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量子ビットの測定による状態変化

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はじめに

量子コンピュータの本には次のようなことが書いてある。

量子ビットを測定すると、量子ビットの状態は測定基底のいずれかの固有状態に変化する。

IBM QuantumのCircuit Composerを触っていたら測定アイコンを2つ置くことができたので、測定によって状態が変わるのか試してみた。
※あまり意味がないネタです。

方針

量子ビット$|\psi\rangle$をZ基底の固有状態$|0\rangle, |1\rangle$の線形結合で表す。
$|\psi\rangle = \alpha|0\rangle + \beta|1\rangle, |\alpha|^2 + |\beta|^2 = 1$

$\alpha = 1(\beta = 0)$の場合、$|\psi\rangle$はZ基底の固有状態$|0\rangle$になっている。
これをZ基底で測定すると古典ビットの0が得られ、$|\psi\rangle$は$|0\rangle$のままになっている。
この状態で再度測定しても同じ結果になる。

今回は状態が変化するかを確認したいので、最初に$|\psi\rangle$を重ね合わせ状態にしておいて、
同じ量子ビットを連続で2回測定することで、測定結果から量子状態が変わったかを確認する。

流れ

均等重ね合わせ状態の量子ビットを用意する。
$|\psi\rangle = H|0\rangle = \frac{1}{\sqrt{2}}(|0\rangle + |1\rangle)$

1回Z基底測定を行い、古典ビットc0を得る。
測定によって量子状態は以下のように変わっているはず。

測定結果が0の場合、$|\psi\rangle → |0\rangle$に変化
測定結果が1の場合、$|\psi\rangle → |1\rangle$に変化

ここで2回目の測定を行い、古典ビットc1を得る

測定結果が0の場合、$|\psi\rangle$ は $|0\rangle$に変化していた
測定結果が1の場合、$|\psi\rangle$ は $|1\rangle$に変化していた

古典ビットc0と古典ビットc1が同じであれば、測定によって量子ビットの状態が古典ビットに対応する状態に変化したと言える(可能性が高い)。

結果:測定1回

システム
ibmq_santiago (よく見ずに実行したらibmq_santiagoになったが、待ちキューが長くて無駄に30分くらいかかってしまった...)
実行回数 1024回

回路
・測定結果を古典ビットc0に入れる(ヒストグラムの下1桁)
・q1は使っていない(測定もしていない)。古典ビットを2ビット用意するために配置
1_circ.png

測定された古典ビットのヒストグラム
・上1桁はただの初期値で、測定値ではない。
・q0に対応するのは測定値の下1桁。0, 1の両方が出ている。
2_pro.png

結果:測定2回

システム
ibmq_santiago
実行回数 1024回

回路
・2回目の測定結果を古典ビットc1に入れる(ヒストグラムの上1桁)
3_circスクリーンショット 2021-04-20 212558.png

測定された古典ビットのヒストグラム
・00, 11が多い。2回目の古典ビットが1回目と同じなので、測定すると量子ビットの状態が変化すると言える
・01, 10も少し出ているが、現時点ではエラーはしょうがない。量子ビットの状態を測定で厳密に制御するのは期待しないほうがよさそう。(リセットならできるのかな?)
4_pro.png

おわりに

結果から測定すると量子ビットの状態が変化しているように見える。
とはいえ、そもそも2回連続で測定することが想定されているか不明なので、今回の結果が何か意味を持つものではない。
※まあ、ネタなので。

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