの重要なプレイヤーを惹き込む能力に繋げていくためにも考えていこう。
##APE OUT
APE_OUT.jpg
Steam販売ページはこちら
こちらのゲームを知らないという方はリンク先でPVなどを視聴して頂きたい。

高い暴力性を持ったこのゲームは**「掴む」「投げる」という2つの要素が重要なゲームだ。

まずこの2つの要素だけで「攻撃」と「防御」となるアクションは完結しており、プレイヤーは複数の手段から考える必要性が無くなり、とりあえず掴んで投げてたらあっさり殺せてしまい破壊衝動を刺激する。まさしく
ゴリラのように野性味溢れるプレイが楽しめるようになっている。ステージを進めるとあっさり殺せなくなる・・・というレベルデザインの話はまた別。

今回は記事の主題であるAPE OUTの
没入感を高めている要素となる*「破壊」***がいかに巧みな手法で組み込まれているか考えていきましょう。

1.即興ライブのような展開の速い殺し

このゲームはあっという間に人が死ぬ。プレイヤーのゴリラも死ぬ。
壁に向かって人間を投げるとすぐに死ぬ。
ゴリラは銃撃に3回当たると死ぬ。爆撃は1回で死ぬ。
しかし他の死にゲーとは違いスピーディなゲーム展開が「次の人間を殺すまでの速さ」に繋がっており、プレイヤーに「考えるよりアクションを起こして殺す!」と誘導しているため、慎重な行動が必要となる死にゲーと一線を画している。

慎重に行動して人間を一人一人殺す?否!自分の行く先に居るヤツは殺す!!

また、このゲームはBGMや効果音の全てが打楽器で表現されており、敵を壁に叩きつけた際は心地の良いシンバルが鳴り、気分を盛り上げてくれるのもまた「ライブ感」を高めている要素の一つにある。

2.次は殺す

上記で人間もプレイヤーもすぐに死んでしまうと書いたが、ゲームで死んだりしてやる気が削がれないように死亡した際に自分がどれだけ進んだかという情報が開示される。
APEOUT_DEAD.jpg
シャレオツ~~~~~~~~~~~~~!!
マップのゴールまでの道のりの情報も同時に判明するため、死んで少し冷静になったタイミングで丁度よく情報が頭に入ってくるのが気持ちの整理とやる気の向上に繋がっている。

プレイの見直し?知らん!最終的に全員殺せばよいのだ!!!

3.たまには知的に殺す

少し触れたレベルデザインだが、このゲームは大きいヤツほど強いというビジュアル面でもわかりやすい工夫を施しており、大きいヤツは散弾銃やガトリングガンを持っていたり、爆弾を抱えているモノが居る。

銃を持っているモノは悪用しやすい、「そいつを掴んだまま敵の方を向く」と勝手に銃を撃ってくれるのだ。やっていることはおぞましいが、私はゴリラなので人間を殺すことが正義なのである。

爆弾を持っている奴は取り扱い注意だ。壁にぶん投げたり銃撃を受けると広範囲に爆発し、巻き込まれると一発で死ぬからだ。もちろん裏を返せば敵を一掃できる必殺アイテムのようなモノだ。

ただ単純に殺すだけでは興が醒める、野性味を活かしつつ知的に攻めさせる。
プレイヤーの感情を高ぶらせる一味のスパイスである。

つまり

このような工夫を施すことであらゆる面で「殺す」という要素にプレイヤーの破壊衝動を駆り立て、ゲーム内のゴリラのように野性味溢れる爽快感ドバドバの没入感を味わえているのだ。

いかにプレイヤーに楽しませたい要素を深堀りし、どのような感情にさせたいかをよく考えて制作していくことで強い没入感のあるゲームデザインができるのである!

#総括
以上のような方法を用いて、ゲームを通じて多くの人を楽しませる唯一無二の没入感が味わっているのだ。

他にも没入感を生む要素としては「ストーリー」や「キャラクターの生き様」などの操作以外の手法を用いるモノや、「ゲームのアクションと同じ動きを行う」ことで生まれる体感・直観操作などもあるだろう。

対戦ゲームなどは没入するというよりかは、「熱中」や「没頭」に近いが、似た思考でゲームに惹き込める面白いデザインが考えることができるだろう。

気が向けば他のゲームを用いて考察してみようかと思います。

以上。終焉。

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