WSL2(Ubuntu 24.04)でClaude Desktop MCPサーバーを動かす

概要

Windows版Claude DesktopのMCP（Model Context Protocol）サーバーをWSL2上のUbuntu 24.04で動作させる手順を解説します。これにより、WSL環境からWindows側のファイルシステムにアクセスできるようになります。

環境

Windows 11
WSL2
Ubuntu 24.04 LTS
Node.js v18.19.1
npm 9.2.0
Claude Desktop（Windows版）

WSL2とUbuntu 24.04のセットアップ

1. WSLの基本インストール

# 管理者権限のPowerShellで実行
wsl --install

2. Ubuntu 24.04のインストール

# Ubuntu 24.04を指定してインストール
wsl --install -d Ubuntu-24.04

3. WSL2への変更

# Ubuntu 24.04をWSL2に変更
wsl --set-version Ubuntu-24.04 2
# デフォルトバージョンの設定
wsl --set-default-version 2

Node.jsとnpmの設定

1. Node.jsとnpmのインストール

sudo apt install nodejs npm

2. npmのグローバルディレクトリ設定

mkdir ~/.npm-global
npm config set prefix '~/.npm-global'

3. 環境変数の設定

echo "export PATH=~/.npm-global/bin:$PATH" >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

MCP Serverのインストール

1. パッケージのインストール

npm install -g @modelcontextprotocol/server-filesystem

2. インストールの確認

npx -y @modelcontextprotocol/server-filesystem /mnt/c/Users/[username]

Claude Desktopの設定

1. 設定ファイルの作成

%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.jsonに以下の内容を設定：

{
  "mcpServers": {
    "filesystem": {
      "command": "C:\\Windows\\System32\\wsl.exe",
      "args": [
        "bash",
        "-c",
        "/usr/bin/npx -y @modelcontextprotocol/server-filesystem /mnt/c/Users/[username]"
      ]
    }
  }
}

2. プロセスの完全終了

タスクマネージャを開く
Claude関連のプロセスを確認
残存プロセスを完全に終了

3. Claude Desktopの再起動

Claude Desktopを起動
画面右下のツールアイコンで接続状態を確認

トラブルシューティング

エラー: spawn docker ENOENT

Dockerは不要。設定ファイルのcommandとargsを確認

エラー: spawn npx ENOENT

npxのフルパスを指定（/usr/bin/npx）

接続エラー

タスクマネージャでゾンビプロセスを確認
Claude関連プロセスを完全に終了
再起動で解決することが多い

動作確認

Claude Desktopで以下のようなプロンプトをテスト：

Can you list the contents of my user directory?

正常な応答があれば設定完了

利点

WSL環境からWindows側のファイルシステムにアクセス可能
Node.js環境をWSL側に集約
Windows側の設定を最小限に抑制

注意点

設定変更後は必ずプロセスの完全終了を確認
WSLのパスとWindowsのパスの違いに注意
ファイルアクセス権限の確認が重要

まとめ

この設定により、WSL2上のUbuntu環境からClaude Desktop MCPサーバーを利用できるようになります。Windows側の設定を最小限に抑えつつ、WSLの利点を活かした環境構築が可能です。

参考情報

WSL2公式ドキュメント
Claude Desktop公式ドキュメント
Model Context Protocol公式ドキュメント